血流がすべて解決する

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出版社
サンマーク出版

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出版日
2016年03月20日
評点
総合
3.5
明瞭性
3.0
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

本書は「女性のための体質改善」についての書である。2016年の初版から話題を呼び、シリーズ累計43万部超えの人気作だ。

著者は、大正時代から4代にわたって漢方薬局を営んできた漢方薬剤師であり、とくに不妊治療を専門としている。心身に不調のある女性が取り組むべきことはただ一つ、「血流の改善」だと著者は主張する。たったこれだけにもかかわらず、原因不明の不調がするりと解決されるのだという。

漢方では、病院にかかるほどではない不調の状態を「未病」と呼ぶ。病気でないとはいっても、定期的に腹痛や頭痛に襲われるとなると、相当苦しいものがある。特に生理痛に代表される婦人科系の症状は、女性に共通しながらも個人差があるため、他人と共有することが難しい。かくいう要約者も、身体の悩みをもつ女性の一人である。

本書には、女性なら「あるある」と思える冷えやむくみ、生理痛などの不調を、一気にまとめて解決する手法が紹介されている。また、著者のもとには多くの不妊相談が寄せられるが、2009年からの累計「妊娠報告」は、3538名にのぼる。西洋医学の不妊治療でうまくいかなかったケースも含まれており、その体質改善の効果はお墨付きである。

カギとなるのは、血を「つくる・増やす・流す」という3つのステップだ。漢方や薬膳の知識をもとにしているが決して難しくはなく、現代でも気軽に取り組めるものばかりだ。原因のわからない不調に悩む女性には、ぜひ一読をおすすめしたい。

ライター画像
菅谷真帆子

著者

堀江昭佳(ほりえ あきよし)
漢方薬剤師/有限会社堀江薬局代表/一般社団法人日本漢方薬膳協会 代表理事
1974年生まれ、出雲市出身。出雲大社参道で約100年続く老舗漢方薬局の4代目。
薬学部を卒業後、薬剤師となったのち対症療法中心の西洋医学とは違う、東洋医学・漢方の根本療法に魅力を感じ、方向転換する。本場中国の漢方医から学ぶ中、不妊に悩む友人の相談を受けたところ、漢方で妊娠したことに感動し、婦人科系の分野、なかでも不妊症を専門とするようになる。
体の不調の解消だけではなく、本人の抱えている常識や執着といった束縛からの「心の解放」を終着点としている唯一の漢方薬剤師。
血流を中心にすえた西洋医学、漢方医学、心理学の3つの視点からの総合的なアプローチは評判を呼び、自身の薬局で扱ってきた不妊、うつ、ダイエット、自律神経失調症など心と体の悩みは5万件を超える。地元島根はもとより全国、海外からも相談があり1か月先まで予約がいっぱいの状態が続いている。
不妊相談では9割が病院での不妊治療がうまくいかず、来局されるケースであるものの、寄せられる妊娠報告は2022年だけでも661名、2009年以降の累計は3538名(2022年末現在)に上る。
また、日本漢方薬膳協会の代表理事にも就任し、広く漢方薬膳の知識を広め、より多くの女性に幸せと笑顔を届けるために奮闘中。
・不妊漢方.com http://funin-kanpo.com
・一般社団法人日本漢方薬膳協会 http://kanpo-yakuzen.org

本書の要点

  • 要点
    1
    漢方医学では、女性の心身の不調、とくに婦人科系疾患は「血の不足」や「血流の悪さ」が原因と考える。
  • 要点
    2
    血流が悪くなる理由は、血がつくれない「気虚」、血が足りない「血虚」、血が流れない「気滞 瘀血」の3つである。
  • 要点
    3
    血を「つくる・増やす・流す」の順番で血流をよくすることが、心身の不調の解決につながる。
  • 要点
    4
    血流の改善には食事や睡眠など、生活習慣の見直しがカギとなる。

要約

【必読ポイント!】女性の体は血が基本

不調の原因は「血の不足」

血液をサラサラにしても、血流はよくならない。多くのひとが勘違いしているが、「血流が悪い=血液ドロドロ」ではないのである。たくさんの女性の相談を受けてきた著者によると、女性の血流が悪い原因は「血の不足」である。

血液ドロドロとは、血管の中をヘドロのような血液が、血管にへばりついて流れにくい状態を指す。これに対して血液不足は、血液がチョロチョロとしか流れていない状態で、生理や更年期のある女性はこのタイプが多い。この血が足りない体質を「血虚」といい、さまざまな病気や悩みを引き起こす原因となっている。

血流は全身に酸素や栄養を運ぶ重要な働きをしている。また漢方医学では、「女性の体は血が基本(女子以血為本)」という考えがあり、とくに婦人科の漢方では、血流が悪いことが疾患の原因とみなされる。

血が足りなければ、増やすことで症状は楽になる。血を増やし、血流をよくすることで、心と体の悩みから解放されるだろう。

血流の働き
elenaleonova/gettyimages

血液は、全身を巡ることで「水分を保つ」「栄養を届ける」「老廃物を回収する」「体温を維持する」「体を守る」の5つの働きをしている。血流が体内の数十兆個の細胞一つひとつに酸素や栄養、熱を届けてくれるおかげで、細胞は元気に働ける。しかし血流が悪くなると、それらは根本から崩れてしまう。水分バランスが悪くなってむくんだり、熱が足りないために冷えたり、免疫力が低下して病気を引き起こしたりする。

最初は何気ない症状であっても、いつしか大きく重症化していく。そして、生理不順や不妊、更年期障害、自律神経のトラブルやがんといった、大きな病気にもつながる。血流を無視して、女性の病気や不調を治すことはできないのである。

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要約公開日 2023.03.14
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