思うように仕事の成果が出ないとき、その原因はたいてい「自分」ではなく「仕組み」にある。成果の出る仕組みの中にいれば成果は出るし、出ない仕組みの中にいれば成果は出ないという、ただそれだけのことだ。
例えば、営業職の仕事は、1件でもアポを増やして成約に結びつけていくことである。多くの成約を獲得するためには、商談の時間を十分に確保しなければならないが、報告書作成や会議に時間が奪われてしまう……。これは成果の出ない仕組みの一つだ。
仕事をどんどん「仕組み化」することで、成果に結びつかない時間を削減し、それによって生まれた時間を付加価値の高い仕事に回す。これが本書のテーマだ。
「仕組み化」は「効率化」と「高付加価値化」という2つのステップから構成されている。簡単に言うと、作業時間を減らすのが「効率化」、仕事の価値を高めるのが「高付加価値化」だ。まず効率化、その後に高付加価値化の順で取り組むのがキモである。
高付加価値な仕事ができるようになると、成果につながる「価値ある仕事」に集中できて、周囲から評価されるビジネスパーソンになれる。
「効率化」に有効な方法は3つある。
1つめは「フォーマットの統一」だ。文書やメール文、資料などのフォーマットを作成して、今後の作業時間を短縮する。
2つめは「見える化」だ。例えば、テレアポ先のリストをあらかじめ作っておくことで、ちょっとした空き時間に架電できて、短い時間で成果が出しやすくなる。
3つめは「言葉の統一」だ。「売上」「商品の価値」「利点」「機能」「特徴」「ニーズ」といった曖昧な言葉を明確に定義して共有するほか、取り組みの振り返りをする際は「数値化、変化、基準値」を揃えて語るといった工夫により、再現性を高められる。
「仕組み化」の第一段階である「効率化」は3つのステップから成る。
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