■デッドライン作戦
相手にしっかり期限を突きつけることで、相手が動いてくれやすくなる。「終わり次第」、「できたところで」という曖昧な言葉では人は動かない。凄腕営業パーソンは、決めかねている得意先に対し「いつまでに決断してくれるのか」「他の何と迷っているのか」「どんな条件・情報が加わったら選べるのか」の3点を迫るという。
期限を明確にできないのは、自分自身が仕事の進行イメージをもてていない証拠だ。相手への遠慮はひとまず脇において、デッドラインを明示することで、相手も自分も動きやすくなる。
■フォックスタイガー作戦
タイミングや場所を変えても相手が動かないときは、自分がなめられている可能性が高い。そんなときは、「頼まれたら断りづらい人」を送り込み、「虎の威を借る狐」になってしまおう。
具体的には、自分よりも偉い人(上司)や、敵を作らない人当たりのいい人、美人、そして威圧感がある人がオススメだ。他の人が登場することで、これまで煮詰まっていた経緯や関係性をリセットでき、挽回のチャンスを作れるというメリットがある。すぐに切れるカードをたくさん持っていることが、優秀な交渉人の条件だと言える。
■イイキリ作戦
「強く言い切る」ことで、相手の背中を押す作戦だ。情報や選択肢があふれる現代では、「選ぶ・決める」ことはストレスフルなことなのである。「○○と、△△があるのですが……」と丁寧に説明するのではなく、「○○がおすすめです!」と結論を断定してあげることで、相手は動きやすくなる。ただし乱発すると、相手が指示待ち人間になってしまうリスクがあるためご注意を。
■オダテマス作戦
ほめられて、おだてられて気分が悪くなる人はいない。相手の態度が硬くなっていたら、まずはおだててみること。相手の機嫌の悪さが交渉を難航させている可能性も大いにあるので、気分よくなってもらうことが大切だ。効果的な「おだてるポイント」は次の3つである。
①「あなただけ」という特別感を出す
②とにかく持ち上げて、褒め殺しにする
③下手に出る
おだて作戦は、おもてなし精神が問われるといってもよいだろう。
■イソロク作戦
人は何かのまねをして取り組むと成果が出やすい。稀代の軍人、山本五十六の「やってみせ、言って聞かせて、させてみて、ほめてやらねば、人は動かじ」という名言よろしく、動かない相手には、手本を見せて「行動の障害」を取り除いてやることが有効だ。
ただ、最近の新人教育の現場では、手本を見せたくらいでは動かない場合も多い。よって、「まずほめて、試しにやらせてみて、その上で言って聞かせて、最後にお手本を見せる」という手順の方が、相手を動かしやすいはず。おおらかな気持ちで試してほしい。
■大義名分作戦
人を動かすには、きっかけとなる「いい感じの言い訳」を用意してあげることが必要だ。例えば、男性が女性をデートに誘うとき、「仕事も一段落したし、軽く打ち上げでも」とそれらしい理由をつけると、誘われた方も行きやすくなる。
特に男性は何かと物事に理由をつけたがるが、ひるがえせば、大義名分を与えると生き生きと動き出す傾向が強い。ビジネスの場でも、
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