人はみな、起業家として生まれついている。なぜなら、自分自身の運命の手綱は自分で握り、創造的でありたいという思いがDNAに組み込まれているからだ。
世界的なテクノロジー革命と終身雇用の崩壊。この2つの潮流のもと、新しい時代が始まり、ルールは変わった。変化にはチャンスと難題の両方がつきものだ。どんなスタイルで働いていても、新しいチャンスをつかみ難題に対処するには、自分のキャリアをスタートアップの舵取りのつもりで考え、行動する必要がある。なぜなら、起業家が会社をつくり成長させようとするときの環境条件は、私たちがキャリアを築こうとするときの条件と同じだからだ。
スタートアップの創業者たちは、日々不確実性や制約と真正面から向き合っている。同じく個々人も、キャリアを舵取りするために、リスクに機敏に対処し、人脈を活かしてビジネス上の知恵を探り出すといったスタートアップの戦略を取り入れる必要がある。
著者のリード・ホフマンは2003年にLinkedInを共同創業した。LinkedInの会員数は8億人を突破したが、その間彼は、あらゆる業界のプロフェッショナルが自身のキャリアをどう舵取りしているかについて多くを学んだ。さらに、ベンチャー・キャピタリストとして100社以上のスタートアップの事業拡大を後押ししてきた。そこで気づいたのが、飛ぶ鳥を落とす勢いのスタートアップの事業戦略と、順風満帆な人生を送る個人のキャリア戦略は驚くほど似ているという点だ。例えば、自立している、機知に富む、大志を抱いている、適応力が高い、仲間と結びついているといった持ち味がある。
キャリアを真剣に考えて、世の中のためになることをしたい。そう思う人には、シリコンバレー流の起業家精神が求められる。
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