グロービス流ビジネス勉強力

27歳からのMBA
未読
グロービス流ビジネス勉強力
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27歳からのMBA
未読
グロービス流ビジネス勉強力
出版社
東洋経済新報社
出版日
2015年05月03日
評点
総合
4.2
明瞭性
4.5
革新性
3.5
応用性
4.5
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おすすめポイント

「仕事をしているから勉強する時間がないのではなく、勉強していないから仕事の時間が長くなる」。この言葉にドキリとした人はいないだろうか?

本書は、正解のない世界で仮説検証を繰り返し、課題解決をし続けなければならないビジネスパーソンに対して、実生活そのものを、「継続学習のプロセス」に組み込むための技術を紹介した一冊だ。具体的には、①キャリアの方向性や学ぶ分野を決める、②インプットする、③次のために振り返る、④アウトプットする、⑤フィードバックを受ける という流れである。多数のビジネスリーダーを輩出するグロービスにて、累計8万人のビジネスパーソンと接してきた著者たちが、「成果を上げている人の共通点」から抽出したコツだからこそ、その効果は抜群だ。

「振り返りは大切だ」とよく言われるが、振り返りの効果を高めるための「具体的な手順やポイント」を体系的に紹介している本は数少ない。また、「よいフィードバックの伝え方」は他の本でも多く語られているものの、「よいフィードバックの受け方、活かし方」が詳しく紹介される機会は限られている。こうした類書にはあまり存在しない一方で、重要なテーマである点も、本書ならではの魅力だといえる。本書を読み、一生モノの学習サイクルを回す技術を手に入れて、実りある人生を送るための一助にしてほしい。

ライター画像
松尾美里

著者

グロービス経営大学院
社会に創造と変革をもたらすビジネスリーダーを育成するとともに、グロービスの各活動を通じて蓄積した知見に基づいた、実践的な経営ノウハウの研究・開発・発信を行っている。

田久保 善彦
株式会社三菱総合研究所を経て、現在、グロービス経営大学院 経営研究科 研究科長。慶應義塾大学理工学部卒業、同大学院理工学研究科修了。スイスIMD PEDコース修了。経済同友会幹事、経済同友会教育改革委員会副委員長(2013年度)、ベンチャー企業社外取締役、顧問、NPO法人の理事等も務める。著書に『ビジネス数字力を鍛える』『社内を動かす力』(ダイヤモンド社)、共著に『志を育てる』『グロービス流 キャリアをつくる技術と戦略』『27歳からのMBA グロービス流ビジネス基礎力10』(東洋経済新報社)、『日本型「無私」の経営力』(光文社)、『東北発10人の新リーダー 復興にかける志』(河北新報出版センター)等。

荒木 博行
グロービス経営大学院 経営研究科 副研究科長。慶應義塾大学法学部卒業、スイスIMD BOTコース修了。住友商事株式会社を経て、グロービスに加わり、法人向けコンサルティング業務に従事。現在は、オンラインMBAにおけるマネジメント業務等を行う傍ら、戦略系、および思考系科目の教鞭を執る。著書に『ストーリーで学ぶ戦略思考入門――仕事にすぐ活かせる10のフレームワーク』(ダイヤモンド社)、共著に『27歳からのMBA グロービス流ビジネス基礎力10』(東洋経済新報社)。

村尾 佳子
グロービス経営大学院 経営研究科 副研究科長。関西学院大学社会学部卒業、大阪市立大学大学院創造都市研究科都市政策修士。グロービス・オリジナル・MBAプログラム(GDBA)修了。大手旅行会社、総合人材サービス会社を経て、現在グロービスにて事業戦略、マーケティング戦略立案全般、そして大阪校、名古屋校のマネジメントに携わる傍ら、マーケティングや志領域の教鞭を執る。また社外取締役や理事として関与しながら、ベンチャー企業、NPOの育成にも携わる。共著に『志を育てる』『グロービス流 キャリアをつくる技術と戦略』『27歳からのMBA グロービス流ビジネス基礎力10』(東洋経済新報社)、『東北発10人の新リーダー 復興にかける志』(河北新報出版センター)。

