現場のプロがわかりやすく教える UI/UXデザイナー養成講座

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出版社
秀和システム

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出版日
2023年04月14日
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おすすめポイント

「UX」という言葉はずいぶん一般的になってきた。多少は聞いたことがあるだろうし、それが「ユーザーエクスペリエンス」の略だと知っている人も少なくないだろう。しかし、それがどのように定義され、実装されているのか、と聞かれて即答できる人はほとんどいないのではないだろうか。

本書はそんなUI/UXデザインの初学者に向けて書かれた教科書である。「UIとは」「UXとは」といった基礎学習からはじめ、実務で必要になる知識や概念、制作プロセス、エンジニアとの連携方法、そしてUI/UXデザイナーとしてのキャリア設計まで幅広く網羅している。

要約者もデザイナーであるが、美しいスタイルを作るセンスや、それを実装する技術力は当然必要であり、そういった点を学べる教科書はこれまでたくさん目にしてきた。しかしデザインの本質とは、現実に起きている問題や解くべき課題を、さまざまな手法を用いて解決していくことにある。デザインという分野におけるさまざまな概念は、目の前の現実を捉え、問題を解決するために発展してきた。そしてこういった概念を学ぶことは、デザイナーとしての実力を上げること、そして非デザイナーにとってはデザインという分野を理解することに直結する。

こうした概念を実務に落とし込んで丁寧に解説していく本書は、UI/UXデザインを体現している上質の教本と言える。非デザイナーにとっては最初の入り口として、ある程度キャリアのあるデザイナーにとってはこれまでの知識を体系的に整理する枠組みとして、大いに役立つ一冊である。

ライター画像
池田明季哉

著者

本末英樹(もとすえ ひでき)
デジタルプロダクトデザイナーとして、Webサイトやモバイルアプリを含むサービス全体のUX設計とUIデザインを行う。 Adobe MAXやデジタルハリウッド、Schooなどで講師も務める通称「オロちゃん先生」。Web制作会社とフリーランスを経て、2017年7月C Channel株式会社入社。2021年5月より株式会社フライヤーにデジタルプロダクトデザイナーとしてジョイン。共著に『絵で見てわかるWebアプリ開発の仕組み』(翔泳社 刊)がある。大阪成蹊大学芸術学部卒、朗文堂・新宿私塾第27期修了、Xデザイン学校2021年マスターコース卒、人間中心設計スペシャリスト、グロービス経営大学院在学中。
Twitter:@oronain
Web:oronain.com

本書の要点

  • 要点
    1
    UIとは「ユーザーと製品・サービスの接触面」、UXとは「ユーザーが製品・サービスを通じて得られる体験」を指す。魅力的で使いやすいデジタルプロダクトには、優れたUI/UXデザインが欠かせない。
  • 要点
    2
    デザインとは「意図やプロセスも含めて形にすること」である。
  • 要点
    3
    UI/UXデザイナーは、Webブラウザやアプリケーション、そのデバイスの特徴を理解してデザインしなければならない。
  • 要点
    4
    UI/UXデザイナーとして活躍するには自己分析が不可欠だ。やりたいことや求められるスキルなどを明確にし、自分に合った働き方を選びたい。

要約

【必読ポイント!】UI/UXデザインとは何か

UIデザイン:「普通に使える」を実現する

あらゆるサービスがWebサイトやアプリケーションを通じて提供される今、その操作性やデザイン、ユーザー体験の重要性はますます高まっている。魅力的で使いやすいデジタルプロダクトには、優れたUIデザインとUXデザインが欠かせない。

UIとUXは併記されることが多いが、それぞれ異なる役割を担っている。UIとはUser Interface(ユーザーインターフェイス)の略で、UIは「ユーザーと製品・サービスの接触面」を指す。「ユーザーの目に触れる・使用する」部分はすべてUIと見なされるため、テレビのリモコン、電子レンジの操作パネル、スマホやゲーム機などはすべてUIなのである。

製品やサービスにおける「使いやすさ/使いにくさ」をはかる尺度として、「ユーザビリティ」という考え方がある。ユーザビリティは「ユーザーが目標を達成できたかどうか」という指標であり、一言で言うと「使いやすさ」である。国際規格ではUIデザインを「有効さ」「効率」「満足度」の度合いで評価することが定められている。

一般的に、使いづらいものは気になるが、使いやすいものは意識に上らないことが多い。UI/UXデザイナーの仕事は、「普通に使える」状態にすることであるとも言える。

UXデザイン:使う人の「うれしい」をつくる
whyframestudio/gettyimages

UXとはUser Experience(ユーザーエクスペリエンス)の略で、UXとは「ユーザーが製品・サービスを通じて得られる体験」を指す。サービスを利用する一連の行動の中で「ユーザーが感じたこと全てがUX」なのである。

例えば、ごぼ天うどんをコンテンツ、お箸をインターフェイスとすると、「おいしかった!」がエクスペリエンス(体験)である。うどんが熱すぎたり、食べる人が箸を使えない子供だったりすると、その体験はおのずとかわってくる。

良いユーザー体験はユーザビリティに加え、「時間軸」「環境軸」「人間軸」の3つの視点で判断できる。時間軸とは、使用の前後を含めた利用文脈からの視点。環境軸とは、場所やその場の状況からの視点。そして人間軸とは、人の感性や感情、多様性を考える視点である。

UIとUXは役割や範囲が異なるが、その関係は表裏一体で切り離せない関係にある。UXデザインにはUIデザインを含むこともあり、プロジェクトによってはUIデザイナーがUXデザインまで担当することもある。そういう意味でも、UXデザインへの理解は非常に大切である。

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要約公開日 2023.07.23
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