問いこそが答えだ!

正しく問う力が仕事と人生の視界を開く
未読
問いこそが答えだ!
問いこそが答えだ!
正しく問う力が仕事と人生の視界を開く
未読
問いこそが答えだ!
出版社
出版日
2020年03月30日
評点
総合
3.8
明瞭性
3.5
革新性
4.0
応用性
4.0
要約全文を読むには
会員登録・ログインが必要です
本の購入はこちら
書籍情報を見る
本の購入はこちら
おすすめポイント

あらゆるブレークスルーの背後には、よい問いがある。よい問いとは、変化を起こす触媒のような問いだという。たとえば、テスラを率いるイーロン・マスクはアルミホイールの取り付け価格に疑問をもった。そして、まちがった前提を徹底的に取り払って自問することで、一般的な市場価格のアルミホイールがアルミの原材料価格に対して高すぎると気づき、新たな解を見出すことができた。

本書では、「問い」の効果を10年以上にわたり研究してきた著者ならではの観点で、「問い」が違いを生み出した事例を豊富に紹介している。ただし、具体的にどういう問いを発したらよいか自体は明示されていない。それは、読者それぞれの状況に応じて、独創的で可能性に富んだ問いを立てられるように、という高い目標をめざしているためだ。

具体的な一歩を踏み出したい方には、本書で紹介されている、問う技術を磨くための方法が大いに役立つだろう。たとえば、問いのブレインストーミング手法、「クエスチョン・バースト」はその1つだ。うまく活用すると、常識を覆すような問いと解決策を導きやすくなる。

変化の激しい時代において、とりわけマネジメント層やリーダーは、変化を起こす触媒となるような問いを立てることが求められる。そうした方にとって本書が発見に満ちた一冊であることはまちがいない。より優れた問いを発掘するための旅を楽しんでいただきたい。

ライター画像
河合美緒

著者

ハル・グレガーセン(Hal Gregersen)
マサチューセッツ工科大学(MIT)リーダーシップセンター所長、MITスローン経営大学院上級講師。シャネル、ディズニー、パタゴニアなどの企業や、UNICEF、世界経済フォーラムなどでも講演し、世界で最もイノベーティブな人物をランキングするThinkers50に2015年以降選出されている。クレイトン・クリステンセン、ジェフリー・ダイアーとの共著『イノベーションのDNA』は世界的ベストセラーとなった。

本書の要点

  • 要点
    1
    よい答えを見つけるためには、よい問いを立てる必要がある。よい問いを立てるために特別な環境をつくることは可能であり、よい問いを思いつけるかどうかは、問う技術を磨けるかによって決まる。
  • 要点
    2
    問いを立てにくいと感じている人が多い中、問いを促す手法として、著者は「クエスチョン・バースト」という問いのブレインストーミングを提唱している。
  • 要点
    3
    世界的に大きな社会問題に取り組むためには、「大きな洞察」が求められ、そのためには「大きな問い」が必要となる。

要約

問いの重要性

3つの発見

著者は、学者、コンサルタント、コーチの立場から「新しい問いを立てること」の効果を研究している。その経験を通して、次の3つの発見をした。まず、よい答えを見つけるためには、よい問いを立てる必要がある。次に、よい問いが湧いてきやすい特別な環境はつくることが可能である。そして、よい問いを思いつけるかどうかは、才能ではなく、問う技術を磨けるかによって決まる。

本書には、正しく問う力を磨き、促していきたい人に向けて、何百人ものクリエイティブな人たちの答えが詰まっている。

ブレークスルーの背後にはよい問いがある
NiseriN/gettyimages

創造的なブレークスルーが生まれた背景を調べると、新たな問いが誰かによって立てられたことが多い。たとえば、スナップ写真は、コダックの創始者ジョージ・イーストマンが外国旅行の準備をしている際の問いから生まれた。「写真撮影をもっと手軽で簡単なものにして、一般の人でも楽しめるものにできないだろうか」。イーストマンはこの思いつきから約10年後に、最初のコンパクトカメラ「コダック」を発売し、これが大ヒットとなった。

ただし、世界屈指の有力企業として君臨したコダックは、後に「知らないことを知らなかった」ことにより、衰退の道をたどることとなる。消費者の急激なデジタル写真への移行に対応すべきだったのだ。

問いの力というと、成功の糸口を見いだすなど、ポジティブな効果を考えがちだ。だが、問いは、ネガティブな脅威に対処する上でも大きな力を発揮する。自分が知らないことを知らない危険性に気づけるのだ。

本書における最高の問いとは、触媒的な問いだ。触媒的な問いには、2つの特徴がある。誤った固定観念を崩すという特徴と、新しい生産的な行動へエネルギーが振り向けられるようにするという特徴だ。

【必読ポイント!】 問いを立てるための環境づくり

問いを立てにくくする原因とは

問いを立てなくなる人が多い理由は何か。それは、問いたいという欲求が何度も抑えつけられているからである。子供は質問の塊であるが、大人になるにつれ質問をしなくなっていく。

もっと見る
この続きを見るには...
残り3265/4131文字

3,400冊以上の要約が楽しめる

要約公開日 2023.03.16
Copyright © 2024 Flier Inc. All rights reserved.
一緒に読まれている要約
人生のリアルオプション
人生のリアルオプション
湊隆幸
未読
スタートアップ的人生(キャリア)戦略
スタートアップ的人生(キャリア)戦略
リード・ホフマンベン・カスノーカ
未読
リーダーのコミュニケーション習慣力
リーダーのコミュニケーション習慣力
三浦将
未読
新時代の話す力
新時代の話す力
緒方憲太郎
未読
三流シェフ
三流シェフ
三國清三
未読
血流がすべて解決する
血流がすべて解決する
堀江昭佳
未読
AGELESS
AGELESS
依田卓巳(訳)アンドリュー・スティール草次真希子(訳)田中的(訳)
未読
ダイアローグ
ダイアローグ
熊平美香
未読