「話す力」とは、「人から求められる力」である。「話す力」があると、「この人ともっと話したい」「この人に協力したい」と思ってもらえるようになる。話すことで、人から求められる存在になるのだ。「話す力」は、人脈や組織作り、自分の成長や新しい可能性の獲得、そして人生の豊かさにまで大きく貢献する。
ここでいう「話す」とは、自分が思ったことを一方的に伝える行為ではない。「話す」とは、コミュニケーションであり、「伝える」と「聞く」を組み合わせた、一方的ではない言葉のラリーである。どんなに流暢に話せても、聞き手が興味を持たなかったり、話すことを通して関係が深まったりしないのであれば、「話す力」があるとはいえない。
まず、「声」のもつ威力を確認し、これからの時代に「声」や「話し方」が必要とされる理由を確認しよう。
声はアウトプットが簡単で、情報のやりとりに有利なツールである。人類がこれほど繁栄したのは、声を使った言語による高度なコミュニケーションが要因のひとつだと言われている。文字や写真、動画などとは異なり、声は自分の体以外の媒体を必要としない。だからこそ、声にはその人の感情がはっきりと表れる。人となりを理解してもらって信頼を得たいときや、しっかりとした人間関係を築きたいときは、声が大きな役割を果たす。
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