めんどうな人を サラリとかわし テキトーにつき合う 55の方法

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めんどうな人を サラリとかわし テキトーにつき合う 55の方法
出版社
総合法令出版

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出版日
2015年01月22日
評点
総合
4.0
明瞭性
4.0
革新性
4.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

この世にはめんどうな人がたくさんいる。あなたが休暇を申請すると、「こんな忙しい時期に休むの?」と嫌みを言うお局しかり、方針をコロコロ変える上司しかり。そんな相手をサラリと受け流す方法がつまった本書は、あなたの強い味方になってくれるに違いない。

筆者は、幼少時から家族が次々とあやしげな壺を買わされる様子を目の当たりにし、そうしたことへの怒りから消費者問題などを中心に扱う弁護士になったという。経歴からして、相当な数のめんどうな人と向かい合ってきたと推察される。その経験を活かして紹介している「めんどうな人」の類型化のうまさと切り返しの鮮やかさが、秀逸である。

特に、「はじめに」に書かれていることは印象深い。筆者がある殺人犯の弁護をしたとき、犯人を「なんと素直な人なのだろう」と感じたという。素直な相手への感情を行動に表したら、彼の場合は殺人になってしまったというのだ。もっと違う反応をして相手の真意を確認することで、別の選択肢が手に入ったのではなかったか。この殺人事件のような過激なケースでなくても、そうしたことは日常にあふれている。

まじめで素直な人ほど、めんどうな人にストレートな反応をして、ストレスを抱えてしまう。しかし、そんなめんどうな人をうまくやり過ごす方法を身につけさえすれば、ストレスは減り、よりよい未来に結びつく選択肢が見えてくるはずだ。

ライター画像
熊倉沙希子

著者

石井琢磨
神奈川県生まれ、弁護士。相模川法律事務所代表。幼少時から家族が次々と壺を買わされ、自身も絵画・会員権を買うよう個室で長時間取り囲まれるという、ダマされ環境で育つ。
弱者の生活を侵害する強者の存在に怒りを覚え、悪質業者と戦うために弁護士資格の取得を決意し、偏差値35から中央大学法学部に合格。1日平均12時間以上の勉強を続け、在学中に司法試験一発合格。2001年に弁護士になるも、勤務先事務所が悪質業者からの相談を受けたことに疑問を抱き、独立する。日本全国で被害が発生した消費者事件の弁護団に複数加入。悪質商法・詐欺などの被害者を中心に、助けを求める弱者の事件を断らずに受任し、独立1年目から平均的弁護士の4倍である180以上の事件に関わる。現在も、消費者問題、借金問題、交通事故などを中心に、弱者側に立ち続けた弁護活動を続けている。著書に、『プロ弁護士の「心理戦」で人を動かす35の方法』(すばる舎)がある。

相模川法律事務所
http://www.sagamigawar.com/
相模川の弁護士の気軽に読めるブログ
http://sagamigawa.blog73.fc2.com/

本書の要点

  • 要点
    1
    即決を求めたり、脅してきたりする相手のペースに乗ってはいけない。必要な時間をとり、相手の発言を冷静に確かめてから、きちんと判断しよう。
  • 要点
    2
    慣習や固定観念をベースにしてものを言ってくる相手には、同じ土俵に上って返答をする必要はない。自分はそもそもそうした考え方を持っていないことをはっきり伝えよう。
  • 要点
    3
    相手とトラブルに陥らないよう、共通理解を持てていないと疑われるところはすべて明らかにし、あいまいな表現でなく具体的な言葉を引き出すことが大切だ。

要約

めんどうな人から自分を守る

即決を求められたとき

「この仕事、やるかどうか今決めろ」と上司に言われたとき。「この場で決めてください」と取引先に言われたとき。

ここであなたが気をつけることはわずか4文字に凝縮される。「あ・せ・る・な」だ。あせった状態で決断をして信用をなくすのは最悪で、そうした決断の価値は低い。

「今決めろ」と言われても、若干の考える時間はあるはずだ。だからたとえば、「9秒ください」と言って落ち着いてから判断する。

ほんの一瞬だけ、チャンスが訪れるということも確かにある。短い時間での決断に委縮してチャンスを逃してしまうということもあるので、落ち着いた上で、積極的に判断しよう。

脅されたとき
LittleBee80/iStock/Thinkstock

働いていると、上司や取引先、顧客から、それって脅しだろう……と感じる発言をされることがある。たとえば、「この仕事、やらないとクビだぞ」など。

ここで動揺しては負けだ。こんなときに効くのは、冷静に「この仕事やらないとクビだって、言いました?」と切り返し、相手の失言を「見える化」することだ。

「示談交渉」という、加害者を弁護するために被害者と賠償の交渉をするとき、たいてい被害者は感情的になっており、加害者に対して感情的に「もう、死んでほしい」と発言することさえあるという。そこで、筆者はそのまま「死んでほしい」とメモをとることにしている。改めてそのように見せつけられると、相手はあわてて、感情的な発言を控えるようになるそうだ。

責任をなすりつけられそうなとき

あなたのチームが仕事で失敗し、ミスをした先輩が、「何だよ、オレの責任だって言いたいのか?」と逆ギレしてきた。そのときは冷静に、「それを最後に決めるのは社長ですから。」というふうに、最終的な判断者は別人であることを指摘しておこう。「そうは言っていませんが……」と否定するのは、誤解を招きかねず、危険だ。

こうした場合、相手は、「善・悪」「敵・味方」がはっきりしたものと考える二分論的な考え方にはまっている。責任論につき合うと、つまり自分の味方かそうでないのかという議論につき合わされることになる。それは避けて、誰が責任をとるかは、別の場で決めるものだというふうにスルーするのがよい。

めんどうな人を疑う

上司の意見がコロコロ変わるとき
DAJ/Thinkstock

テレビや雑誌などで紹介される「上司への不満ランキング」でいつも上位にくいこむのが、「上司の意見がコロコロ変わる」という不満だ。

人は一貫しているものを好む。コロコロ意見が変わる人は、あまり信用されない。

ただ、上司の意見が変わるケースには、①本当にその上司のせい、②違う原因がある、という二種類があることを知っておきたい。①で、いつも上司が一貫性を保てない場合、「前はこういう指示でしたよね」と指摘したり、後日指示が変わる可能性を考慮して仕事をしたりするほうが無難だろう。

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要約公開日 2015.03.31
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