血液をサラサラにしても、血流はよくならない。多くのひとが勘違いしているが、「血流が悪い=血液ドロドロ」ではないのである。たくさんの女性の相談を受けてきた著者によると、女性の血流が悪い原因は「血の不足」である。
血液ドロドロとは、血管の中をヘドロのような血液が、血管にへばりついて流れにくい状態を指す。これに対して血液不足は、血液がチョロチョロとしか流れていない状態で、生理や更年期のある女性はこのタイプが多い。この血が足りない体質を「血虚」といい、さまざまな病気や悩みを引き起こす原因となっている。
血流は全身に酸素や栄養を運ぶ重要な働きをしている。また漢方医学では、「女性の体は血が基本(女子以血為本)」という考えがあり、とくに婦人科の漢方では、血流が悪いことが疾患の原因とみなされる。
血が足りなければ、増やすことで症状は楽になる。血を増やし、血流をよくすることで、心と体の悩みから解放されるだろう。
血液は、全身を巡ることで「水分を保つ」「栄養を届ける」「老廃物を回収する」「体温を維持する」「体を守る」の5つの働きをしている。血流が体内の数十兆個の細胞一つひとつに酸素や栄養、熱を届けてくれるおかげで、細胞は元気に働ける。しかし血流が悪くなると、それらは根本から崩れてしまう。水分バランスが悪くなってむくんだり、熱が足りないために冷えたり、免疫力が低下して病気を引き起こしたりする。
最初は何気ない症状であっても、いつしか大きく重症化していく。そして、生理不順や不妊、更年期障害、自律神経のトラブルやがんといった、大きな病気にもつながる。血流を無視して、女性の病気や不調を治すことはできないのである。
3,400冊以上の要約が楽しめる