スーパーチームをつくる!

最短・最速で目標を達成する組織マネジメント
未読
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最短・最速で目標を達成する組織マネジメント
未読
スーパーチームをつくる!
出版社
出版日
2024年06月24日
評点
総合
3.5
明瞭性
3.5
革新性
3.5
応用性
3.5
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おすすめポイント

「死の組」。これは、2023年のバスケットボールワールドカップの予選ラウンドで男子日本代表が所属するグループが、ドイツ、フィンランド、オーストラリアという強豪ぞろいであることを指した言葉だ。

運悪く強豪ぞろいのグループに振り分けられたものの、ここで好成績を収めなければパリ五輪出場権は手に入れられない。さて日本代表はどう戦うのか――。

このような大きなプレッシャーがのしかかる状況で、日本代表は、初戦のドイツ戦こそ負けてしまったものの、続くフィンランド戦では逆転勝利。ワールドカップで初めてヨーロッパのチームを破るという偉業を成し遂げた。その後もベネズエラとカボベルデに勝利を収め、見事パリ五輪への切符を手に入れた。

ヘッドコーチとしてそんなチームを導いたのが、本書の著者、トム・ホーバス氏だ。ホーバス氏はバスケットボール女子日本代表のヘッドコーチとして東京五輪の銀メダルに導いた後、男子代表のヘッドコーチに就任。選手たちの力を存分に引き出してきた。

本書では、4つの章に分けて、ホーバス氏のチームマネジメント手法がつぶさに明かされている。

バスケットボールファンに特に注目してほしいのは、第4章の「逆境をどうはね返すか」だ。「死の組」での戦いにおいて、ホーバス氏がどのようにチームを引っ張っていったかが、手に取るようにわかるだろう。

もちろん、バスケットボールファンでない人にも、読みどころはたくさん散りばめられている。自分の能力に自信を持てないメンバーをどのように引き上げるか、目標達成に向けて本気で奮闘するチームをつくるにはどうすればいいかなど、チームマネジメントに大いに参考になるはずだ。ぜひ、パリ五輪でのプレーを思い返しながら読んでみてほしい。

著者

トム・ホーバス(Tom Hovasse)
バスケットボール男子日本代表ヘッドコーチ
1967年米コロラド州生まれ。米ペンシルベニア州立大学卒。プロバスケットボール選手としてポルトガルリーグに在籍した後、90年日本リーグ・トヨタ自動車ペイサーズ(現アルバルク東京)に入団、4年連続リーグ得点王に。その後、米NBAなどを経て、日本に復帰。2017年女子日本代表ヘッドコーチ就任。2021年東京五輪で銀メダルを獲得した後、男子日本代表ヘッドコーチに。2023年ワールドカップで2024年パリ五輪の出場権を獲得。

本書の要点

  • 要点
    1
    目標が低すぎてはダメだ。高い目標を掲げることによって人は成長する。
  • 要点
    2
    指導においては、選手一人ひとりに役割を与えることが大切だ。自分の果たすべき役割を理解していない選手は力を出し切れない。
  • 要点
    3
    自分で自分の能力の「天井」を決めず、常に「自分史上最高」を目指してチャレンジを続ける。これが選手たちのあるべき姿だ。

要約

【必読ポイント!】 スーパースターはいなくてもスーパーチームはつくれる

高い目標が成長をもたらす

著者は2017年にバスケットボール女子日本代表のヘッドコーチに就任し、2021年には東京オリンピックで銀メダルを獲得。同年、男子日本代表のヘッドコーチとなり、2023年のワールドカップでパリオリンピックの出場権獲得へと導いた。

チームづくりにおいて、そんな著者が最も大切にしているのは目標の設定だ。目標がなければ人は成長できないと考えている。

東京オリンピックで女子日本代表が銀メダルを獲得したことは、すばらしい成果だと思われるだろう。だが、チームの目標はあくまで金メダル獲得だったため、決勝戦が終わった後の著者は失望の念が強かった。

ただ、少し時間が経つと、選手たちが晴れ晴れとした表情をしているのに気がついた。チームとして戦い、周囲から「無理だ」と思われていた金メダルという目標に近づくことができたからだ。

目標は、すぐに達成できてしまうような低い、簡単なものではダメだ。高い目標こそが人を成長させるのである。

「全員が信じる」ことの大切さ
FOTOKITA/gettyimages

高い目標を掲げるといっても、コーチが選手たちに一方的に押しつけているだけではいけない。選手一人ひとりが自分の強みや哲学を心から信じ、目標達成に向けて本気で取り組むことが重要だ。

著者は代表チームの選手一人ひとりにこう問いかける。「私たちにはこういう高い目標があり、そこへ向けてこういう戦い方をしていく。あなたはそれを心から信じてやり抜いてくれますか?」

こう問いかければ選手たちはうなずいてくれるが、それだけではダメだ。全員が「信じています」と声に出してはじめて、同じ船に乗って共通の目標へ向かうことができる。

最高の選手が集まっても、最高のチームができあがるとは限らない。最高の選手たちが自分たちのやっていることを心から信じてこそ、最高のチームになるのだ。

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要約公開日 2024.08.03
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