読む・聞く、まとめる、言葉にする

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出版社
フォレスト出版

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出版日
2024年07月03日
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おすすめポイント

読者のみなさまは、「インプットしたことを言語化する機会」がどれくらいあるだろうか。たとえば、「会議のポイントを議事録に書く」「映画の感想をSNSで発信する」。現代は仕事でもプライベートでも、インプットしたことをまとめて言葉にする機会は実に多い。

これまで、「読む」「聞く」「まとめる」「言語化する」をそれぞれ単独のスキルとして捉えていた。しかし、実際には、1on1ひとつとっても、「聞く」だけでなく「聞いたことを整理する」「その内容をコメントする」というプロセスが必要となる。この一連の流れを意識してはじめて対話が深まっていくと気づいたのだ。究極的には、「読む」「聞く」「まとめる」「言語化する」をワンセットで磨くことで、どんな仕事もうまく進むのではないか。これが本書の趣旨である。

私はフライヤーの仕事に約10年間携わり、要約では「読む」、インタビューでは「聞く」というインプットを通じて、この一連のプロセスを試行錯誤してきた。どうしたら本や人の本質を掴み、読み手に的確に伝えられるのか? この問いのもとに身につけてきたスキルやトレーニング方法は、幅広く応用できるものではないか。今回本を書く機会をいただき、そのためのエッセンスを、心を込めて書き記した。

本を読む力、話を聞く力、情報を整理する力、言語化する力をどう高めるのか。そのヒントが少しでもお役に立てばとても嬉しく思う。もちろん、このメソッドは発展途上である。みなさまの感想やアイディアをいただき、さらに磨きをかけていきたい。

ライター画像
松尾美里

著者

松尾美里(まつお みさと)
編集者・ライター/株式会社フライヤー コンテンツDiv ゼネラルマネジャー
日本インタビュアー協会認定インタビュアー
京都大学文学部にて社会学を学び、インタビュー調査を通じて「聞く」ことの奥深さに気づく。株式会社Z会を経て、2015年株式会社フライヤーに参画。本の要約のライティング・編集を行う。書籍の要約制作は約850冊に及び、フライヤーや他のメディアにて、経営者・著者・各界のプロフェッショナル約570名にインタビューを行う。ライフワークは、新たな挑戦をしている方々の生き様や想いを聞き、伝えること。特に好きな本は経営ノンフィクションと人・組織に関わる本。本書が初の著書となる。

本書の要点

  • 要点
    1
    現代のあらゆる仕事は、「読む・聞く、まとめる、言葉にする」でできている。それぞれのプロセスのつながりを意識するからこそ、アウトプットの質が上がり、成果が出やすくなる。
  • 要点
    2
    良い言語化は「インプットの質」で決まる。
  • 要点
    3
    「まとめる・言葉にする」というプロセスをスムーズに進めるために、「インプットメモ」と「アウトプットメモ」を活用する。
  • 要点
    4
    まとめる際は、「伝わる論理」を組み立てることが重要となる。

要約

良い言語化の秘密

現代のあらゆる仕事は、「読む・聞く、まとめる、言葉にする 」でできている

現代は、インプットしたことをまとめて言語化する機会が増えている。どうすれば良い言語化ができるのか。本書は、「読む・聞く」「まとめる」「言葉にする」というそれぞれのプロセスを一連の流れとして捉え、前後のプロセスを意識して実践することが大事だという立場に立つ。

職場の1on1を例にとろう。メンバーが話をしやすい空気をつくろうと、相槌やうなずきを工夫している方は多いだろう。もちろん、それらも効果的だが、もう1つ有効なのが、相手の想いを言語化することだ。「あなたの大事にしているのは、こういうことですか」などと、まとめて言葉にする。これにより、相手は「言いたいことが伝わった」と感じ、心を開きやすくなる。

つまり、1on1は「聞く」スキル単体で完結するのではなく、「聞く」「聞いたことを整理する」「その内容をコメントする」というプロセスでできている。それぞれのつながりを意識するからこそ、アウトプットの質が上がり、成果が出やすくなるのだ。

「読む・聞く、まとめる、言葉にする」という一連の流れを実践すると、それぞれのスキルが高まるだけでなく、対話がうまくなって信頼関係が築きやすくなる、思考の整理力が身につく、本質を掴む力が身につく、といった効果を得ることができる。

良い言語化は「インプットの質」で決まる
フォレスト出版ご提供/イラストレーター大原沙弥香

言語化というと、文章力が必要と思うかもしれない。だが、「まとめて言葉にする」際に大事なのは、言葉を装飾したり、美しい表現をめざしたりすることではない。

良い言語化は、「読む・聞く・観る・体験する」といったインプットの質が決め手となる。インプットの独自性や面白さがなければ、その後どれだけ手を加えても、人の心に響くものにはなりにくい。

同時に、言語化力は「解釈の力」でもある。話を聞いたり、旅行に行ったりしたときに、どんな視点で物事を捉え、その本質を抜き出すか。つまり、自分の「解釈」によって、どの部分をどう言語化するかが変わってくる。

言語化の際には、良いインプットを前提とし、「まとめる」のフェーズで伝えたい本質を正しく抽出して、わかりやすい解釈を添えることが大事になる。

「伝える相手」と「伝える目的」を考える

まとめて言語化する前に隠れたステップがある。それは、まとめを「伝える相手」と「伝える目的」を決めることだ。これらによって、アウトプットの方向性、まとめる基準、インプットの質が変わる。

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要約公開日 2024.07.09
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