これからの時代は自分で体験したり調査したりして情報を獲得する「一次情報収集力」が必要となる。
その理由の一つは、生成AIのような新しいテクノロジーが普及することで、素人でもプロのような記事をつくれるようになっているからだ。AIが生成する記事は、いわば「世の中に公開されている情報の高度なパッチワーク」である。そのような記事が世の中にあふれるほど、人は信頼できる情報を求めるようになり、一次情報を獲得して発信する人の価値が高まるのだ。
一次情報収集力を鍛えたいなら、ネットニュースやSNSの情報を疑ってみることから始めよう。疑うと、真実を求めて一次情報を探す(または自ら体験しに行く)という自然な流れができる。
自ら体験できない場合には、公共機関や専門機関のデータを確認する習慣をつけるといい。常に信頼できる情報源で裏付けをとるようにしよう。
これまでは「課題解決力」が重要とされてきたが、未来のスキルとして重要になるのは「課題発見力」だ。つまり「なぜ?」と疑問を持つ力である。
課題解決力が求められなくなる理由は、課題解決の多くはAIやテクノロジーが担ってくれるようになるからだ。生成AIは解決策のたたき台となる選択肢を瞬時に出してくれるし、作業はロボットに任せられる。だがテクノロジーは、自ら課題を見つけ出すことはできない。テクノロジーが課題解決をする時代において、人間に残された仕事は「課題を発見すること」なのだ。
課題発見力とは、新規ビジネスを発想する力だ。たとえばダイソンの「羽根のない扇風機」はまさに課題発見から生まれた商品である。それまでの扇風機には、「子どもが指を入れたら危ない」や「羽根がホコリだらけになる」といった潜在的な課題があったものの、誰もそれを課題だと認識できていなかった。ダイソンの開発者はそこに課題があることを発見したからこそ、羽根のない扇風機を開発できたのだ。あらゆる市場が飽和状態になった現代には、課題を発見できる人材は大変貴重だということが分かるだろう。
課題発見力を身につける方法は3つある。
3,400冊以上の要約が楽しめる