著者は鹿児島大学工学部を卒業後、京都の碍子メーカーである松風工業に就職し、当時新しい分野だったニューセラミックスの事業化に成功する。だが、上司との意見の対立により、自らの夢を実現できないと悟った。そうした経緯から、著者は京都セラミックス(現京セラ)を創業する。
これまで市場になかったさまざまなセラミック製品を開発・製品化し、会社規模は100名、200名、やがて300名へと急拡大していった。しかし、当時の著者は開発から製造、営業までひとりで社内を走り回っていた。経営素人であった著者は、成長し続ける会社をどうすれば運営できるのか、ひとりで悩んでいた。
そんなある日、突如ある考えが閃いた。「従業員100名まではひとりで管理できた。なら会社を小集団の組織に分け、リーダーに管理を任せよう。さらにそれぞれの組織が小さな町工場のように独立して採算を管理すればよい」。
会社の経営状況をオープンにすることで従業員の参画意識を高めることができると気付いた著者は、経営内容をガラス張りにする「アメーバ経営」を京セラの経営管理の根幹に置くことを決めた。
アメーバ経営を理解するには、大きく3つの目的を把握する必要がある。
第一の目的 市場に直結した部門別採算制度の確立
第二の目的 経営者意識を持つ人材の育成
第三の目的 全員参加経営の実現
要約ではこの3つの目的に沿った内容を取り上げる。
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