人間の身体的特徴および人格をつくっているのはホルモンだ。ホルモンの働きしだいで、気分、活力レベル、睡眠の質、食欲、家族や友達や同僚への対応、運動に対するモチベーション、危機に直面したときの反応までもが左右される。思い通りに行動できないのは、あなたの意志が弱いせいではなく、ホルモンがうまく機能していないせいなのだ。
本書では、不眠、過食、混乱、不安、怒り、周期不順という6つの症状に焦点を当て、症状の背後にあるホルモンの概要と、そのホルモンをハックする方法を紹介している。要約では不眠と過食の章を取り上げたい。
眠りの質はホルモンがうまく機能しているかどうかによって決まる。睡眠の質に影響するホルモンのうち、本書では6つを取り上げている。
1つ目はセロトニンだ。「幸せホルモン」として知られており、その95%が腸内でつくられる。
セロトニンはまず、必須アミノ酸の「トリプトファン」として始まり、セロトニンになった後、睡眠にもっとも重要なホルモンである「メラトニン」に変わる。トリプトファンは体内でつくれないため、鶏肉やバナナ、まぐろなどといった食べ物から摂る必要がある。
2つ目はメラトニンだ。メラトニンが出ない限り、眠りに落ちることはない。光のレベルはメラトニンに多大な影響を及ぼすため、適切な時間帯に適切な光を浴びることが重要だ。
3つ目はアドレナリンだ。アドレナリンは私たちを目標に向かって動かしてくれるが、眠ろうとしているときには、その働きはネガティブに作用する。
4つ目はコルチゾールだ。私たちのカラダは24時間に1度、起床から約30分後にコルチゾールを一気に放出し、睡眠・覚醒のサイクルを維持している。
5つ目はGABAだ。脳の働きを落ち着かせ、リラックスした感覚を抱かせてくれる。サプリメントで補給できるほか、運動や食べ物によっても増やせるホルモンだ。
6つ目はビタミンDだ。太陽光を受けて皮膚でつくられる。ビタミンD値が低いと睡眠障害のリスクが高まることがわかっている。
コルチゾール、アドレナリン、セロトニン、メラトニンといった睡眠ホルモンをコントロールするために重要な要素は、光、食べ物、温度、呼吸だ。それぞれ解説したい。
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