なぜ、あの人は仕事ができるのか?

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なぜ、あの人は仕事ができるのか?
著者
出版社
出版日
2024年06月30日
評点
総合
3.7
明瞭性
3.5
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

あなたは、組織に一定数存在する「仕事ができる人」の秘密を知りたくはないだろうか。もし「秘密を知って真似したい」「自分も『仕事ができる人』になりたい」なら、本書を手に取ってほしい。

本書は10万部を突破した『付加価値のつくりかた』や『再現性の塊』などで知られる田尻望氏による一冊だ。田尻氏はキーエンス出身で、現在は経営コンサルティング事業を手掛け、クライアント企業において、月1億円、年間10億円超レベルの利益改善を次々に成し遂げているという。

本書ではそんな著者が、「仕組み化」というキーワードのもと、「仕事ができる人」の秘密を教えてくれる。田尻氏によると、キーエンスではあらゆる業務が「仕組み化」され、それらがすべて「仕事から生み出される付加価値を高める」という目的のもとにつくられていたそうだ。本書ではその気づきをもとに、「仕組み化」によって成果を出し、高く評価される人になる方法が丁寧に言語化されている。

「自分のキャパシティだと、1日にできる仕事量はこれ以上増やせない」「大きな成果が出せるのはごく一握りの優秀な人だけであって、自分は違う」……そう決めつけている人に、ぜひ本書を手に取ってもらいたい。成果が出ないのは、決してあなたの能力が足りないからではない。「成果の出る仕組み」ができていないだけだ。

本書を読み終えた翌日から、自分が身を置いている「仕組み」に意識を向けられるようになるだろう。そして、あっという間に「仕事ができる人」に変身できるはずだ。

著者

田尻望(たじり のぞむ)
株式会社カクシン 代表取締役CEO
京都府京都市生まれ。大阪大学基礎工学部情報科学科にて、情報工学、プログラミング言語、統計学を学ぶ。2008年卒業後、株式会社キーエンスにてコンサルティングエンジニアとして、技術支援、重要顧客を担当。大手システム会社の業務システム構築支援をはじめ、年30社に及ぶシステム制作サポートを手掛けた。
その後独立するも、一時的に「家なし、職なし、家族あり」の状態に陥る。失意の経験をするなかで、「仕事の原点」であるお客様への価値提供の仕組みをつくる大切さを再認識し、経営コンサルティング業を開始。その後、チャンスを得て起死回生するきっかけをつかむ。
「最小の人の命の時間と資本で、最大の付加価値を生み出す」という経営哲学をもち、価値につながらない仕事は極力減らし、高付加価値な仕事をすることを提唱。会社のみならず個人の仕事を仕組み化することの大切さを説く。
年商10億円~10兆円規模の経営戦略コンサルティングなどを行い、月1億円、年10億円超の利益改善などを達成した企業を次々と輩出。企業が社会変化に適応し、中長期発展するための仕組みを提供している。
また、自身の人生経験を通じて、人が幸せに働き、生きる社会を追求し続けており、エネルギッシュでありながら親しみのある明るい人柄で、大手企業経営者からも慕われている。私生活では3人の子を持つ父親でもある。著書に『構造が成果を創る』(中央経済社)、『キーエンス思考×ChatGPT時代の付加価値仕事術』(日経BP)、10万部を突破した『付加価値のつくりかた』や『再現性の塊』(かんき出版)などがある。

本書の要点

  • 要点
    1
    よい仕組みの中にいれば成果が出る一方、悪い仕組みの中にいると成果は出ない。仕事をどんどん「仕組み化」して、成果に結びつかない時間を削減し、それによって生まれた時間を付加価値の高い仕事に回そう。
  • 要点
    2
    「仕組み化」は「効率化」と「高付加価値化」という2つのステップから構成されている。
  • 要点
    3
    「効率化」は「仕事を書き出す」「並べ替える」「4つの視点で整理する」の3ステップで進める。
  • 要点
    4
    仕事の「高付加価値化」とは、端的に言えば「時間単位当たりにおける自社の『粗利益の最大活動』」だ。

要約

成果を出す人は仕事を「仕組み化」している

成果の大小は「仕組み」で決まる

思うように仕事の成果が出ないとき、その原因はたいてい「自分」ではなく「仕組み」にある。成果の出る仕組みの中にいれば成果は出るし、出ない仕組みの中にいれば成果は出ないという、ただそれだけのことだ。

例えば、営業職の仕事は、1件でもアポを増やして成約に結びつけていくことである。多くの成約を獲得するためには、商談の時間を十分に確保しなければならないが、報告書作成や会議に時間が奪われてしまう……。これは成果の出ない仕組みの一つだ。

仕事をどんどん「仕組み化」することで、成果に結びつかない時間を削減し、それによって生まれた時間を付加価値の高い仕事に回す。これが本書のテーマだ。

「仕組み化」=「効率化」+「高付加価値化」

「仕組み化」は「効率化」と「高付加価値化」という2つのステップから構成されている。簡単に言うと、作業時間を減らすのが「効率化」、仕事の価値を高めるのが「高付加価値化」だ。まず効率化、その後に高付加価値化の順で取り組むのがキモである。

高付加価値な仕事ができるようになると、成果につながる「価値ある仕事」に集中できて、周囲から評価されるビジネスパーソンになれる。

「効率化」を実現する3つの方法
Nuthawut Somsuk/gettyimages

「効率化」に有効な方法は3つある。

1つめは「フォーマットの統一」だ。文書やメール文、資料などのフォーマットを作成して、今後の作業時間を短縮する。

2つめは「見える化」だ。例えば、テレアポ先のリストをあらかじめ作っておくことで、ちょっとした空き時間に架電できて、短い時間で成果が出しやすくなる。

3つめは「言葉の統一」だ。「売上」「商品の価値」「利点」「機能」「特徴」「ニーズ」といった曖昧な言葉を明確に定義して共有するほか、取り組みの振り返りをする際は「数値化、変化、基準値」を揃えて語るといった工夫により、再現性を高められる。

「効率化」の基本

「効率化」の3つのステップ

「仕組み化」の第一段階である「効率化」は3つのステップから成る。

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要約公開日 2024.10.07
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