ニュートン超図解新書

最強に面白い 人工知能 ディープラーニング編

未読
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出版社
ニュートンプレス

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出版日
2023年12月15日
評点
総合
3.7
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
3.5
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おすすめポイント

昨今、生成系AIの技術進歩は目覚ましく、日々の仕事や生活においてAIによる恩恵を経験している人は多いだろう。しかし、人工知能(AI)がどのような仕組みによって動いているのか、また現在のブームに繋がった経緯を知る人はどれくらいいるだろうか。

本書はそうした基礎的な知識を得るのに最適な一冊だ。人工知能の概要と研究の変遷、人工知能の最も重要な技術である「ディープラーニング」の仕組みについて紹介するだけでなく、自動運転など社会に応用されている実例を取り上げ、人工知能のこれからについての見解も示されている。

イラストを用いた図解も豊富であり、前提知識も必要ないので、読みながら迷子になることもない。重要な部分は太字とマーカーで強調されていて、記憶にも残りやすい。通読すれば、人工知能の仕組みとその発展の経緯について、概要を掴めるだろう。

日進月歩で発展している分野であるため、どんどん更新されていく知識もある。しかし、歴史や基本的な考え方の部分は芯にもなっているはずだ。私たちの未来は人工知能と切り離して考えることはできない。人工知能の基礎について少しでも知っておきたいと考えている方には、本書は絶好の入り口になるだろう。

著者

松尾豊(まつお ゆたか)
東京大学大学院工学系研究科人工物工学研究センター/技術経営戦略学専攻教授。博士(工学)。1975年、香川県生まれ。東京大学工学部電子情報工学科卒業。専門は人工知能。現在の研究テーマは、ディープラーニング、ソーシャルメディアの分析など。主な著書に『人工知能は人間を超えるか』などがある。

本書の要点

  • 要点
    1
    人工知能は人間の知能をコンピューター上で実現しようとする技術や研究のことを指し、紆余曲折を経ながら、機械学習という技術によって脚光を浴びるようになった。
  • 要点
    2
    人の脳を模したニューラルネットワークを基本とするディープラーニング技術は、複雑な形状の物体を認識できる。
  • 要点
    3
    自動運転、医療支援など、人工知能の社会進出は広まっている。
  • 要点
    4
    このまま人工知能が進化を続ければ、やがてあらゆる分野で人間の知能を超えるかもしれない。

要約

これが人工知能だ!

人間の知能をまねたもの

人工知能とは、「人間の知能をコンピューター上で実現しようとする技術や研究のこと」を指す。ロボット掃除機から自動車の自動運転まで、私たちの生活に密接に関わるものでありながら、人工知能を定義する基準が明確になっているわけではない。

現在、人工知能は大きく1~4のレベルに分類できる。レベル1は、エアコンなどに搭載されている、決められたルールに基づく単純な制御プログラム。レベル2は掃除ロボットやチャットボットなどに代表される、複数の制御プログラムを組合せたものだ。レベル3は、データをもとにした「機械学習」を取り入れ、高度な判断を可能にしたもので、近年の将棋ソフトなどが相当する。

そしてレベル4が「ディープラーニング」という技術を取り入れた人工知能である。コンピューター自らデータの「特徴」を見出し、人間に匹敵する判断が可能だ。このレベルの人工知能が、社会に大きなインパクトを与えている。

ディープラーニングが生まれるまで
imaginima/gettyimages

1956年の「ダートマス会議」から、人工知能が学問分野として確立されたとされている。この研究集会で発表された、基礎的な数学の定理を証明するプログラムはその後、パズルや迷路を解く人工知能の開発に応用されていく。しかしこれは、「ルールとゴールが厳密に決まっている問題」にしか対応できなかった。

その後およそ20年間研究が停滞したが、コンピューターの性能は飛躍的に向上し、「専門家のもつ膨大な知識やルールを覚えさせた実用的な人工知能」が開発されるようになった。しかしこれも、新たな課題にぶつかる。たとえば「お腹がチクチク痛む」状態を学習させるには、「お腹とは何か」「チクチクとはどのような痛みか」といった膨大な知識を言語化して、覚えさせなくてはならない。その作業は困難を極め、再び人工知能研究は冬の時代を迎えてしまう。

そこから現在まで続くブームをもたらしたのが、人工知能が自ら学習する技術である「機械学習」だ。大量のデータを与え、そこからルールや法則を人工知能が自ら導き出す。たとえば、ミカンとバナナの画像を大量に入力された人工知能は、それぞれの特徴を抽出し、新しく与えられた画像がミカンなのかバナナなのかを推測できるようになる。

この機械学習のもっとも進んだ形が、「ディープラーニング」だ。

【必読ポイント!】 深層学習「ディープラーニング」

人工知能を賢くする技術

現在の人工知能を大きく飛躍させた「ディープラーニング」は機械学習の1つであり、日本語では「深層学習」と訳される。ディープラーニングは、人工知能が人間のように物の特徴を自ら学習して獲得できる技術である。その仕組みについて、画像認識を例に考えてみよう。

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要約公開日 2024.02.22
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