人間関係において「相手と上手くかみ合わない」と感じるのは、その人と自分の違いがわからないからだ。違いを知れば、モヤモヤが晴れ、相手を尊重しやすくなり、ストレスが軽減される。
人間の性格は、生まれ持った「気質」と、後天的な生育環境によって育まれる「人格」によって形成されると考えられている。生まれ持った気質が核となり、気質の周りを取り囲むように、人格の膜がつくられていくイメージだ。年齢を重ねるにつれ、人格の膜が分厚くなり、気質が見えにくくなることがある。
人の性格の土台となる「気質」について、詳しく見ていこう。ここでは、著者が学んだ日本コミュニケーション心理学協会の溝口和廣会長による「理論型」「感覚型」「行動型」という分類を採用する。
理論型は、思考を重視し、理由を知って納得してから動こうとするタイプだ。自分で段取りをし、準備が整ってから行動することを好むため、他人のペースで動かされるのが苦手である。
感覚型は、感覚や気分で動くタイプだ。好き嫌いがハッキリしており、情に流されやすく、人に気をつかいがちな傾向がある。
行動型は、初動のスピードが速く、理屈を知るよりもまずは試して理解しようとする。ムダを嫌い、話を聞いている途中で「結論は?」「結局どうするの?」と発言することもある。
性格の土台になっているのは、以上の3つの気質だ。それぞれの違いを知れば、あらゆる人間関係が円滑なものになるとともに、ビジネスでのセールスやクレーム対応などにも適切に対応できるだろう。
私たちは、異なる気質の人と接すると、違和感を抱いたり、心地悪さを感じたりするものだ。だが、自分とは違うタイプの人もいるのだと知れば、その違和感や心地悪さを許容できるようになるだろう。
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