リーダーに抜擢された人であれば、1つや2つの輝かしい実績を持っているはずだ。だからこそ注意すべき点がある。部下は、あなたの過去の実績には興味がないということだ。
たとえば、サッカー日本代表の森保一監督について、「現役時代はサンフレッチェ広島で活躍した」と聞いて、どう感じるだろうか。おそらく「どうでもいい」と思うのではないだろうか。
現役時代の実績は、ただの昔話にすぎない。部下が関心を持っているのは「自分の未来がどうなるのか」、そして「このチームで上司が何を成し遂げようとしているのか」という点である。
「部下を成長させたい」と語るリーダーもいるが、それは格好いいものではない。なぜなら、それはリーダーとして当然の役割にすぎないからだ。役割をあたかも使命のように語ると、周囲からは冷めた目で見られてしまう。
重要なのは部下をどうしたいかではなく、自分自身がどうありたいか、何を成し遂げたいかという「未来予想図」を語ることだ。自分の挑戦に部下を巻き込むことで、結果として部下は成長していくのである。
リーダーとは「役割」である。「自分にはリーダーの資質がない」とプレッシャーを感じているなら、「役割」としてとらえてほしい。リーダーはメンバーと異なる役割を果たしているだけなのだ。
リーダーとしての役割に自信を持つためには、「コミュニケーションを絶やさないこと」が不可欠だ。コミュニケーションは「質」「量」の両面から充実させる必要がある。
まず「量」において重要なのは、日常の雑談や情報共有である。特に情報共有が大切で、メンバーそれぞれが何に取り組み、何に課題を感じているのかを互いに把握したい。具体的には定期的なミーティングを設け、「うまくいったこと」や「気になっていること」を一人ひとりが共有する。これにより話しやすい空気が生まれ、問題の早期発見や対処が可能となるだろう。
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