話し方で何よりも重要なことは、「相手の頭の中を想像する」ことである。どんなにわかりやすく話したとしても、相手が聞きたい話でなければ「そんなこと聞いてない」と一蹴されてしまう。
逆に、相手にとって興味深い話であれば、まとまりのない話でも聞いてくれる。“自分の言いたいこと”と“相手が聞きたいこと”は違う。
人は自分を理解してくれる人に会うと、無条件に心を開いてしまうものだ。相手が心を開いてくれたら、メッセージは相手に届くようになり、あなたが自然に会話のペースを握れるようになる。
話し方の背骨は、「相手をベースに」「相手の立場になって」「相手の頭の中を想像して」である。これらを知らずに話すのは、野球のルールを知らずに登板するようなものだ。
本書の役割は、相手の心理を理解して自然にペースをつかみ、ビジネスもプライベートも成果を上げることである。
「相手の頭の中を想像する」といっても、全員の頭の中を想像する必要はない。社内の人や取引先、ご近所さん、交流会で出会った人など、全ての人を対象にしていたら大変だ。
あなたが想像すべき相手は、あなたの人生にとって大切な人である。人生の時間には限りがある。だからこそ、あなたにとっての大切な人だけには「頭の中を想像する」を徹底的に発動させるのだ。
何をもって「大切」とするかの判断は、あなたの「軸」による。軸とは、「こんな人生を生きたい」「こんな人間でありたい」「こんな価値観を大切にしたい」というような、「こだわり」や「マイルール」である。
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