一流の人はなぜそこまで、コンディションにこだわるのか?
一流の人はなぜそこまで、コンディションにこだわるのか?
一流の人はなぜそこまで、コンディションにこだわるのか?
出版社
クロスメディア・パブリッシング

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出版日
2014年11月13日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

本書で紹介されているのは、1500人以上に実践され、多くの人の人生を劇的に変えた「一度痩せたら、二度と太らない方法」である。単なるダイエット方法ではなく、本来の健康を取り戻し、「毎日キレッキレ状態のコンディション」を手に入れるための方法だ。飲み会や残業といった状況も考慮に入れ、忙しいビジネスパーソンでも実践しやすい内容になっている。なんと、運動・つらい食事制限・カロリー計算、全て必要なし、なのだから驚きである。

健康を考える上での前提は時代とともに変化し、健康にまつわる常識も日々アップデートされている。戦中・戦後の栄養不足の時代であれば「栄養をもっと取る=足す」という栄養学の発想がマッチしたかもしれないが、今の栄養過多の日本人に必要なのは「デトックスする=引く」という発想だ、というのは、言われてみれば誰もがうなずける内容だと思う。本書を読むことで、自分が信じていた様々な情報が間違っていたこと、アップデートされずにいたことに気づき、目から鱗が落ちる思いにさせられるに違いない。

本来の健康を取り戻すことは、誰もが願うこと。太っているか痩せているかにかかわらず、自身を健康と思うか否かにかかわらず、すべてのビジネスパーソンに本書を手にとっていただき、改めて自分のカラダと向き合うきっかけとしていただきたい。生活を共にするパートナーと本書の内容を共有することも有益であろう。

著者

上野啓樹(うえの けいじゅ)
公務員時代に生活習慣の乱れから激太り。栄養士等の専門家に3ヶ月で600回以上も日参してダイエット指導を受ける。世のダイエット情報も片っ端から試し、多種のサプリメントやプロテインでも自ら人体実験を繰り返す。世の常識がウソであることに気づき、試行錯誤の末に独自のダイエット法を確立。噂が口コミで広がり、TVや雑誌等のダイエット企画を通じて2年半で50人を劇的ビフォーアフターに導く。運動なし、カロリー計算なし、リバウンドなしのプログラム卒業生は1500人超。「ミス・ユニバースジャパン」の指導も歴任。2014年日本代表の辻恵子氏も教え子の一人。自信を取り戻すダイエット法を世に広めるべく、2013年「ダイエットアカデミー」を開校。

俣野成敏(またの なるとし)
1993年、シチズン時計(株)入社。安息の日々もつかの間、社の赤字転落により30歳でリストラ候補になる。転職、起業の余地がないダメ社員に未来はないと一念発起。役職経験・小売経験・有力人脈の一切を欠いたまま、メーカー直販の在庫処分店を社内起業。老舗メーカーの古い価値観を逆風に受けながら、年商14億企業に育てあげる。その功績が認められ、33歳でグループ約130社の現役最年少の役員に抜擢、さらには40歳で本社償還、史上最年少の上級顧問に就任する。この体験を記した『プロフェッショナルサラリーマン』シリーズは、累計11万部のベストセラーとなる。2012年、独立。複数の事業経営の傍ら、私塾『プロ研』でサラリーマンの自立を支援する。

本書の要点

  • 要点
    1
    コンディションと仕事の関係は、「ハイパフォーマンス=コンディション×スキル+運」という式で定義される。スキルを発揮するためには、コンディションが重要だ。
  • 要点
    2
    コンディショニングは、自分のカラダと向き合うことから始まる。生活習慣を見直し、食事や睡眠の質を向上させることで、本来の健康を取り戻すことができる。
  • 要点
    3
    ハイパフォーマーによるコンディションや仕事のコントロールには特徴がある。「瞬間価値」ではなく「生涯価値」の基準で考えることだ。

要約

コンディションと仕事の関係

スキルよりもコンディション

本書の著者であるふたりの出会いは、「ビジネスマンの体調は運。悪いときは根性で乗り切る」という俣野氏のコンディション根性論を、上野氏が一蹴したことから始まった。その後、俣野氏は上野氏に学び、ムラのあったコンディションをたった2ヶ月で改善。体重も10キロ落ち、内臓脂肪も20代の平均値になり、見た目が変わったことで周りの人から若返ったと言われ、自信にもつながったとのことだ。

コンディションと仕事の関係は、「ハイパフォーマンス=コンディション×スキル+運」という式で定義される。これは、どんなにスキルがある人でも、その日のコンディションが悪ければ仕事ははかどらないことを表している。つまり、スキルの向上よりもコンディションの維持が重要なのだ。また、コンディションを整え常に安定したパフォーマンスをあげることで、仕事のチャンスをつかむことにつながり、一流ビジネスパーソンになることができる。

空腹がハイパフォーマンスモードをもたらす
Chris_Paris/iStock/Thinkstock

コンディショニングのために、すぐに実行できることは、空腹状態を活かすことだ。

長寿遺伝子、若返り遺伝子とも呼ばれる「サーチュイン遺伝子」は、空腹時にだけ活性化する。そのため、空腹時は、ビジネスマンにとってパフォーマンスの高い時間であり、仕事に没頭し、脳を高速回転させることができる。

空腹と聞くと悪いことのように思えてしまうが、脂肪を燃焼できるのも空腹時のみである。栄養過多で生活習慣病から病気になる方が圧倒的な今にとって、空腹は重要なのだ。

消化を制すれば、仕事の効率が上がる
Yongyuan Dai/iStock/Thinkstock

1日のうちで一番体力を必要とするのは消化であり、「消化=体力の浪費」ともいえる。一食分の消化には、ハーフマラソンを2時間以内で走るのと同じくらいの体力を使う。

消化に良い食べ物には、腹持ちが悪くお腹が空きやすいというデメリットがある。一方、消化に悪い食べ物には、消化にエネルギーを使うため栄養の吸収が遅い、すると老廃物の排泄が遅くなる、体力や怪我、細胞の回復が遅くなる、便秘を起こしやすく冷え性・肩こり・腰痛・肌荒れしやすくなるという、多くのデメリットがある。その結果、消化に悪い食べ物を食べると体重や体脂肪が増えてしまうのである。

各食品の基本的な消化時間は、果物が約40分、野菜が約2時間、ご飯やパスタなどの炭水化物は約8時間、肉は12~24時間であり、消化時間が長ければ長い食品ほど、胃を疲れさせ、コンディションを低下させる。少なくとも、朝や昼は消化の良い果物や野菜中心にしたほうがカラダに良いし、仕事にエネルギーを使える。

コンディショニングとは

コンディショニングは自分のカラダと向き合うことから始まる。例えば、人類はずっと空腹や飢餓と戦ってきたため、目の前にステーキがあれば、カラダからすれば食べる必要はないのに、脳は「食べなさい」と私たちをコントロールしようとする。この時に「本当は今、必要ないよね」と、脳と対話することが大事なのである。

コンディショニングの目的は、本来の健康を取り戻すこと。

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要約公開日 2015.01.23
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