持たざる者の逆襲

まだ何者でもない君へ
未読
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持たざる者の逆襲
出版社
出版日
2023年12月20日
評点
総合
3.5
明瞭性
3.5
革新性
3.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

「人生における幸・不幸は、後悔の記憶の量で決まる」――本書の「おわりに」の冒頭の言葉だ。多くの人の共感を呼ぶであろう言葉だが、2021年に設立され、最も人気のある格闘技イベントのひとつに成長したBreakingDownの国内代表である溝口勇児氏の「今日まで生きてきた僕の結論」となれば、重みが違うだろう。

溝口氏はいくつもの企業を設立してきた起業家であると同時に投資家でもあり、時には自らリングに上がる格闘家という顔も持つ。つまり、いつも何かと闘い、自分を成長させながら前に進む人生を選んでいるということだ。

なぜ著者は厳しい道を選ぶのか。それは自由を掴み、後悔のない人生を送るためだ。貧しい家庭に育ち、大学進学をあきらめてフィットネスクラブのトレーナーになったことからキャリアをスタートした溝口氏は、本書のタイトルどおり「持たざる者」だったそうだ。

だが著者は、「自分は恵まれていないから」と自暴自棄になることはなかった。トレーナーとして「せめて僕は、お客様の悩みやお客様の成果に、お客様以上に本気になることだけは絶対にこだわろう」と決めて、目の前の仕事に一生懸命取り組んだという。しだいに仕事ができるようになり、フィットネス業界で一目置かれる存在になったそうだ。

夢や目標がない人、現状にモヤモヤしている人、自分の将来に期待感が持てない人に、ぜひ本書を手に取ってもらいたい。著者の力強い言葉の数々を読めば、背筋が伸び、動き出す勇気をもらえるだろう。

ライター画像
ヨコヤマノボル

著者

溝口勇児(みぞぐち ゆうじ)
高校在学中からトレーナーとして活動。トップアスリート及び著名人のカラダ作りに携わり、2012年にFiNC Technologiesを設立、代表取締役社長CEОに就任。総額150億円超の資金調達後、2020年3月末に退任。2020年4月に現在のWEIN Groupを、2021年に株式会社BACKSTAGEを設立。『1分間最強を決める。』をコンセプトとした格闘技イベントBreakingDown株式会社COO/国内代表に就任。2022年にフリースタイルのプロリーグ化をコンセプトに掲げる株式会社FSLを創業、2023年には国内Web3メタバースNо.1企業のXANA JAPAN CEОに就任。WIRED INNOVATION AWARD 2018イノヴェイター20人、日経ビジネス「若手経営者が選ぶベスト社長」に選出される。

本書の要点

  • 要点
    1
    人生は選択の総和だ。後悔のない人生を送るために、選択の質を意識してほしい。
  • 要点
    2
    悩みや迷いを抱えていると、思うように成長できない。どの道が正解かなんてわからないのだから、自分が選んだ道を正解にするつもりでフルアクセルを踏もう。
  • 要点
    3
    批判が気になるのは自分を疑っている証拠だ。本当に説き伏せるべき敵は己の中に存在する。

要約

【必読ポイント!】 ひとつ一つの選択が人生を決める

人生は選択でできている

住む場所、一緒に過ごす人、食べるもの、時間の使い方……人生は選択の連続であり、ひとつ一つの選択が積み重なって「今」が作られる。著者はこのことを「人生は選択の総和」と呼び、座右の銘にしている。

あなたは今の自分に満足しているだろうか。もし不満や納得できない部分があるなら、過去の選択を振り返り、判断基準を見直してはどうだろう。後悔のない人生にするために、選択の質を意識してほしい。

世界が広がれば、夢が見つかる

選択の質を上げるために有効なのは、夢や目標を持つことだ。目指す方向性が定まれば、その実現に向けた選択ができるからだ。

もしまだ夢や目標が見つかっていないなら、新しい経験をしてみよう。

小学校低学年の子に「好きな食べ物は?」と聞いたとして、キャビアや北京ダックと答える子は滅多にいない。人は食べたことがないものを好きにはなれないからだ。

これと同じで、人は経験したことがないものに情熱を注ごうとは思えない。夢や目標がほしいなら、多くのことに触れ、多くの人と出会い、多くのことを考えて、世界を広げよう。

努力の先に夢がある
gilaxia/gettyimages

もう一つ、夢や目標を見つけるために有効なのは、目の前の勉強や仕事に没頭してみることだ。目の前にあるものに一生懸命向き合えば、それに詳しくなれる。詳しくなれば課題が見つかり、得意になり、必要とされる喜びを知って、もっと好きになる――。このように少しずつ道が拓けていき、やがて夢や目標が見つかるだろう。

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要約公開日 2024.07.05
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