著者は決して「天才」ではない。曲をつくるにしても、アイデアが自然に降ってくることはなく、「つくり出す」「絞り出す」「塗り重ねる」「削り出す」というような感覚で取り組んできた。
それでも音楽家・プロデューサーとして結果を残せたのは、自分が「天才」じゃないことに気づけたからだ。
多くの人は自分に期待しすぎている。「自分ならもっとやれるのに」「自分にはもっと才能があるのに」と、うまくいかないのを他人や環境のせいにし、努力を怠ってしまう。
まずは「自分は天才でも何でもなく、平均的な能力しかないんだ」と認めよう。そのうえで自分の能力を高める努力をしていくことが大切だ。
凡人の勝ちパターンは「好き」を追求することだ。
好きなことなら、努力を厭うことなく、情熱をもって取り組める。「好き」だからこそ、他人が面倒に思うようなことでもストレスなく続けられて、最終的にはそれが「得意」な人より結果を出せるだろう。さらには、「自分は間違っているんじゃないか」と不安になりそうなときや、流行りを追いかけたくなりそうなときにも、迷うことなく前を向いて歩んでいける。
「親ガチャ」「会社ガチャ」「配属ガチャ」「上司ガチャ」という言葉がある通り、世の中は不公平だ。
だが、出発地点は違っても、凡人の間に大きな差はない。マラソンで集団から抜け出すように、努力さえすれば「その他大勢の凡人軍団」から抜け出せる可能性がある。大逆転や大どんでん返しができるのが「凡人」の面白いところなのだ。
凡人が行動力を発揮して「その他大勢の凡人軍団」をごぼう抜きするには、「根拠なき自信」や「思い込み」が必要だ。
3,400冊以上の要約が楽しめる