年間100万円の配当金が入ってくる最高の株式投資

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出版社
クロスメディア・パブリッシング

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出版日
2023年02月11日
評点
総合
3.7
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
3.5
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おすすめポイント

配当太郎氏は名前通り配当を重視した投資スタイルを持つ個人投資家だ。X(旧Twitter)でも人気を博しており、そのフォロワーは13万人を超える。そんな著者のノウハウが惜しげもなく紹介された本書は、株式投資の「最初の一歩」として相応しい一冊になっている。どの株を購入すればよいか迷っている人、2024年から始まる新NISAに興味を持っている人などにおすすめしたい。

投資初心者にとって、個別株への投資は投資信託以上に抵抗を感じるものだろう。何を基準に株を選べばいいのか、買った株が値下がりしたらどうすればいいのか、そもそもどうやって買えばいいのかと、不安に思うことがたくさんあるはずだ。本書はその一つひとつに、明快な指針を示しながら、配当金というかたちで不労所得を得ることのできる「配当株」の魅力について存分に語っている。

ちなみに、要約者自身は株式投資経験者であるが、それでも株式投資には漠然とした不安を感じていた。直近のコロナ禍における株価急落も記憶に新しい。しかしこの本を読んだあとには、株式購入へのハードルがぐっと下がった。「株価が下がっても、企業の稼ぐチカラは変わらない」といった指摘にハッとさせられるものがある。

著者が一番の魅力だと語る「増配」には、大きな可能性が感じられる。保有する銘柄の増配が続けば、タイトルのように「配当金100万円」にも手が届く。そこまでの道筋は、シンプルかつ長期戦だ。配当株投資は10年・20年をかけて保有株を増やしてこそ、大きな効力を発揮する。年間100万円の威力を実感できるようになるその日まで、傍らに置きたい一冊となっている。

ライター画像
霧島大和

著者

配当太郎(はいとう たろう)
投資家。学生時代に株式投資を始め、リーマン・ショックを経て、配当株投資に目覚める。大型株を中心に投資し、保有銘柄の9割は配当金が年々増える「増配銘柄」が占める。Twitterのフォロワーは7万5000人超。毎日、配当株投資に関する情報を発信している。本書が初の著書となる。

本書の要点

  • 要点
    1
    配当株投資とは、配当金を目的とした投資のことである。その最大の魅力は増配で、たとえば配当金が10%ずつ増えていけば配当金は7年で2倍になる。
  • 要点
    2
    投資先の王道銘柄は「銀行・金融、保険、商社、通信」などの参入障壁の高い4業種のものである。
  • 要点
    3
    4業種から「稼ぐチカラ」の強い企業を選ぶためには、各業界の第1位と第2位の企業に注目すればよい。
  • 要点
    4
    投資先の優良銘柄を見つけるには、「1株当たり利益」を判断基準の軸に株価をチェックして、競合他社と比較することが大切だ。

要約

配当株投資は最高の投資法

株式投資の王道・配当株投資とは

配当株投資とは、配当金を目的とした投資のことだ。投資期間は1年や2年の短期ではなく、最低でも10年の長期になる。巨額の富をいきなり得ることはないが、コツコツと地道に利益を積み上げていく投資法だ。著者は株式投資の王道は配当株投資だと考えている。経営層トップは配当金の予想は出すことができても、株価の予想を発表することはない。それだけ株価の予想は難しく、さまざまな要素が関係する。すなわち株価上昇による利益を狙う投資法は確実性が低く、配当株投資法は確実性が高いといえる。また「半永久的に配当金が得られる」「給与以外の比較的安定した収入源になる」「配当金は家族や子孫に引き継げる」といった点も、他の投資法にはない魅力である。

増配の魅力
Dilok Klaisataporn/gettyimages

配当株投資の数ある魅力のなかでも、一番の楽しみは「配当金の増配」だ。増配とは、配当金が前期よりも増えることを指す。増配は珍しいことではなく、2022年において、著者の保有している銘柄の9割は増配しているという。ポートフォリオ全体で見ても、前期と比べて増配の恩恵だけで配当金が10%増加していた。

金融の世界には「72の法則」と呼ばれる計算式がある。元本が2倍になるまでの投資期間(年)を、72÷金利(%)で簡単に求められるのだ。この計算式に銀行の普通貯金の金利0.001%をあてはめると、50万円預けても、100万円にするためには7万2000年が必要になる。普通貯金するよりも、配当金株投資を始めた方がよいことは明白だ。年10%のペースで増配していけば、7年で現在の配当金が2倍になることになる。

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要約公開日 2024.01.28
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