驚くほど眠りの質がよくなる 睡眠メソッド100

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驚くほど眠りの質がよくなる 睡眠メソッド100
出版社
かんき出版
出版日
2015年06月08日
評点
総合
4.0
明瞭性
4.5
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

目覚まし時計が鳴る。まだだいじょうぶかと思って目をつぶる。また目覚まし時計が鳴る。むむ、起きられない……。

こうした朝の寝覚めの悪さは、どうすれば治せるのか。本書によれば、脳に刺激を与えられるように耳を引っぱってみる、もしくは交感神経を働かせるために意識して息を吸う、などいろいろと試すべきメソッドはある。(ちなみにわたしには、「目が覚めたら目を閉じない」というやり方が非常によく効いた)また、寝起きが悪いのはひょっとしたら眠りが浅いせいかもしれない。質のよい睡眠のためには着るものや寝室を見直すのも大切だし、よく眠れるように日中よく活動をし、きちんと食事をとらねばならない。こうした、睡眠の習慣を改善するための環境や生活へのアドバイスも、本書にはたくさん盛り込まれている。

「1万人の悩みを解決した」快眠セラピストである著者は、睡眠をホリスティックにとらえ、悩みに対してさまざまな方面から解決法を提示する。そのどれもが簡単に試せるものばかりなので、気軽に暮らしの中に取り入れてみるとよいだろう。

著者によると、疲れをとるだけでなく、成長を促す睡眠こそが「快眠」だという。限界まで働いて、バッタリ倒れ込むような眠り方というのはじつは不健全なのだそうだ。身に覚えのあるビジネスパーソンの方々はぜひ、本書を読んで毎日の睡眠を見つめなおしてみてほしい。

ライター画像
熊倉沙希子

著者

三橋美穂
快眠セラピスト・睡眠環境プランナー。寝具メーカーの研究開発部長を経て2003年に独立。現在は、全国での講演や執筆、個人相談のほか、ベッドメーカーのコンサルティング、ホテルのコーディネイト、快眠グッズのプロデュースなど、企業の睡眠関連事業にも広く携わる。とくに枕は、1万人のフィッティングをしてきた経験から、その人の頭を触っただけでどんなタイプの枕が合うかわかるほど。
眠りを多角的にとらえたアドバイスには定評があり、睡眠のスペシャリストとしてテレビや雑誌など多方面で活躍中。NHK「おはよう日本」やフジテレビ系「バイキング」などにも出演するほか、数多くの女性誌で快眠メソッドを紹介。「誰でも手軽に快眠できる」と支持を集めている。
『快眠セラピー』(KKロングセラーズ)をはじめとする多数の著書に加え、監修・ナレーションを手がけたイメージ法のCDブック「快眠メディテーション」(デラ)も好評。豊かな眠りが世界中に満ちあふれることを願いながら、日々活動中。
http://sleepeace.com

本書の要点

  • 要点
    1
    すっきりした目覚めのためには、いかにして朝に活動モードに切り替えるかということが大切だ。ツボがたくさんある耳を引っぱって刺激を与える、朝食を起床1時間以内にとって胃腸を動かす、などの行動が効果的だ。
  • 要点
    2
    なかなか寝つけない人、眠りが浅い人は、休日に寝すぎないなど睡眠リズムの調整や、体に意識を向けて力をぬくなどリラックスに気を配るとよい。
  • 要点
    3
    睡眠には、ひらめきを生んだり学習効果を高めたりといった、人生に役立つ効果がたくさんある。マイナスをプラスに変えていく「快眠」を味方につけよう。

要約

「起きられない」をなくすコツ

朝起きられないとき
Lucija_Jovanovic/iStock/Thinkstock

なかなかベッドから出られないときは、耳を引っぱるとよいらしい。耳には100以上のツボがあり、耳たぶにあるツボは脳へ刺激を与えられる。左右の耳たぶを持って横へ引っぱることを繰り返せば、目が覚めてくる。また、耳全体を揉んだり揺らしたりすれば、血行もよくなり、体が活動モードに切り替わりやすくなる。

そして、二度寝の誘惑に負けそうなときは、目を閉じてはいけない。目を閉じるから寝てしまうのである。起き上がるのすらおっくうなときは、ただ目を開けることだけに集中し、一点をじっと見つめる。

目覚まし時計はベッドから遠くに置いておけば、アラームを止めにいく過程で運動をすることになるので、目覚めやすくなる。スマートフォンを目覚ましにすると、ブルーライトを目が感知し、脳の目覚めを促すのでおすすめだ。

二度寝の眠りは、浅い眠りだ。7時に起きるために6時半に目覚ましをセットしてスヌーズ機能を使うよりは、7時にセットしてスッキリ一発で起きたほうが疲れはとれる。

起きてからボーッとするとき
baibaz/iStock/Thinkstock

朝起きてからシャキッとしないときは、胸にたっぷり息を吸い込んでみよう。息を鼻から短く4回に分けて吸い、お腹に力を入れて口から強く吐き出す。交感神経と副交感神経を支配する自律神経系のなかで、唯一自分の意志でコントロールできるのが呼吸だ。息を吸うと交感神経が働くので、体を活動モードに切り替えることができる。

身支度は明るい外の光が入る場所で行うのが理想的である。エンジンがかかりにくい場合は、20分から30分、窓際で新聞を読んだり朝食をとったりするとよい。明るい光は、睡眠ホルモンのメラトニン分泌を止める働きがあるため、眠気をとばすことができる。

体内時計は全身の細胞に存在するが、その親時計、マスタークロックは脳の奥深くにある。頭は起きているのに体は寝ているというアンバランスな状態を避けるためには、朝食は起床後1時間以内にとるのがよい。胃腸をしっかり動かすことで、全身の体内時計を脳のマスタークロックにピタッと合わせることができる。

「寝つけない」をなくすコツ

夜眠気がやってこないとき

難しい本を読むと眠くなるという原理を生かして、枕元にそういう本を1冊用意しておくと、入眠に役立つ。難しい本を読むと、苦痛を取り除くためにβエンドルフィンという神経伝達物質が分泌される。これはいわゆるランナーズ・ハイ状態の時にも分泌されるホルモンで、鎮痛効果や気分の高揚、幸福感などが得られるため、寝つきやすくなるのだ。

日曜日の夜になかなか眠れないというケースの原因は、仕事が嫌だからでなく、朝寝坊が原因のことが多い。人間の体のしくみとして、起床後15~16時間後から睡眠ホルモンが分泌されはじめる。そして眠くなり、その1~2時間すると眠る。つまり、朝10時まで寝ていると、眠れるのは2~4時ごろということになってしまう。なるべく起床時間をふだんと同じにするか、月曜日の夜に早めに寝て、睡眠リズムを立て直すとよいだろう。

ストレスで眠れないとき
innovatedcaptures/iStock/Thinkstock

心がざわざわして眠れないとき、考えすぎで目が冴えてしまったときは、物理的に頭を冷やしてみよう。保冷剤などをハンカチに包んで、ひんやりと気持ちいいくらいの冷え加減に調整する。それをおでこか後頭部にあてると、脳の温度が下がって、代謝が減速され、寝つきが早まる。アメリカの研究報告によると、前頭部を冷やすことによって、不眠症の人が寝つくまでの時間は平均13分短縮されたという。

それでも思考の連鎖が止まらなくなってしまったときには、頭に「ん~」という音を意識して響かせてみよう。

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要約公開日 2015.09.01
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