近年、サイバーセキュリティの必要性はますます高まっている。その要因は大きく分けて3つある。
1つ目は、AIの急速な進化だ。私たちが生成AIを活用して業務効率化を図るのと同様、サイバー攻撃をする人たちもAIを使って攻撃を効率化できるようになっている。
2つ目は、リモートワーク化だ。コロナ禍のリモートワーク化でクラウドの導入が進んだことで、情報漏えいのリスクが高まっている。
3つ目は、世界情勢の変化だ。2023年には、親ロシア派のサイバー攻撃集団が「日本国政府全体に宣戦布告」するという内容の動画をSNSに投稿し、日本の行政ポータルサイトがアクセスしづらくなる事案があった。
そもそもサイバーセキュリティとは、データの改ざんや漏えいを防ぐための技術や対策のことだ。自宅の防犯対策のサイバー空間バージョンを想像するとわかりやすいだろう。
サイバーセキュリティの三要素は「機密性」「完全性」「可用性」だ。それぞれ説明しよう。
機密性は、情報を守るための対策をしっかり行うことを意味する。簡単には推測できないパスワードを設定する、部外者が情報にアクセスできないようにするといった対策のことだ。
完全性は、情報の改ざんを防ぐことだ。具体的には、データのアクセス権限を適切にコントロールすることや、アクセスログをきちんと残しておくことが有効である。
可用性は、システムが停止することなく、必要なときにアクセスできることを意味する。自社内に置いたサーバーだけに頼っていると、自然災害でサーバーが被災すればサービスは停止してしまう。サーバーを東京と大阪に置くなど、場所を分散させることで可用性を維持できる。
サイバー攻撃には「定番」ともいえる手法が存在する。
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