本書の要点

  • 要点
    1
    成果を上げているビジネスパーソンの多くは、①キャリアを考え、何を学ぶのかを決める、②インプットする、③次のために振り返る、④アウトプットする、⑤フィードバックを受ける という「学習サイクル」を上手く回している。
  • 要点
    2
    振り返りはインプットした内容を良質の学びに昇華させるうえで不可欠だ。振り返りを習慣化させるには、振り返りの時間を計画的に押さえるとよい。
  • 要点
    3
    質の高いフィードバックを受けるためには、アウトプットのレベルをギリギリまで高めておくことが大切である。自ら積極的にフィードバックの機会を作るようにしよう。

要約

学びのサイクルの全体像

キャリアを考え、何を学ぶのかを決める
Creatas Images/Creatas/Thinkstock

着実に成果を上げるビジネスパーソンの多くは、「学びのサイクル」を当たり前のように回せている。学びのサイクルとは、次の5つからなる。①キャリアを考え、何を学ぶのかを決める、②インプットする、③次のために振り返る、④アウトプットする、⑤フィードバックを受ける。このサイクルを意識的に回し、再現性を持たせることが非常に大切である。この5つを各章で具体的に紹介していきたい。

まず、①の段階では、積極的な キャリア構築を図るために、「自分がどういうキャリアを歩みたいのか」を明確にし、それに必要な能力開発を計画的に行っていくことが欠かせない。そうすれば、効率的に自分が歩みたいキャリアに近づきやすい。何を学ぶべきかを規定するためには、「なりたい自分」と「今の自分」のギャップを明確にする必要がある。

また、社会からの 要請によって、身につけるべき能力も変化していっている。激変する現在においては、自ら新しい問題を発見・定義し、創造や変革を推進する能力が求められている。「何のために学ぶのか」という目的意識が明確ならば、モチベーションも維持できるはずだ。

インプットする

本からインプットする
miya227/iStock/Thinkstock

学ぶテーマ と期間を決めたら、基本事項 が整理された「教科書的な本」を最低10冊読むことを強くお勧めする。この程度の分量を読めば、自分の中に考える軸を持ち、そのテーマについて議論することが可能になる。「読書を通じた 学び」を増やすには、「読書量」、「良書比率」、「1冊あたりのインプット量」の3つをそれぞれ高めることが重要である。具体的な方法をいくつか紹介しよう。

・本によってかけるべき時間にメリハリをつける

「学びの多さ」と「必要性の多さ」という判断軸で、読書に費やす時間を見極めるとよい。「学びが少なく、今必要でないもの」は早めに見切りをつけること。「必要性が高いが学びが少ないもの」は「拾い読み」を行い、「学びが多いが、今必要性が少ないもの」は、本当に必要になったタイミングで、その本に立ち返れるよう要点を押さえておくとよい。最後に、「今必要であり、かつ学びの多いもの」については、速読は過度に意識せず、内容の定着率を高めることを意識して読むことをお勧めする。

・「本の構造」を意識しながら読む

ビジネス書を読む場合は、テーマ(著者が本を通じて明らかにしたい問い)、メッセージ(その問いに対する答え)、構成(その答えを支えるいくつかの論拠)の3点を読む前に押さえておけば、読書時間を短縮することができる。そのためにはまず、「はじめに」と「おわりに」そして「目次」に目を通すとよい。

・新聞の書評欄などを参考にする

新聞の書評欄では、業界の著名人や研究者が本を紹介しており、はずれが少ない。また、良書をサマリーした雑誌、本やブログなどに目を通しておくのも効果的だ。

本以外からインプットする

新聞や雑誌、インターネット、テレビなどの媒体から「どう学ぶか」についての原則をいくつか紹介しよう。

・新聞や雑誌では「知らないこと、関係ないこと」に着目する

インターネット上では、興味があることや同調意見ばかりに目が行きやすい。一方、新聞や雑誌では、雑多な情報や意見がまとめて目に入ってきやすいため、この特性を踏まえて、普段興味や関係がない記事を深く読んでみるとよいだろう。

・インターネットでは「双方向性」を活かす

インターネットでインプットする際には、その内容を踏まえて発信や問いかけをすることができ、それに対するリアクションを通じて、学びを深めることができる。

【必読ポイント!】 次のために振り返る

振り返りの重要性

さまざまな 情報や経験のインプットを、良質の学びに昇華していくために不可欠なのが、「振り返り」である。

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要約公開日 2015.06.09
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