なかなかベッドから出られないときは、耳を引っぱるとよいらしい。耳には100以上のツボがあり、耳たぶにあるツボは脳へ刺激を与えられる。左右の耳たぶを持って横へ引っぱることを繰り返せば、目が覚めてくる。また、耳全体を揉んだり揺らしたりすれば、血行もよくなり、体が活動モードに切り替わりやすくなる。
そして、二度寝の誘惑に負けそうなときは、目を閉じてはいけない。目を閉じるから寝てしまうのである。起き上がるのすらおっくうなときは、ただ目を開けることだけに集中し、一点をじっと見つめる。
目覚まし時計はベッドから遠くに置いておけば、アラームを止めにいく過程で運動をすることになるので、目覚めやすくなる。スマートフォンを目覚ましにすると、ブルーライトを目が感知し、脳の目覚めを促すのでおすすめだ。
二度寝の眠りは、浅い眠りだ。7時に起きるために6時半に目覚ましをセットしてスヌーズ機能を使うよりは、7時にセットしてスッキリ一発で起きたほうが疲れはとれる。
朝起きてからシャキッとしないときは、胸にたっぷり息を吸い込んでみよう。息を鼻から短く4回に分けて吸い、お腹に力を入れて口から強く吐き出す。交感神経と副交感神経を支配する自律神経系のなかで、唯一自分の意志でコントロールできるのが呼吸だ。息を吸うと交感神経が働くので、体を活動モードに切り替えることができる。
身支度は明るい外の光が入る場所で行うのが理想的である。エンジンがかかりにくい場合は、20分から30分、窓際で新聞を読んだり朝食をとったりするとよい。明るい光は、睡眠ホルモンのメラトニン分泌を止める働きがあるため、眠気をとばすことができる。
体内時計は全身の細胞に存在するが、その親時計、マスタークロックは脳の奥深くにある。頭は起きているのに体は寝ているというアンバランスな状態を避けるためには、朝食は起床後1時間以内にとるのがよい。胃腸をしっかり動かすことで、全身の体内時計を脳のマスタークロックにピタッと合わせることができる。
難しい本を読むと眠くなるという原理を生かして、枕元にそういう本を1冊用意しておくと、入眠に役立つ。難しい本を読むと、苦痛を取り除くためにβエンドルフィンという神経伝達物質が分泌される。これはいわゆるランナーズ・ハイ状態の時にも分泌されるホルモンで、鎮痛効果や気分の高揚、幸福感などが得られるため、寝つきやすくなるのだ。
日曜日の夜になかなか眠れないというケースの原因は、仕事が嫌だからでなく、朝寝坊が原因のことが多い。人間の体のしくみとして、起床後15~16時間後から睡眠ホルモンが分泌されはじめる。そして眠くなり、その1~2時間すると眠る。つまり、朝10時まで寝ていると、眠れるのは2~4時ごろということになってしまう。なるべく起床時間をふだんと同じにするか、月曜日の夜に早めに寝て、睡眠リズムを立て直すとよいだろう。
心がざわざわして眠れないとき、考えすぎで目が冴えてしまったときは、物理的に頭を冷やしてみよう。保冷剤などをハンカチに包んで、ひんやりと気持ちいいくらいの冷え加減に調整する。それをおでこか後頭部にあてると、脳の温度が下がって、代謝が減速され、寝つきが早まる。アメリカの研究報告によると、前頭部を冷やすことによって、不眠症の人が寝つくまでの時間は平均13分短縮されたという。
それでも思考の連鎖が止まらなくなってしまったときには、頭に「ん~」という音を意識して響かせてみよう。
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