仕事では中堅どころとなり、家族もいる。将来の不安は若い頃よりも減っていて、生活も順調。しかし、ふと洗面所で鏡を見ると、自分が「残りの人生も今の積み重ねでいい? 満足している?」と問うてくる――。著者のみならず、40歳前後で「残りの人生、このままでいいのかな?」とモヤモヤを感じる人は多いものだ。これを一般的に「40歳の壁」と呼ぶ。
定年まで働き続けられるかという「雇用不安」、ろくな経験や資格がないと悩む「スキル不足不安」、筋力や体力の衰えを痛感しての「健康不安」、子どもの成長を寂しく感じる「子離れ不安」、容姿の衰えに落ち込む「老化不安」……30代後半から50代にかけて陥りやすい、こうした中年期特有の心理的危機のことを「ミッドライフクライシス」という。
人は40歳頃まで新しい感覚や知識を得て成長していくが、その後は何もかもが「減る」こととなる。この変化に戸惑うミッドライフクライシスが「40歳の壁」の正体である。
壁にぶち当たったとき、50歳であれば、定年まで10年ほどだから「なんとかここでがんばる方法を考えよう」と思うかもしれない。一方、40歳だとあと20年ある。「道を選び直せる」という期待と、「失敗したら何もかも失ってしまうかもしれない」という不安が入り交じる年齢だ。
この壁の前で立ち止まり、途方に暮れている人もいるだろう。だが、アラフォーでキャリアの転機を迎えた人はラッキーである。アラフォーは「体力がある」「知力がある」「うまくいかなくてもやり直せる」の3点がそろっている年代だからだ。
多くの人にとって、幸せな人生に必要な要素は「お金」「つながり」「健康」の3つである。
まず1つ目の「お金(収入・資産)」について考えてみよう。
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