お金と付き合っていくときに、まずしなければならないのは「お金を貯める」ことである。「投資」にチャレンジするなら、「ある程度の余裕資金がある」ことが前提だ。「お金を増やすゲームに参加する」には、「お金を貯める」ことが先決なのだ。
お金を貯めるには「入ってくるお金-出ていくお金=残るお金」という当たり前のことを守らなければならない。つまり、「出ていくお金」を抑えなければ、「入ってくるお金」は増えないのだ。
著者は20代の頃、東京都新宿区にある4畳一間の物件に住んでいた。お風呂とトイレは共同で、家賃は3万円強。さぞかし不便だろうと思うかもしれないが、東京という街のインフラ(公共施設)を使いこなしていたため、生活にはまったく困らなかったという。
たとえば、風呂はスポーツジムや銭湯で済ませ、読みたい本は図書館で借りていた。東京には多くの喫茶店やファミレスがあるため、飲食をしながら楽しんで読書や仕事の勉強ができたという。
移動には健康と節約を兼ねて自転車を利用。できる時には自炊をして、簡単に野菜を摂れる鍋料理をよく作っていた。
また、昼間は仕事をしながら、夜はゲイバーの店員として働いた。「社交の場」を仕事にしたため、人付き合いは職場で学ぶことができたのだ。
このように、著者は独自の方法で節約し、地道にお金を貯めていった。特に大きかったのは住居費だ。見栄を張らなかったこと、そして便利な都心に住んだことで「コスパ(コストパフォーマンス)」と「タイパ(タイムパフォーマンス)」を両立できたのだ。
若い頃の時間の価値は大きい。著者は「タイパ」にこだわり、働きながら金融関連の資格試験や金融商品のセールスについての勉強をする時間を作っていた。そして20代の終わり頃、派遣先で取得した資格を活かして転職活動を行い、正社員として採用された。
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