誰もが不機嫌な人とは付き合いたくないと思うのは当然だろう。『不機嫌は罪である』からは、不機嫌さを周囲にばらまく人の取り扱い方法を学べる。不機嫌な人と接すると空気がよどみ、場が不機嫌の空気に包まれる。結果、仕事効率が下がり、関係性も悪化してしまう。今や上機嫌でいることは働く人の「職務」である。
とはいえ、最初からすごく上機嫌でいるのは難しい。齋藤氏は、次の4つの要素を押さえて「おだやかな上機嫌」を目指そうと説く。
・自己を客観的に見つめ、コントロールできる
・他人を気遣い、場の空気を読む余裕がある
・からだがしなやかで、オープンな雰囲気がある
・こころが内にこもらず、自分を笑い飛ばす器量がある
また、年齢を重ねて身体が硬くなり全体的な柔軟性が失われると、表情も硬くなる。特に40歳を超えたら、人と対面する場において意識的に笑顔を作ることが大事になる。
多様なメンバーのマネジメント方法を学びたいなら、ドラッカーの著書『非営利組織の経営』が大いに参考になる。
ドラッカーは、非営利組織のマネジメントのほうが営利組織のそれよりも難しいと語る。その理由は何か。非営利組織の場合、多くのボランティアがいる。彼らは組織のミッションや仕事に価値を感じなくなると、簡単にやめてしまう。さらには、支援者や参加者(出資者)の数も、営利組織の株主などと比較して圧倒的に多い。マネジメントする際 に目配せしなければいけない相手が圧倒的に多いのだ。
では、非営利組織を率いるリーダー像とはどのようなものか。中尾氏はいわゆる管理職を決める際、「品は位で功は禄で」という基準を重視している。これは「人徳のある者にはより高い地位を与え、功績のある者にはより高い給与を与える」ということだ。成果を挙げることはできるが品性が低い人がリーダーとなると、メンバーが疲弊し、結果として組織は崩壊する。多様なメンバーのマネジメントをするためには、品性を高めることが重要だ。
今までと異なる仕事がリーダーをつくる。副業やボランティアに参加して新しい能力開発にトライしてみるのもよいだろう。
高い業績を挙げたいのであれば、チームの心理的安全性の高さが必要だ。『なぜ弱さを見せあえる組織が強いのか』はその理由を教えてくれる。
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