「他人に振り回される私」が一瞬で変わる本

相手のタイプを知って“伝え方”を変えるコミュニケーション心理学
未読
「他人に振り回される私」が一瞬で変わる本
「他人に振り回される私」が一瞬で変わる本
相手のタイプを知って“伝え方”を変えるコミュニケーション心理学
未読
「他人に振り回される私」が一瞬で変わる本
出版社
日本実業出版社

出版社ページへ

出版日
2022年12月20日
評点
総合
3.3
明瞭性
3.5
革新性
3.0
応用性
3.5
要約全文を読むには
会員登録・ログインが必要です
本の購入はこちら
書籍情報を見る
本の購入はこちら
おすすめポイント

私たちは、日常的にさまざまな人間関係を築きながら生きている。学校・職場・家庭以外に所属するコミュニティを持っている人も少なくない。それゆえ、他者との人間関係に関連する悩みは尽きないものだ。本書の著者が「人の悩みの8割は人間関係にある」というのもうなずける。

人間関係に悩む時間とエネルギーを少しでも節約し、やりたいことに集中して本来の自分で生きるのが、本書の目指すところである。著者は、JAL国際線の客室乗務員として働きながら心理学を学び、現在はコミュニケーション心理学などに関するセミナー講師として活躍する山本千儀氏だ。

著者によると、人間関係が上手くいかないのは、相手と自分の違いがわからないからだという。そこで本書では、相手と自分の違いを理解し、尊重するメソッドを教えてくれる。人間の性格を3つの気質タイプに分類し、相手のタイプに合わせて対応することで、相手を理解し、受け止められるようになるのだ。このコミュニケーション術をマスターすれば、相手との違いはもはやストレスではなく、むしろよい刺激となるだろう。

現代社会では多様な生き方が求められ、一人ひとりが自分らしく生きる道を探求するのに忙しい。そんな中、人間関係の悩みにとらわれ、モヤモヤする時間は少ないほうがいいに違いない。本書には、人間関係の「悩み」を「気づき」に変えるためのヒントが詰まっている。活躍の場が広く、人間関係の悩みが多い人にぜひ、一読をおすすめしたい。

ライター画像
菅谷真帆子

著者

山本千儀(やまもとちよし)
日本コミュニケーション心理学協会マスター講師。
1970年生まれ。JAL国際線客室乗務員として19年勤務。90万人超の接客経験を持つ。英語、中国語、台湾語が堪能で外国人乗務員育成を行い、顧客心理、企画増収の研修も担当。幼少期に転々と他人の家に預けられる壮絶な経験から、人の考え、行動に関心を持ち、CA在籍時から、あらゆる心理学を学ぶ。それを仕事にしようと決心し退職。現在は、接遇経験から得られた強み、洞察力と分析力で個人や企業に対して、人材採用コンサル、人間関係などのコミュニケーション心理学、子育てやキャリア形成、天職に関するセミナー、講演を日本各地、米国などで行う。プライベートでは、一児の母。
米国NLPマスタープラクティショナー・交流分析カウンセラーベーシック(TA Training verification)・エゴグラム心理テストマイスター・NLPヒプノティスト・レイキヒーラー・日本チャイルドマインディング&エデュケア協会認定チャイルドアートセラピストなど。タイ航空とエアフランスの共同運航、皇太子フライト乗務。CS表彰客室本部長賞、関空支店長表彰、機内販売世界1グループ表彰など数々の賞を受賞。在籍中休職し、シアトル、シリコンバレーに2年間留学。JALの週刊文春PR、JALカレンダーモデルに篠山紀信より選抜されたCA。

本書の要点

  • 要点
    1
    人の性格は、生まれながらに持つ「気質」と、後天的な生育環境によって育まれる「人格」によって構成される。気質はまず大きく「理論型」「感覚型」「行動型」の3つに分類される。
  • 要点
    2
    お互いの行動パターンや思考のクセを知れば、相手を理解し、受け止めやすくなる。
  • 要点
    3
    理論型の部下は段取りや順序を重んじるため、事前に計画や進め方などを詳しく伝えておくのが望ましい。感覚型の部下には、寄り添う姿勢を見せると安心して動いてくれる。行動型の部下には、OJT形式を採用し、上司のやり方を真似てもらうのが効果的だ。

要約

【必読ポイント!】 気質の基本を知る

性格を構成する「気質」と「人格」

人間関係において「相手と上手くかみ合わない」と感じるのは、その人と自分の違いがわからないからだ。違いを知れば、モヤモヤが晴れ、相手を尊重しやすくなり、ストレスが軽減される。

人間の性格は、生まれ持った「気質」と、後天的な生育環境によって育まれる「人格」によって形成されると考えられている。生まれ持った気質が核となり、気質の周りを取り囲むように、人格の膜がつくられていくイメージだ。年齢を重ねるにつれ、人格の膜が分厚くなり、気質が見えにくくなることがある。

気質の3タイプ:理論型、感覚型、行動型
Caiaimage/Sam Edwards/gettyimages

人の性格の土台となる「気質」について、詳しく見ていこう。ここでは、著者が学んだ日本コミュニケーション心理学協会の溝口和廣会長による「理論型」「感覚型」「行動型」という分類を採用する。

理論型は、思考を重視し、理由を知って納得してから動こうとするタイプだ。自分で段取りをし、準備が整ってから行動することを好むため、他人のペースで動かされるのが苦手である。

感覚型は、感覚や気分で動くタイプだ。好き嫌いがハッキリしており、情に流されやすく、人に気をつかいがちな傾向がある。

行動型は、初動のスピードが速く、理屈を知るよりもまずは試して理解しようとする。ムダを嫌い、話を聞いている途中で「結論は?」「結局どうするの?」と発言することもある。

性格の土台になっているのは、以上の3つの気質だ。それぞれの違いを知れば、あらゆる人間関係が円滑なものになるとともに、ビジネスでのセールスやクレーム対応などにも適切に対応できるだろう。

異なるタイプの3人が旅行の計画を立てたら?

私たちは、異なる気質の人と接すると、違和感を抱いたり、心地悪さを感じたりするものだ。だが、自分とは違うタイプの人もいるのだと知れば、その違和感や心地悪さを許容できるようになるだろう。

もっと見る
この続きを見るには...
残り2755/3551文字

3,400冊以上の要約が楽しめる

要約公開日 2023.07.20
Copyright © 2024 Flier Inc. All rights reserved.
一緒に読まれている要約
人生・キャリアのモヤモヤから自由になれる 大人の「非認知能力」を鍛える25の質問
人生・キャリアのモヤモヤから自由になれる 大人の「非認知能力」を鍛える25の質問
ボーク重子
未読
みんなのフィードバック大全
みんなのフィードバック大全
三村真宗
未読
世界一やさしい 自分を変える方法
世界一やさしい 自分を変える方法
西剛志
未読
100歳時代の勝間式人生戦略ハック100
100歳時代の勝間式人生戦略ハック100
勝間和代
未読
生きるための哲学
生きるための哲学
岡田尊司
未読
精神科医Tomyの心が凹んだときに読むクスリ
精神科医Tomyの心が凹んだときに読むクスリ
精神科医Tomy
未読
「気がきく人」と「気がきかない人」の習慣
「気がきく人」と「気がきかない人」の習慣
山本衣奈子
未読
[新装版]成功への情熱
[新装版]成功への情熱
稲盛和夫
未読