改訂版 お金は寝かせて増やしなさい

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改訂版 お金は寝かせて増やしなさい
出版社
フォレスト出版

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出版日
2024年03月03日
評点
総合
3.7
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
3.5
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おすすめポイント

著者はかつて、個別株投資に振り回されて仕事に集中できなくなり、手間のかからない投資方法を模索したという。そこで出会ったのが、本書のメインテーマであるインデックス投資だ。そこから予測不能な大事件や大災害が数多く発生し、市場は暴落の憂き目に遭った。インデックス投資を行う人たちも例外なく、多くの投資家が市場から脱落していったという。その中で著者は踏みとどまり、資産を増やすことに成功している。

本来であれば「寝かせて」おけばいいインデックス投資で、なぜ不慮の事態に投資家が動いてしまうのか。著者は、その違いが「楽天家かどうか」にあると書く。

とはいえ、人は楽天家にそうなれるものではない――そう感じる読者諸氏も多いだろう。楽天家というのはこの場合、能天気な人を指しているのではない。知るべきことをしっかりと知り、不必要におそれることのない人も、傍から見れば楽天家に見えるものだ。その意味で、本書は誰もが楽天家になれるための1冊といえるかもしれない。インデックス投資を辛抱強く進めるためのいくつもの本質的なポイントが解説されているからだ。

投資すべきインデックスファンドや使うべき金融機関といった基本から、より実践的なテーマであるNISAやiDeCoとの向き合い方もカバーしている。投資の入門書として使うのもよし。すでに長期投資をしている人が、自分の指針を見つめ直すための書籍にしてもよし。いかようにも使い道がある、誰もが座右における一冊になっている。

著者

水瀬ケンイチ(みなせ けんいち)
1973年、東京都生まれ。都内IT企業会社員にして下町の個人投資家。2005年より投資ブログ「梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー」を執筆、現在ではインデックス投資家のバイブル的ブログに。日本経済新聞やマネー誌などに数多く取り上げられる。著書『全面改訂第3版 ほったらかし投資術』(朝日新書・山崎元との共著)、『マンガ お金は寝かせて増やしなさい』(フォレスト出版)。

本書の要点

  • 要点
    1
    インデックス投資には、「手間がかからない」「世界標準の投資法」「お金の基礎知識として役立つ」という3つのポイントがある。
  • 要点
    2
    投資信託のインデックスファンドには、「少額から購入できる」「分散投資できる」「運用に携わる金融機関が破たんしても資金が守られる」という3つのメリットがある。
  • 要点
    3
    最大損失がリスク許容度のレンジに収まるように運用すれば、安心して資産を寝かせておける。
  • 要点
    4
    NISAとiDeCoを併用して、自分の投資方法に活かしていこう。

要約

スタンダードな投資法

インデックス投資がおすすめの理由

著者が推奨する「インデックス投資」とは、「世界中に分散したインデックスファンドを積み立て投資して長期的に保有すること」を指す。インデックス投資をおすすめできるのは、「手間がかからない」「世界標準のスタンダードな投資法」「お金の基礎知識として日常生活に役立つ」という3つのポイントからだ。

銘柄や投資タイミングを考えることなく、基本的に毎月同じ金額を積み立てて寝かせるだけである。それに、世界中の「金融のプロ」が採用している手法であり、国際的なスタンダードとされる。そして、企業に導入されている確定拠出年金はインデックス投資に考え方が近く、金融詐欺に対抗するための基礎的な知識としても有効となる。

投資信託の3つのメリット
takasuu/gettyimages

インデックス投資の対象であるインデックスファンドは「投資信託」という金融商品の一種だ。投資信託とは、投資家から集めた資金をまとめて専門家が投資・運用する金融商品であり、運用先である株式や債券の価格変動によって投資信託の値段(基準価額)が変わる。基準価額が値下がりしても運用会社は損をせず、投資家だけがリスクを負う一方で、「利益はほぼすべて投資家のもの」だ。それに、「少額から購入できる」「たくさんの銘柄の株式や債券に分散投資できる」「運用に携わる金融機関が破たんしても資金が守られている」という3つのメリットがある。

投資信託は100円から始められるケースもあり、ハードルが低い。それに、分散投資はリスクを下げつつ、個人ではまず投資できない国や地域を含め、大規模な投資を実現する。

そして、販売会社、運用会社、信託銀行のどれが破たんしても、法律によって信託財産が守られる。逆に言えば、投資信託でないファンドの儲け話には乗らないほうが懸命だ。

コツは積み立てと買い持ち

インデックスファンドには積み立て投資がよい。「毎月、一定金額で同一の投資信託を購入する」(ドルコスト平均法)といった方法だ。株価が低いときには大量に、高いときには少ない量を買うことになり、結果として購入価格を平準化できる。

これは「買い持ち(バイ&ホールド)」なので、「寝かせて増やす」ことになる。投信自動積み立てサービスを利用すれば、毎月の買い注文をする必要もない。もちろん、相場の動向によっては投資すべきでない時期に買い続けてしまうこともあるが、そもそも市場を予測して購入するのはプロでも難しい。資産運用は売買ではなく保有こそがスタンダードなのである。

インデックス投資の前にやるべきこと

生活費の把握と生活防衛資金

インデックス投資を始める前に、1カ月の生活費を把握しよう。たとえば、給料が入ってから1カ月後にいくら残っているか、3カ月間ほど見るくらいでも十分だ。その時点で赤字なら投資している場合ではない。

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要約公開日 2024.06.25
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