あらゆるサービスがWebサイトやアプリケーションを通じて提供される今、その操作性やデザイン、ユーザー体験の重要性はますます高まっている。魅力的で使いやすいデジタルプロダクトには、優れたUIデザインとUXデザインが欠かせない。
UIとUXは併記されることが多いが、それぞれ異なる役割を担っている。UIとはUser Interface(ユーザーインターフェイス)の略で、UIは「ユーザーと製品・サービスの接触面」を指す。「ユーザーの目に触れる・使用する」部分はすべてUIと見なされるため、テレビのリモコン、電子レンジの操作パネル、スマホやゲーム機などはすべてUIなのである。
製品やサービスにおける「使いやすさ/使いにくさ」をはかる尺度として、「ユーザビリティ」という考え方がある。ユーザビリティは「ユーザーが目標を達成できたかどうか」という指標であり、一言で言うと「使いやすさ」である。国際規格ではUIデザインを「有効さ」「効率」「満足度」の度合いで評価することが定められている。
一般的に、使いづらいものは気になるが、使いやすいものは意識に上らないことが多い。UI/UXデザイナーの仕事は、「普通に使える」状態にすることであるとも言える。
UXとはUser Experience(ユーザーエクスペリエンス)の略で、UXとは「ユーザーが製品・サービスを通じて得られる体験」を指す。サービスを利用する一連の行動の中で「ユーザーが感じたこと全てがUX」なのである。
例えば、ごぼ天うどんをコンテンツ、お箸をインターフェイスとすると、「おいしかった!」がエクスペリエンス(体験)である。うどんが熱すぎたり、食べる人が箸を使えない子供だったりすると、その体験はおのずとかわってくる。
良いユーザー体験はユーザビリティに加え、「時間軸」「環境軸」「人間軸」の3つの視点で判断できる。時間軸とは、使用の前後を含めた利用文脈からの視点。環境軸とは、場所やその場の状況からの視点。そして人間軸とは、人の感性や感情、多様性を考える視点である。
UIとUXは役割や範囲が異なるが、その関係は表裏一体で切り離せない関係にある。UXデザインにはUIデザインを含むこともあり、プロジェクトによってはUIデザイナーがUXデザインまで担当することもある。そういう意味でも、UXデザインへの理解は非常に大切である。
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