ホルモンをととのえる本
いつでも調子がいいカラダになる!
ホルモンをととのえる本
ホルモンをととのえる本
出版社
CCCメディアハウス

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出版日
2025年02月10日
評点
総合
4.0
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.5
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おすすめポイント

よく眠れない、空腹でもないのに食欲が止まらない、集中力が続かない、落ち込みや怒りに振り回されてしまう、生理周期が整わない――。これらの悩みは、もしかするとすべて同じ原因によるものかもしれない。

本書の著者、ダヴィニア・テイラー氏は、生活習慣を変えて体重を20kg近く落とし、よりヘルシーな心身を手に入れた。今ではイベントやインスタグラムで情報発信し、多くの支持を受けている。

本書ではそんな著者が「いつでも調子がいいカラダ」を手に入れる方法を教えてくれる。カギとなるのはホルモンだ。著者によると、睡眠や食欲や気分をコントロールできないのは、あなたの意志が弱いせいではない。ホルモンをハックしていないからなのだ。

その前提のもと、本書では、ホルモンのバランスをととのえて、より生産的に、よりヘルシーに、より幸せに生きていくための知識が提供される。睡眠の質を改善する習慣や食欲に支配されないためのモーニングルーティンなど、どれも取り入れやすいアドバイスばかりだ。

あなたも要約者と同様、これまで思い通りに行動できないとき「私は意志が弱いから」「どうしても我慢できなくて」と口にしていたかもしれない。だが本書を読むと、自分は意志が弱かったり我慢がきかなかったりするのではなく、単にホルモンに操られているだけだと気づくはずだ。毎日をもっとご機嫌に生きていきたい人に、熟読を勧める。

著者

ダヴィニア・テイラー(DAVINIA TAYLOR)
サプリメント会社ウィルパウダーズ創設者。起業家、バイオハックのパイオニア、減量のエキスパート、4人の子どもの母親であり、人気テレビドラマの俳優としてキャリアをスタート。「90年代の悪名高きパーティガール」として知られたが、バイオハックにより人生を大転換。生活習慣をハックすることでカラダにどのような影響が起こるかを熱心に調べ、最適な健康状態を手に入れ、20kg近く体重を落とした。これまで調べてわかったことや学んだことは、イベントやインスタグラム(@daviniataylor)でシェアしている。

本書の要点

  • 要点
    1
    思い通りに行動できないのは、あなたの意志が弱いせいではなく、ホルモンがうまく機能していないせいだ。ホルモンの働きしだいで、気分、活力レベル、睡眠の質、食欲、家族や友達や同僚への対応、運動に対するモチベーション、危機に直面したときの反応までもが左右される。
  • 要点
    2
    睡眠ホルモンをコントロールするために重要な要素は、光、食べ物、温度、呼吸の4つだ。
  • 要点
    3
    私たちのカラダは、目標とする栄養を摂取し終わるまで食べ物を口にしようとする。加工食品を食べ続けてしまうのは、加工食品では十分な栄養を摂取できないからだ。

要約

思うように行動できないのは「意志」のせい?

ホルモンがすべてを決める

人間の身体的特徴および人格をつくっているのはホルモンだ。ホルモンの働きしだいで、気分、活力レベル、睡眠の質、食欲、家族や友達や同僚への対応、運動に対するモチベーション、危機に直面したときの反応までもが左右される。思い通りに行動できないのは、あなたの意志が弱いせいではなく、ホルモンがうまく機能していないせいなのだ。

本書では、不眠、過食、混乱、不安、怒り、周期不順という6つの症状に焦点を当て、症状の背後にあるホルモンの概要と、そのホルモンをハックする方法を紹介している。要約では不眠と過食の章を取り上げたい。

なぜ眠れないの?

睡眠の質を決める6つのホルモン
Irina Tiumentseva/gettyimages

眠りの質はホルモンがうまく機能しているかどうかによって決まる。睡眠の質に影響するホルモンのうち、本書では6つを取り上げている。

1つ目はセロトニンだ。「幸せホルモン」として知られており、その95%が腸内でつくられる。

セロトニンはまず、必須アミノ酸の「トリプトファン」として始まり、セロトニンになった後、睡眠にもっとも重要なホルモンである「メラトニン」に変わる。トリプトファンは体内でつくれないため、鶏肉やバナナ、まぐろなどといった食べ物から摂る必要がある。

2つ目はメラトニンだ。メラトニンが出ない限り、眠りに落ちることはない。光のレベルはメラトニンに多大な影響を及ぼすため、適切な時間帯に適切な光を浴びることが重要だ。

3つ目はアドレナリンだ。アドレナリンは私たちを目標に向かって動かしてくれるが、眠ろうとしているときには、その働きはネガティブに作用する。

4つ目はコルチゾールだ。私たちのカラダは24時間に1度、起床から約30分後にコルチゾールを一気に放出し、睡眠・覚醒のサイクルを維持している。

5つ目はGABAだ。脳の働きを落ち着かせ、リラックスした感覚を抱かせてくれる。サプリメントで補給できるほか、運動や食べ物によっても増やせるホルモンだ。

6つ目はビタミンDだ。太陽光を受けて皮膚でつくられる。ビタミンD値が低いと睡眠障害のリスクが高まることがわかっている。

睡眠ホルモンを「光・食べ物・温度・呼吸」でハックする
YelenaYemchuk/gettyimages

コルチゾール、アドレナリン、セロトニン、メラトニンといった睡眠ホルモンをコントロールするために重要な要素は、光、食べ物、温度、呼吸だ。それぞれ解説したい。

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要約公開日 2025.03.23
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