会計知識がなくてもインターネットで利用できるクラウド型会計ソフトを提供するfreee。自営業者や中小企業の煩雑な会計業務の手間を省くため、金融機関とのデータ連携機能や入力補助機能など、日々改善を続けている。会計ソフト「freee」の特徴は、クラウドである点、簿記や経理の知識がなくても使える点、そして銀行やクレジットカードの明細を自動的に取り込み、手間を省ける点の3つである。現在、利用者は無料・有料合わせて30万の事業所に及ぶ。
代表取締役の佐々木大輔氏が起業したきっかけは、リコメンドエンジンを手掛けるアルベルトでCFOをしていたときに、経理業務の煩雑さを目の当たりにしたことだ。また、米グーグルの日本法人に転職後、いかに中小企業にテクノロジーが浸透していないかに気づき、中小企業を舞台としたイノベーションを起こすと決意した。会計業務に中途半端に門外漢だったことが、その不便さに気づくアドバンテージだったという。今後は、会計ソフトという枠を超えて、業務全体をいかに簡単にできるかに注力しようとしている。
freeeには営業部隊はない。営業コストがサービス料金に反映されると、佐々木氏の理想とする中小企業のテクノロジー化とかけ離れてしまうからだ。このポリシーには、グーグルでの「インターネット企業はオンラインで販売する」という学びによるものだ。freeeが目指すのは、最初に飛びつくアーリーアダプターを徹底的に魅了することである。だからこそ、最初にfreeeを支持してくれたユーザーに対し、改善を続け、今後は規模の大きい企業の課題解決へのシフトを目指している。
クラウド型の法人向け名刺管理サービス「Sansan」と、個人向け名刺管理サービス「Eight」を開発・提供するSansan。名刺のスキャン情報と手入力を組み合わせ、ほぼ100%の精度で名刺をデータベース化する。社長の寺田親弘氏が名刺管理に着目した最初の理由は、彼自身の課題意識だった。名刺をインターネット上でデータベース化すれば、手軽に検索でき、社内で人脈を共有することもできる。
スキャナーで取り込んだ名刺のデータは、個人情報を特定できない形にし、複数のオペレータが手作業で入力することで、ほぼ100%の精度を実現している。文字認識精度が少しでも低ければ、理想の顧客価値を提供できないため、人力に至ったのは必然だったという。
Sansanのミッションは、ビジネスの出会いを資産に変え、働き方を革新することである。今後は、事業の世界展開の一歩として、北米向けにSansanのスマートフォン用アプリをフリーミアムのモデルで提供する。Eightのマネタイズをめざし、有料サービスも提供を開始するなど、寺田氏は意欲を見せる。
2012年の正式リリース以来、月間利用者数約55万人、約7000社の企業ユーザーを誇るビジネスSNS「Wantedly」。個人ユーザーはWantedly上で自分のビジョンや、スキル、他己紹介、人的ネットワークなど、立体的なプロフィールを作ってブランディングに役立てることができる。一方、企業ユーザーは個人にリーチできる機能を人材採用に活用する。特徴的なのは、企業と個人のマッチングにおいて、互いのビジョンが合致するかどうかを重視する点だ。企業の有料会員から月額利用料を受け取るビジネスモデルを採っており、利益も出している。
CEOの仲暁子氏は、「シゴトでココロオドル人をふやす」という理念を掲げる。
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