配当株投資とは、配当金を目的とした投資のことだ。投資期間は1年や2年の短期ではなく、最低でも10年の長期になる。巨額の富をいきなり得ることはないが、コツコツと地道に利益を積み上げていく投資法だ。著者は株式投資の王道は配当株投資だと考えている。経営層トップは配当金の予想は出すことができても、株価の予想を発表することはない。それだけ株価の予想は難しく、さまざまな要素が関係する。すなわち株価上昇による利益を狙う投資法は確実性が低く、配当株投資法は確実性が高いといえる。また「半永久的に配当金が得られる」「給与以外の比較的安定した収入源になる」「配当金は家族や子孫に引き継げる」といった点も、他の投資法にはない魅力である。
配当株投資の数ある魅力のなかでも、一番の楽しみは「配当金の増配」だ。増配とは、配当金が前期よりも増えることを指す。増配は珍しいことではなく、2022年において、著者の保有している銘柄の9割は増配しているという。ポートフォリオ全体で見ても、前期と比べて増配の恩恵だけで配当金が10%増加していた。
金融の世界には「72の法則」と呼ばれる計算式がある。元本が2倍になるまでの投資期間(年)を、72÷金利(%)で簡単に求められるのだ。この計算式に銀行の普通貯金の金利0.001%をあてはめると、50万円預けても、100万円にするためには7万2000年が必要になる。普通貯金するよりも、配当金株投資を始めた方がよいことは明白だ。年10%のペースで増配していけば、7年で現在の配当金が2倍になることになる。
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