決定版 強いチームをつくる! リーダーの心得
決定版 強いチームをつくる! リーダーの心得
決定版 強いチームをつくる! リーダーの心得
出版社
明日香出版社

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出版日
2025年02月20日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

優れたリーダーは何が違うのか。そこに共通するセオリーはあるのか。

この問いに正面から取り組んで一冊にまとめたのが『強いチームをつくる! リーダーの心得』である。2014年の初版から「リーダー本のテッパン書」として多くの読者に支持されてきたが、今回10年の時を経て、「決定版」としてリニューアルされた。

昨今、管理職になりたがらない若手が増えているという。その理由の1つは「自分は向いていない」という思い込みだ。この“リーダーの向き不向き問題”は今に始まったことではなく、著者もかつては「自分にはリーダーの資質がない(だからやりたくない)」と思っていた。それでも25歳で営業リーダーに抜擢されてから、試行錯誤を重ねてリーダーシップに取り組み、いまでは企業向けにリーダー研修を行うまでになっている。著者が強調するのは、「リーダーに向いているかどうかは関係ない」という一点だ。

そもそもリーダーシップに「絶対の正解」はなく、無口でおとなしく、人を引っ張るタイプでなくてもリーダーは務まる。重要なのは資質ではなく、セオリーを学んで実践すること。そうすれば誰でも優れたリーダーになれるのである。

今まさに管理職の打診を受けて悩んでいる人や、「向いていない」を理由に挑戦を迷っている人は、ぜひ本書を手に取ってほしい。著者自身が実践してきた「こうすればできる」というノウハウを知れば、希望の光が見えるはずだ。管理職は企業の要。ぜひチャンスを掴んでほしい。

ライター画像
矢羽野晶子

著者

伊庭正康(いば まさやす)
(株)らしさラボ 代表取締役
リクルートグループ入社後、法人営業職として従事。プレイヤー部門とマネージャー部門の両部門で年間全国トップ表彰4回を受賞。累計40回以上の社内表彰を受け、営業部長、社内ベンチャーの代表取締役を歴任。
2011年、研修会社(株)らしさラボを設立。リーディングカンパニーを中心に年間200回を超えるセッション(リーダー研修、営業研修、コーチング、講演)を行っている。実践的なプログラムが好評で、リピート率は9割を超え、その活動は「日本経済新聞」「日経ビジネス」「The21」など多数のメディアで紹介されている。Webラーニング「Udemy」でも、時間管理、リーダーシップ、営業スキルなどの講座を提供し、ベストセラーコンテンツとなっている。


『できるリーダーは、「これ」しかやらない』『できる営業は、「これ」しかやらない』(以上、PHP研究所)、『「すぐやる人」のビジネス手帳術』(ナツメ社)、『仕事の速い人が絶対やらない段取りの仕方』(日本実業出版社)、『最速で仕事が終わる人の時短のワザ』(明日香出版社)など、著書は累計40冊以上。

無料メールセミナー(メルマガ):「らしさラボ無料メールセミナー」
YouTube:「研修トレーナー伊庭正康のスキルアップチャンネル」(登録者16万人超)
Voicy:「1日5分スキルUPラジオ」も放送。

本書の要点

  • 要点
    1
    リーダーとは「役割」であり、個人の資質とは関係ない。リーダーの役割に自信を持つためには、コミュニケーションを質・量ともに上げることがポイントとなる。
  • 要点
    2
    主語をあなた(YOU)から私たち(WE)に変えると、チームに一体感が生まれる。
  • 要点
    3
    新たな挑戦をする時は、PDCAではなく「無邪気な実験」サイクルを回すといい。
  • 要点
    4
    チームの成果を目指すなら、仕事を部下に任せよう。リーダーの役割はチームの「本気度の総量」を上げることだ。

要約

リーダーに「資質」はいらない

リーダーに「武勇伝」はいらない

リーダーに抜擢された人であれば、1つや2つの輝かしい実績を持っているはずだ。だからこそ注意すべき点がある。部下は、あなたの過去の実績には興味がないということだ。

たとえば、サッカー日本代表の森保一監督について、「現役時代はサンフレッチェ広島で活躍した」と聞いて、どう感じるだろうか。おそらく「どうでもいい」と思うのではないだろうか。

現役時代の実績は、ただの昔話にすぎない。部下が関心を持っているのは「自分の未来がどうなるのか」、そして「このチームで上司が何を成し遂げようとしているのか」という点である。

「部下を成長させたい」と語るリーダーもいるが、それは格好いいものではない。なぜなら、それはリーダーとして当然の役割にすぎないからだ。役割をあたかも使命のように語ると、周囲からは冷めた目で見られてしまう。

重要なのは部下をどうしたいかではなく、自分自身がどうありたいか、何を成し遂げたいかという「未来予想図」を語ることだ。自分の挑戦に部下を巻き込むことで、結果として部下は成長していくのである。

リーダーを「役割」ととらえる
kokouu/gettyimages

リーダーとは「役割」である。「自分にはリーダーの資質がない」とプレッシャーを感じているなら、「役割」としてとらえてほしい。リーダーはメンバーと異なる役割を果たしているだけなのだ。

リーダーとしての役割に自信を持つためには、「コミュニケーションを絶やさないこと」が不可欠だ。コミュニケーションは「質」「量」の両面から充実させる必要がある。

まず「量」において重要なのは、日常の雑談や情報共有である。特に情報共有が大切で、メンバーそれぞれが何に取り組み、何に課題を感じているのかを互いに把握したい。具体的には定期的なミーティングを設け、「うまくいったこと」や「気になっていること」を一人ひとりが共有する。これにより話しやすい空気が生まれ、問題の早期発見や対処が可能となるだろう。

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要約公開日 2025.04.25
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