頭のいい人が話す前に考えていること

未読
頭のいい人が話す前に考えていること
頭のいい人が話す前に考えていること
未読
頭のいい人が話す前に考えていること
出版社
ダイヤモンド社

出版社ページへ

出版日
2023年04月18日
評点
総合
3.7
明瞭性
3.5
革新性
3.5
応用性
4.0
要約全文を読むには
会員登録・ログインが必要です
本の購入はこちら
書籍情報を見る
本の購入はこちら
おすすめポイント

「テクニック」だけでは、人の心は動かせない。じゃあ、どうすればいい? 結局、センス? 才能? 生まれ持った頭のよさ? いえ。必要なのは、話す前に立ち止まる勇気だ――本書の帯に書かれているキャッチコピーである。このコピーと書名の通り、本書は「頭のいい人が話す前に考えていること」を教えてくれる。

著者はティネクト株式会社の代表で、累計1億2000万PVを誇るビジネスメディア「Books&Apps」の運営者でもある安達裕哉氏だ。安達氏は、デロイト トーマツ コンサルティング(現アビームコンサルティング)に新卒入社し、大阪支社長、東京支社長を歴任したのちに独立した。これまで、だれもが知る上場企業だけでなく、さまざまな業種の中小企業も含め、実に3000社以上の経営者と向き合ってきたという。著者のコンサルタント時代のエピソードが豊富に紹介されているのも、本書の特長のひとつである。

本書では、7つの黄金法則と5つの思考法が提示される。要約者にとって特に印象的だったのは、黄金法則のうちの一つ、「人はちゃんと考えて“くれて”る人を信頼する」だ。この法則を説明する例として、デートの相手から「この青の服と、白の服、どっちを買ったらいいと思う?」と聞かれたときの“正解”が示されている。さて、あなたなら何と答えるだろう?

著者は本書の「はじめに」で「何度も読み返したくなる本」ではなく「読み返さなくていい本」を目指したと述べている。巻頭にある「話すたびに頭が良くなるシート」を切り取り、空欄を埋めて持ち歩くだけでOKだというのだ。そんなパフォーマンス抜群の本書、ぜひ手に取ってほしい。

著者

安達裕哉(あだち ゆうや)
ティネクト株式会社 代表取締役
1975年生まれ。筑波大学大学院環境科学研究科修了後、理系研究職の道を諦め、給料が少し高いという理由でデロイト トーマツ コンサルティング(現アビームコンサルティング)に入社。品質マネジメント、人事などの分野でコンサルティングに従事し、その後、監査法人トーマツの中小企業向けコンサルティング部門の立ち上げに参画。大阪支社長、東京支社長を歴任したのちに独立。現在はマーケティング会社「ティネクト株式会社」の経営者として、コンサルティング、webメディアの運営支援、記事執筆などを行う。また、個人ブログとして始めた「Books&Apps」が“本質的でためになる”と話題になり、今では累計1億2000万PVを誇る知る人ぞ知るビジネスメディアに。
Twitter:@Books_Apps

本書の要点

  • 要点
    1
    あなたの頭のよさを決めるのは他者だ。「頭のいい人」と認められれば、話を聞いてもらいやすくなるだけでなく、自分の希望が通りやすくなる。
  • 要点
    2
    コミュニケーションがうまい人は、自分の承認欲求を抑制し、他者の承認欲求を満たすことに注力している。
  • 要点
    3
    「成り立ちを知ること」は、その対象を深く考えたり、新しいアイデアを出したりするためのヒントになる。

要約

【必読ポイント!】7つの黄金法則

法則1:とにかく反応するな

怒っているときに下す判断は、まず間違っているものだ。だから、感情的になったときは、いったん冷静になってから反応したほうがいい。「話す前にちゃんと考えること」は「感情に任せて反応するのではなく、冷静になること」とも言える。

感情に任せた発言は、取り返しのつかない事態を招きかねない。反射的に何かを言いたくなったときほど、口を閉じて「反応しない」ことが大切だ。

法則2:頭のよさは、他人が決める

頭のよさを決めるのは自分ではなく他者だ。その人のことを頭がいいと認識している人が多ければ多いほど、「頭のいい人」になる。

その前提に立ち、「他者がどのように思うか」を意識することこそ、知的で慕われる人が持つマインドの根本であり、思考の質を高めるために最も大切なことだ。「自分の企画が通らない」「言いたいことが伝わらない」「まわりが認めてくれない」と思っている人ほど、この視点が抜けていることが多くある。

「頭のいい人」と認められれば、話を聞いてもらいやすくなるだけでなく、自分の希望が通りやすくなる。この考え方は、自分らしく生きるために必要不可欠である。

法則3:人はちゃんと考えて“くれて”る人を信頼する
Yagi-Studio/gettyimages

「相手が頭のよさを決める」というと、「相手に頭がいいと思ってもらうために、賢いふりをする必要がある」と思う人もいるだろう。だが、賢いふりをするのは逆効果である。

「なんか言っているようで、何も言ってない発言」をする人たちは、「賢いふりをする人」の代表例だ。たとえば新商品の具体的なアイデアを検討する場で「ユーザーのニーズをとらえて、適切に施策を打つべきですよね」と、正しそうに見えて、なんのアイデアにもなっていない発言をする人。こうした「賢いふり」は人の心を動かさないため、その場は乗り切れたとしても、やがて聞く耳を持たれなくなってしまう。

相手への信頼が生まれる瞬間の心情は「この人、我々のためにちゃんと考えて“くれて”るな」だ。たとえばデート中、相手から「この青の服と、白の服、どっちを買ったらいいと思う?」と聞かれたら、あなたはどう答えるだろうか。

もっと見る
この続きを見るには...
残り2623/3520文字

3,400冊以上の要約が楽しめる

要約公開日 2023.05.29
Copyright © 2024 Flier Inc. All rights reserved.
一緒に読まれている要約
「説明が上手い人」がやっていることを1冊にまとめてみた
「説明が上手い人」がやっていることを1冊にまとめてみた
ハック大学 ぺそ
未読
聞き方の一流、二流、三流
聞き方の一流、二流、三流
松橋良紀
未読
瞬時に「言語化できる人」が、うまくいく。
瞬時に「言語化できる人」が、うまくいく。
荒木俊哉
未読
先読み!IT ×ビジネス講座 ChatGPT 対話型AIが生み出す未来
先読み!IT ×ビジネス講座 ChatGPT 対話型AIが生み出す未来
古川渉一酒井麻里子
未読
これから市場価値が上がる人
これから市場価値が上がる人
北野唯我
未読
人生をガラリと変える「帰宅後ルーティン」
人生をガラリと変える「帰宅後ルーティン」
リュ・ハンビン小笠原藤子 (訳)
未読
否定しない習慣
否定しない習慣
林健太郎
未読
仕事ができる人が見えないところで必ずしていること
仕事ができる人が見えないところで必ずしていること
安達裕哉
未読