「好きなこと」を仕事にして生きていくためには、次の3つのステップを踏んで自分と向き合う時間を作るべきである。そうでないと、いつまでたっても「本当に好きなこと」にたどりつけない可能性がある。
①自分の幸せを改めて定義すること
自分の幸せとは何なのか、自分が幸せを感じる瞬間はいつなのかを、シンプルに定義する。
②納得がいくまで「好きなこと」を探すこと
ここにはある程度時間をかける必要がある。強い信念を持ってその後努力し続けるためにも、中途半端な気持ちでなく、本当に好きだと思えることを見つけたほうがよい。
③「お金」より「好きなこと」を優先すること
給与や福利厚生などの条件重視で職場選びをしてはならない。一時的な生活レベルの低下や、肉体的に苦労するケースもあるが、「好きなこと」に対して真摯に努力をし続けていれば誰でも成功できるはずだ。
著者が新卒のころ就職活動をしたのは、一度大きな会社で社会人経験を積んだ方がよいのではないかと考えたからだ。しかし、面接で夢を聞かれた際に、反射的に「好きなことで起業することです」と答えていた。そこで著者は、自分自身の言葉によって初めて夢がハッキリしたという。
仕事内容よりも会社のステイタスや収入で仕事を決める人も多いだろうが、周囲の雰囲気に流されるず、「好き」を軸にした自分の道を探して欲しい。そしてそれは早ければ早いほどいい。若いほうが体力的にも、精神的にもムリがきくからだ。
著者は学生時代、ある社長に気に入られて事業に関わることになり、月収100万円以上ものお金を手にしていた時期があった。学生には十分すぎるほどのお金を持っていたが、「仕事をしていて楽しい」という感覚はまったくなかったという。その経験から、「お金だけ稼いでも幸せにはなれない」「お金は満ち足りた人生の絶対条件じゃない」ことを思い知らされた。
また、あるとき、知人を介して、モナコに住む日本人で一番の大金持ちの男性と知り合う機会があった。彼はワンクリックで何億ものお金を動かすほどの富豪で、何もかも手に入れているように見えたが、ある日、彼は著者に言った。「私は不幸だ」と。自分に寄ってくる人は自分ではなく巨万の富を見ているように思えて仕方がなく、誰と一緒にいても孤独に感じられるからだという。この悲しい言葉は、「お金は幸せの絶対条件ではない」という著者の考えをより強固なものにした。
著者は、人生で一番楽しいのは、夢に向かって頑張っている瞬間だと考える。お楽しみはお金を稼いだあとで、という考えは捨てて、今すぐ楽しい人生を送る方法を考えるべきだ。
好きなことをして楽しく生きようといっても、何をしたらいいのか考え込んでしまう人もいるかもしれない。でも、好き嫌いは人間にとって本能的なものであり、突き詰めれば必ず存在する。
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