童話「三匹の子ぶた」を現代風に書き換えるとこうなる。
三匹の子ぶたはお母さんに会いたい。噂では、最近オオカミは体調を崩したようだ。長男は噂を信じて出かけたが、噂は事実ではなくオオカミに食べられた。次男は噂を信じなかったが長男の末路を確かめることなく出かけ、やはりオオカミに食べられた。末っ子も噂を信じなかったが、兄二人の動向を確かめた。そして、出かけるのをやめた。
「生きた情報は、意思決定の鍵」だ。これを活用すれば、行動の幅やタイミングを柔軟に変えることができる。このことを「行動の柔軟性」という。
不確実な世の中では、自分の思うようにものごとは進んでいかない。そこで成功や失敗を何度も繰り返すことで、段階的に成長していける。柔よく剛を制す。「大きな枠組みの中で状況に応じて柔軟に行動する」人を目指そう。「明日できることを今日やるな」とは、そういう意味だ。
「選ぶことは捨てること」だ。たいていの人は、選ぶことで失われるものに気づかない。だから後になって「失ったものは大きい」と悔やむ。「捨てた損失は選んだものと一心同体だ」。その損失が大きいほど、「選んだものの価値は相対的に小さくなる」。
捨てるべきは「初志貫徹」「完璧」「無限」だ。複雑化する社会では初志を貫くことが簡単ではなくなった。初志にこだわっても成果が出ないのであれば、ときには休みつつ、ゆっくりと軌道修正を試みよう。また、完璧には際限がない。世の中にはグレーもあるし、やろうと思えばどこまでもできてしまうことはたくさんある。意思決定で大切なのは、合格の最低基準を決めて最善を目指すことだ。人の能力や可能性は無限ではない。できないことは手放す。「やればできる」というのは傲慢だ。「自分の能力を自分自身が一番よく知ること」が肝要だ。
捨ててはいけないものは「感性」「勇気」「行動」「好機」「時間」だ。押し付けは感性を傷つける。知もたしかに大事だが、知は「自信や勇気を裏付ける要素」であるからこそ価値がある。何かを決めたのならば「机上の空論」にせず、行動しよう。行動しないことは、自分の意思や、褒められて成長する機会を捨てることになる。意思決定で一番むずかしいのは、何度も訪れない好機を掴み取ることだ。そして、負けを選ばないよう諦めずに時間を使い切ろう。
「不確実性の中には、チャンスもあればリスクもある」。このチャンスとリスクは「トレードオフ」の関係にある。「ハイリスク・ハイリターン」のほうが大きな潜在的チャンスの可能性があるので、不確実性の振れ幅は大きいほうがいい。
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