直感を信じる力

人生のレールは自分で描こう
未読
直感を信じる力
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人生のレールは自分で描こう
未読
直感を信じる力
出版社
出版日
2014年11月15日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

若きビジネスリーダーとして注目をされてきた著者の日常が、エッセイ風に書き綴られている。時代の最前線を駆け抜ける、ビジネスパーソンとしての生き方や考え方が、そこから伝わってくる。

著者は外資系コンサルティング会社へ入社した後に、何度かの転職を経て、副社長としてライフネット生命保険を立ち上げた。現在は同社で社長を務めている。

今までの職場で出会った尊敬する上司たちや起業のパートナーから学んだこと、ダボス会議に「ヤング・グローバル・リーダーズ」の一人として出席し得られたこと、リーダーとしてのあり方を模索してきたことなど、著者をかたちづくってきたさまざまな出来事が語られる。また、若い頃からの趣味であるジャズと文楽の魅力について述べられている部分や、SNSやウェブに対する意見などからは、私人としての姿が多く垣間見えて興味深い。

著者は、母校の中学校で講演をし、将来について迷う生徒たちに、「さまざまな選択をしてきて、自分自身の直感こそが正しいという自信を持つようになった」と伝える。本当に進むべき道は、己のみぞ知る。直感を信じる力という言葉通り、人生のレールは自分で描き、失敗も恐れない前向きのパワーの源がこの本の中に溢れている。是非本書を読んで、感じ取っていただきたい。

著者

岩瀬大輔
ライフネット生命保険株式会社代表取締役社長兼COO。1976年埼玉県生まれ、幼少期を英国で過ごす。1998年東京大学法学部を卒業後、ボストンコンサルティンググループ等を経て、ハーバード大学経営大学院に留学。2006年副社長としてライフネット生命保険を立ち上げる。2013年6月より現職。ダボス会議を主宰する世界経済フォーラムの「ヤング・グローバル・リーダーズ2010」選出。株式会社ベネッセホールディングス社外取締役、NHK国際放送番組審議会委員を務める。著書に、『ハーバードMBA留学記~資本主義の士官学校にて~』(日経BP社)、『生命保険のカラクリ』『がん保険のカラクリ』(文春新書)、『ネットで生保を売ろう!』(文藝春秋)、『入社1年目の教科書』(ダイヤモンド社)など多数。

本書の要点

  • 要点
    1
    若いうちは、仕事には思いっきり取り組む。自分の能力を発揮できる仕事とそうでない仕事を判断し、場合によっては適切な人の力を上手く借りるべきである。
  • 要点
    2
    いかなる場面においても「すぐにする」「早くする」ことを心がける。そうすることで、仕事の効率と自分自身の印象がアップする。
  • 要点
    3
    著者の、生きていく上でのプリンシプルとなっているのは、誰にも真似できない人生、自分だけの人生を送ること。自分の直感こそが正しいと信じ、失敗を恐れずに行動する。

要約

ビジネスパーソンとしての始まり

思い切り仕事をすること、周囲の力を上手く借りる力を持つこと

大卒後、外資系コンサルタント会社に入社。同期は3人、平均在職期間は約2年という、特殊な職場環境であった。経験が少ない若手としてはとにかく動くしかないと考え、がむしゃらに仕事をした。こうして、思いっきり仕事をすることは、ビジネスパーソンの足腰をつくる。能力の限界までストレッチをしてみることが、その後の成長につながるのではないか、と著者は語る。

とはいえ、ストレスを感じることもあった。しかし、仕事には自分の能力でできるものと、できないもの、二通りしかないとわかってから楽になった。できない仕事は早く判断して、人の力を借りること。早めに相談するのが、仕事スタイルの特徴だったという。

広がる世界

趣味から広がる人脈
Radist/iStock/Thinkstock

幼少期を過ごした英国では、サッカーやチェスに夢中になり、とくにチェスは全国大会に出場するほどののめりこみようだったという。

その頃から続けていたピアノは、後年、ジャズにめぐり合うことで練習に火がついた。

帰国子女であるからこそ、より自国の伝統芸能にある美しさに惹かれ、大学のころからは文楽鑑賞に劇場に通うようになった。

こうした趣味は、幅広い世界で活躍する人との交流を可能にしているようだ。友人の紹介で知り合った、オペラ演出家の伊香修吾氏と話がはずむきっかけになったのは、伝統芸能についての話題だったという。文楽とジャズを通じて、作家の平野啓一郎氏とも親しくなった。文楽界のサラブレッド、豊竹咲甫大夫氏とも親交を深めている。

ダボス会議で自論を熱弁
Fedor Selivanov/Hemera/Thinkstock

世界の政治指導者や企業経営者、知識人が集まる世界経済フォーラム(WEF)の年次総会である、「ダボス会議」。参加者が大企業のトップばかりでは若手の意見や視点が反映されないことを懸念し、WEFは若手経営者などを対象とした「ヤング・グローバル・リーダーズ」(YGL)というグループを組織している。著者はそのメンバーに選出され、2011年からダボス会議に参加しているという。

初めてダボス会議に参加した2011年、保険業界トップ向けのランチョンセッションがあった。参加者は欧米を代表する大手保険会社の会長や社長のみ。その中に、出来たばかりの日本のネット生保会社の若い副社長が座ることとなった。

しかし、ダボス会議では、企業の大きさに関係なくその人の考え方や人となりが判断材料となる。著者はひるまず、30分も経つと積極的に発言するに至った。保険業界が銀行業界と比べて格下の扱いを受けていることが議論のテーマとなっていたのだが、保険業界がまだまだ新しいビジネスイノベーションの可能性を秘めた、エキサイティングな業界であることを熱弁した。前向きな意見に拍手が起こり、各国の経営者と個別の交流を持つことができたという。

2013年の参加では、初めて講演者として登壇し、ビル・ゲイツ氏と少人数のグループで食事をする機会にも恵まれた。ダボス会議を通して一流経済人と知的にふれあうことができ、まさにプライスレスな経験ができたという。

実務において重要なこと

すぐにする、をモットーに
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serggn/iStock/Thinkstock

著者は、あるとき、先輩の経営するコンサルティング会社の若手社員に訪問を受ける。

彼らは著書にすでに書いてあることを質問し、その様子には何かを得ようという意欲や気迫が感じられず、残念に思ったという。

人と会う時間を互いのために有効に使うにはどうしたらよいか。

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要約公開日 2015.03.03
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