広告やほかのSNSではなく、マーケティングにはInstagramを活用すべきだ。いま、多くの人は「何を買うか」をInstagramで決めている。
Instagramの投稿に対して行えるリアクションは主に「いいね」「コメント」「シェア」「保存」の4つあるが、ユーザーがInstagramを使っている目的は「保存」であると言ってよい。「F1層(20〜34歳の女性)」と呼ばれる人たちは、商品やサービス購入のための情報収集として、Instagramの保存機能を活用し、驚くほどの量と種類の投稿をフォルダ分けして整理して、「コレクション」している。普段からInstagramをチェックし、気になる投稿があればメモがわりに保存。何かを買うときには保存した投稿の中から比較検討を行う。Instagramの「保存」が「買う」という行為に直結しているのだから、ビジネスを展開する側にとって対応は必須だ。
Instagramのマーケティングがうまくいかないのは、その「仕組み」を理解していないからということに尽きる。本書では、これまで300以上のアカウント支援をし、400万以上のフォロワーを分析してきたSAKIYOMIという会社を経営する著者が導き出したノウハウを紹介する。著者らが運用代行を行なったアカウントでは、平均4.2ヶ月で1万フォロワーを実現している。その方法は後述する4つの施策のサイクルを回すだけ。ぜひ挑戦してみてほしい。
フォロワーを増やしていくための4つの施策を繰り返すサイクルを、本書では「PECT(ペクト)サイクル」と呼ぶ。
「P:プロフィール」は、3秒でフォローされる魅力的なプロフィールをつくることだ。「自分の求める情報を発信するアカウントだ」と思ってもらえなければ、ユーザーにフォローしてもらえない。
「E:エンゲージメント」は、フォロワーをファンにするアカウントをつくることだ。ユーザーにいちばん多く使われる機能は、ユーザーの意思には関係なく投稿が表示される「発見タブ」である。ユーザーは発見タブをなんとなくスクロールして、気になる投稿があれば保存し、それが購買につながっていく。アカウント側としては、「発見タブ」に投稿が掲載されるように運用していく意識が必要だ。発見タブに表示されるための条件のひとつは、フォロワーと「親密度」を高め、Instagramのアルゴリズムに「質の高いアカウント」と判断されることだ。
3,400冊以上の要約が楽しめる