本書の著者であるふたりの出会いは、「ビジネスマンの体調は運。悪いときは根性で乗り切る」という俣野氏のコンディション根性論を、上野氏が一蹴したことから始まった。その後、俣野氏は上野氏に学び、ムラのあったコンディションをたった2ヶ月で改善。体重も10キロ落ち、内臓脂肪も20代の平均値になり、見た目が変わったことで周りの人から若返ったと言われ、自信にもつながったとのことだ。
コンディションと仕事の関係は、「ハイパフォーマンス=コンディション×スキル+運」という式で定義される。これは、どんなにスキルがある人でも、その日のコンディションが悪ければ仕事ははかどらないことを表している。つまり、スキルの向上よりもコンディションの維持が重要なのだ。また、コンディションを整え常に安定したパフォーマンスをあげることで、仕事のチャンスをつかむことにつながり、一流ビジネスパーソンになることができる。
コンディショニングのために、すぐに実行できることは、空腹状態を活かすことだ。
長寿遺伝子、若返り遺伝子とも呼ばれる「サーチュイン遺伝子」は、空腹時にだけ活性化する。そのため、空腹時は、ビジネスマンにとってパフォーマンスの高い時間であり、仕事に没頭し、脳を高速回転させることができる。
空腹と聞くと悪いことのように思えてしまうが、脂肪を燃焼できるのも空腹時のみである。栄養過多で生活習慣病から病気になる方が圧倒的な今にとって、空腹は重要なのだ。
1日のうちで一番体力を必要とするのは消化であり、「消化=体力の浪費」ともいえる。一食分の消化には、ハーフマラソンを2時間以内で走るのと同じくらいの体力を使う。
消化に良い食べ物には、腹持ちが悪くお腹が空きやすいというデメリットがある。一方、消化に悪い食べ物には、消化にエネルギーを使うため栄養の吸収が遅い、すると老廃物の排泄が遅くなる、体力や怪我、細胞の回復が遅くなる、便秘を起こしやすく冷え性・肩こり・腰痛・肌荒れしやすくなるという、多くのデメリットがある。その結果、消化に悪い食べ物を食べると体重や体脂肪が増えてしまうのである。
各食品の基本的な消化時間は、果物が約40分、野菜が約2時間、ご飯やパスタなどの炭水化物は約8時間、肉は12~24時間であり、消化時間が長ければ長い食品ほど、胃を疲れさせ、コンディションを低下させる。少なくとも、朝や昼は消化の良い果物や野菜中心にしたほうがカラダに良いし、仕事にエネルギーを使える。
コンディショニングは自分のカラダと向き合うことから始まる。例えば、人類はずっと空腹や飢餓と戦ってきたため、目の前にステーキがあれば、カラダからすれば食べる必要はないのに、脳は「食べなさい」と私たちをコントロールしようとする。この時に「本当は今、必要ないよね」と、脳と対話することが大事なのである。
コンディショニングの目的は、本来の健康を取り戻すこと。
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