部下を指導しても成長しないのは、「上司が変わっていないから」である。部下が多様化している現代、一律的な指導では部下を成長させられない。部下を成長させるには、まず上司が変わらなければならない。
イマドキ部下の主な特徴には、「スマホ・ソーシャルネイティブ」「転職や副業は当たり前」「将来に対して希望が持てない」「損はしたくない」などが挙げられる。ひとくくりにイマドキ部下といっても、個々人の経験やスキルは多様である。そのため、それぞれの違いを認識した上で指導をすることが重要になる。
上司が変わらなくてはならない理由は、3つある。まず挙げられるのが、「社会構造の変化」だ。労働市場においては、会社が人を選ぶ時代から、人が会社を選ぶ時代になった。人が足りないからこそ副業や兼業が必須となり、これまでの「立場としての上司」は通用しにくくなっている。
次に挙げられるのが、「若者の認識・特性の変化」だ。イマドキの若者は、一攫千金よりも、安全に、失敗しない方法を好む。また、仕事をすぐに辞める人も少なくない。
3つ目には、「仕事・働き方の在り方の変化」が挙げられる。イマドキの若者はプライベートを優先し、会社の人間関係とプライベートを分けたがる傾向がある。また、成功体験が少なく、仕事に対して早期的な成功を求めすぎる傾向もある。こうした時代背景や若者の特徴が変化したことにより、上司は時代に適した部下とのコミュニケーションを設計する必要がある。
イマドキ部下を伸ばすには、「伝える」「聞く」「待つ」「信頼される」「人間力を磨く」「人間関係を構築する」「情報を収集する」の7つの技術が効果的だ。本要約では7つの中から「伝える」「聞く」「待つ」について見ていきたい。
伝えることの目的は、部下に動いてもらうことである。「この仕事をやる意味はありますか?」と言う部下には、仕事の意味を伝えることが大切だ。伝え方としては、目的や意図を伝える「コンサルティング」と、本人に語らせる「コーチング」の2つがある。伝え方のポイントは、どのような目的かに加え、どれくらいメリットがあるのか、数字や金額についても触れるといい。
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