もしも海賊に襲われたら

究極のサバイバルシリーズ
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もしも海賊に襲われたら
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おすすめポイント

本書は『もしもワニに襲われたら』に始まる、日常に潜むさまざまな危機への対処法を指南した大人気シリーズの第3弾である。今回も「なるほど役に立つ!」から「そんなことある?」と首をひねってしまうような場面まで、多彩な危機への適切な対処法が紹介されている。

タイトルにもなっている「もしも海賊に襲われたら」などは、一見「そんなことある?」なシチュエーションだが、よく読むと非常に実践的な内容になっている。ここで言う「海賊」とは、映画などフィクションの世界に登場するような、眼帯をつけてかぎづめの腕を持つポップな存在ではない。実際に海上で民間船を襲撃し、強奪行為を行っている「海賊」だ。その対処法も無理のある解決法ではなく、実際に行うことのできそうなものとなっている(詳しくは本書で!)。この項目には、海賊を撃退する方法のほか、救難信号の出し方や海賊の襲撃が行われやすい時間帯などの情報も盛り込まれており、勉強になる。ほかにも「スタジアムで暴動が発生したら」「車が横転したら」「バンジージャンプ中に不幸な事故に見舞われたら」など、一見「トンデモ危機」に見える項目も、よく読めば感心してしまうような専門的な知識が生かされていて、油断できない。

ちなみに著者によると「本書はそこそこ分厚いので、槍で胸を貫かれそうになったら盾代わりに使えないこともない……かもしれない」そうだ。この上なく「実用的」である。

ライター画像
千葉佳奈美

著者

ジョシュア・ペイビン(Joshua Piven)
昼はコンピュータ・ジャーナリスト兼、フリーのライターとして働き、夜になれば冒険に思いをはせている。ナイフを振り回す悪漢に、バイクで追い回されたり、乗っている電車が地下鉄のトンネル内で停車したり、強盗被害に遭ったり、チキンが食べたいときに限って品切れでパスタを食べるはめになったりした経験がある。

デビッド・ボーゲニクト(David Borgenicht)
作家、編集者、実業家、世界を股にかける旅行者。ワニが生息する池をカヌーで渡ったり、インドでゾウに乗ったり、大陸横断鉄道で無賃乗車したりした経験がある。飛行機などでは非常口付近の座席を死守するものの、100%リクライニングできたためしがない。現在は妻とフィラデルフィアで暮らしている。今のところ結婚生活は“危機的状況”にはないらしい。

本書の要点

  • 要点
    1
    もしも海賊に襲われたら、デッキに水をまき、滑りやすくしておく。船をよじ登ろうとしてきたら、目を狙ってライトを当てる。可能なら信号弾を当ててもよい。
  • 要点
    2
    もしもスタジアムで暴動が発生したら、ユニフォームなどファンだと見抜かれるアイテムはすべて脱ぎ捨て、群衆の流れに逆らわないように横歩きで出口を目指す。マスコットキャラクターに近づいてはいけない。
  • 要点
    3
    もしも婚約者の両親に好かれたいなら、純粋な人物が書きそうな言葉と婚約者への愛をしつこいくらいつづった日記帳を仕掛けておく。そして、「早めに孫を作る」と約束する。

要約

【必読ポイント!】 日常に潜む危機

もしも凶暴な犬に遭遇したら

凶暴な犬に遭遇したら、まずは身を隠せる安全な場所を探そう。車内や木の上などがおすすめだ。ただし、隠れ場所を探してやみくもに走り回ってはいけない。犬のほうが圧倒的に走るのが速いので、簡単に追いつかれ、無防備な背中やお尻、ふくらはぎなどに噛みつかれてしまう。

背中を見せて逃走するのは自分の弱さを相手に伝える行為だ。むしろ、体を大きく見せながら堂々と立ち、自信を見せつけるべきだ。強そうな声で「来るな」と言おう。犬は縄張り意識の強い動物なので、人間が縄張りから出てしまえば興味を失うことも多い。長く目を合わせないようにしながら、ゆっくり後退して逃げる。

もしそれでも犬が突進してきたら、木の枝を振り回したり、靴を投げつけたりしてかまれるのを防ぐ。そして、犬が躊躇した隙をつき、こちらから突進して大声で叫び、威嚇する。急に敵意をむき出しにされると、犬は驚いて逃げ出すか逆上するはずだ。逃げ出してくれればいいが、犬が逆上して向かってきそうなら、一定の距離を保ちながら上着を腕に巻き付けておく。その腕をあえて差し出し、犬がかみついてきたタイミングで上着から素早く腕を抜き、逃げよう。

犬が噛みついたまま頭を振ったら、こちらは深刻なダメージを免れない。もし追いつかれてしまったら、両手で顔と喉を守り、体を丸めてやりすごすしかない。

もしも海賊に襲われたら
イラスト/ Brenda Brown

まずは海賊と接触しないようにすることが第一である。海で海賊を発見したら、すぐさま逃げよう。近くに岸があるなら、全速力で岸を目指す。また、付近の船に危険信号を伝達するのも忘れてはいけない。国際VHF(船舶共通通信システム)のch16に遭難信号を発信し、現在地を伝える。

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要約公開日 2024.07.14
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