「安定した職を得て、出世して、労働を高くかつ長く売る」。これは古い世代の働き方の常識だ。大手企業で出世して多くの年収と退職金を得る。医師や弁護士のような労働時間単価の高い仕事は「食いっぱぐれがない」。
しかし、結局は「時間売り」のビジネス・モデルだ。それぞれの成功者が手にするのは多くても数億円程度の資産で、しかもそれが手に入るのはたいてい晩年である。
こうした古い働き方に従えば、不自由な職業人生を送ることになる。小さい確率で成功できても大金持ちにはなれないので、「割が悪い」。ぼんやり生きていたらチャンスを失うだけだ。
では、新しい働き方とは何か。ひとつは、「『時間の切り売り』では達成できない効率性を求めて、なるべく若い時点で効率良く財産を作ること」。もうひとつは、「働き方の『自由』の範囲」を拡大することである。そのためには、常に適度なリスクを取り、かつ他人と異なることをしようと工夫をするマインドが重要となる。
その具体的な手段が「株式とうまく関わること」である。雑誌『Forbes』が発表した2023年の世界の長者番付では、トップ10がすべて、保有株式の評価額によって富豪とされている面々だった。
株式は資産形成を高速化させる。上手く関わっていかなくてはならない。
株式で稼ぐといっても、「株式運用でお金を『増やせ』」ということではなく、「株式ないし株式に連動するかたちで報酬を得て『稼げ』」ということだ。そのためには4つの方法がある。
まずは、自分で起業することだ。自社の株式を公開して、その価値で大きなお金を得る。起業の成功率は高くないが、今は起業コストが低下し、株式公開も容易になっている。人を雇う経済的なリスクと対人的なプレッシャーに耐えられるなら、「他人を振り回す側」に回ってみよう。
2つめは、他者の起業に早い段階で参加することだ。早期にストックオプションなどの権利を確定させよう。そこで働くことが自分にプラスになるかなどを見極める必要はあるが、短期間で資産を形成できる。3つめは、報酬の大部分を自社株やストックオプションで支払う会社で働くことだ。10年も働けば運用益で一般的な勤労所得並の生活を送る、いわゆる「FIRE」も夢ではない。
最後は、「起業の初期段階で出資させてもらうこと」だ。友人などのビジネスに出資して株式の一部を持たせてもらう。人脈を形成し、チャンスを逃さないようアンテナをしっかり張ろう。
稼いだお金を効率よく増やす「基本」は、次の3つのステップだ。
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