幸運の教科書

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出版社
出版日
2024年03月05日
評点
総合
3.5
明瞭性
4.0
革新性
3.0
応用性
3.5
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おすすめポイント

「○○になれたら、人生はもっと楽しくなる」「○○が手に入ったら、もっと幸せになれる」――。未来の幸せを目指して、自分を高めようとがんばっている人は多いだろう。

たしかに目標があるのはいいことだ。だが、著者で書道家の武田双雲氏は、何かを目指すことは「今の自分はそれに達していない」「足りていない」と自分へのマイナス評価につながると指摘する。理想の未来を思い描き、それに向かって邁進する「未来志向」。現代人が不安になりやすいのは、「未来志向」に一因があるのではないだろうか。

著者はそんな「未来志向」に一石を投じ、「今を生きる」ことの大切さを説く。「いつか」ではなく「今」幸せになって、つねに「いい気分」「いい機嫌」でいること。そうすることで、人生は幸せに満ちていくという。本書では未来志向を手放して、不安な状態から脱するためのコツを軽いタッチで紹介していく。

本書は、著者と友人の編集者「ひつじ」との対話形式で進められる。ひつじは「いつも自由で幸せそうな双雲さん」にさまざまな質問を投げかける。著者の答えは自由闊達でスケールが大きく、私たちの想像を超える「宇宙レベル」のスケールだ。はじめは面食らっていたひつじだが、次第に著者の言葉を咀嚼して腹に落とし込んでいく。その姿は本書を読み進める読者と重なり、より理解を助けてくれるだろう。悩みや不安のある人に勧めたい、心を軽くしてくれる一冊だ。

著者

武田双雲(たけだ そううん)
1975年、熊本県生まれ。東京理科大学理工学部卒業後、NTTに入社。約3年間の勤務を経て書道家として独立。
NHK大河ドラマ『天地人』や世界遺産「平泉」など、数々の題字を手掛ける。
講演活動やメディア出演のオファーも多数。
元号改元に際し、「令和」の記念切手に書を提供する。
2013年、文化庁から文化交流史に任命され、海外に向けて日本文化の発信に尽力。
独自の創作活動で注目を集めている。
著書はベストセラーの『ポジティブの教科書』(主婦の友社)をはじめ、『丁寧道』(祥伝社)、『「ありがとう」の教科書』(すばる舎)など、60冊を超える。
■双雲公式ホームページ https://www.souun.net/

本書の要点

  • 要点
    1
    「未来志向」が強い現代は、現在より未来のほうが上だと思う傾向がある。夢や志を持つのはいいが、「夢が実現していない今は素晴らしくない」と考えてしまう危険性もある。
  • 要点
    2
    「関心」にはとてつもない力がある。人間関係を改善したいなら相手をよく観て、関心を注ぐことだ。
  • 要点
    3
    ほんの少しのことでも、毎日続けていくと大きな変化につながる。ポジティブな変化をコツコツ続けていくと、いつしか大きなリターンを得られるだろう。
  • 要点
    4
    何ごとも丁寧にやることで、「今」に意識を向けることができる。

要約

【必読ポイント!】可能性を無限大に広げる

幸運な人が最初に意識すること

編集者のひつじは、友人である著者に質問を投げかけた。「双雲さんっていつも元気ですよね。自由にやりたいことをやって、しかも世界から評価されている。どうしたら双雲さんみたいに、毎日元気で幸せいっぱいになれるんですか?」

著者は「まっすぐな線を引く方法って知ってる?」とひつじに言った。書道でまっすぐな線を引くとき、著者は自分のはるか先、宇宙の果てまで無限の線があると考えるという。無限の線を思い浮かべ、その線の上を筆でなぞると、まっすぐな線が引けるのだ。逆に筆と紙ばかりを意識しているとフラフラしてしまうし、強く筆を握ると、前に出ようとするエネルギーにブレーキをかけてしまう。

リラックスしたほうが力が出やすくなり、結果的に正しく動くことができるのだ。

クリエイティブな力を得るには
Yagi-Studio/gettyimages

著者の作品には型にはまらない自由さがある。しかし書道だから「お手本」があるだろうとひつじは考えたが、「手本はなく、全部がお手本」なのだという。映画や服、建物など人間がつくり出したものから、動物や植物、景色、地球など神が創造したものまで、著者にとってはこの世のすべてがお手本なのである。

人間は表現することはできても、創造することはできない。あくまで創造されたものを「大本」にして、表現しているにすぎないのだ。著者にとっての表現とは「大本」にアクセスして、そこにパイプを通して作品にすることにほかならない。

表現はパイプとして「無」になったときに出てくるため、著者に生みの苦しみはないという。クリエイティブな力を得るには、「自分が生み出す」という意識を捨てて、あらゆる経験や宇宙のおかげだと思うことが大切だ。

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要約公開日 2024.07.04
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