自分の言葉で話すからこそ、色気が漂う。仕事の話であれ、遊びの話であれ、自分で考え出した言葉には思いが宿り、表情やしぐさが変わるため、相手の心に言葉が届きやすく、それがセクシーに映るのだ。マニュアルトークや使い古された営業トークをやめて、経験を通じて得た達成感や自信を込めて話すようにするだけで、色気は数段パワーアップするはずだ。
口下手であっても問題はない。むしろ、女性はあまり口数の多くない男性に萌える生き物だ。色気のある男は、言葉数は少なくても、目の動きやうなずき、体の角度などから「真剣に聞いている」ことを相手に伝える。重要なのは、言葉を発さないことで生まれる会話の空白、つまり「間」である。女性は、この沈黙を言葉で埋めようとして饒舌になる。そして、自分の会話に酔って心地良さを感じ、相手の男性に好感を抱くのだ。
色気男は話を聞いているように見せかけて、実は聞いていない。この不誠実な癖が女性を魅了する。女性の話が長いと思ったら、話題を変えるのも、上の空になるのも手だ。「聞いてくれない切なさ」を植え付けられた女性は、「彼に聞いてほしい」という一心であらゆる努力をし、その結果、彼に入れ込む。「聞いているフリ」の達人になることが色気男の必須条件である。
会話の大事な局面では、色気男は、はっきりと明確に話す。「好きになったみたい」、「今日は一晩中語り合いたい」。こうした言葉を、落ち着いて力強く、低いトーンの声で口にするのだ。女性はリードされたい願望があるため、断定的な言動に「オスの色気」を感じる。衝突や反論を恐れずに、腰の入ったパンチを打ち込める強さが色気男には欠かせない。
きちんと言うべき人に対し、面と向かって毒を吐くのは、色気ある男の証である。例えば、その場が凍るような自慢話をした相手には、「今の話題が寒すぎて、死ぬかと思ったよ(笑)」と一刺しする。愛嬌のある笑顔で毒を吐くので、相手を不快にさせるどころか、爽やかな笑いすら生まれる。愛ある毒舌をマスターすれば、色気男の仲間入りだ。
色気のある男は、自分なりの笑いのツボを持っていて、とにかくよく笑う。一方で、「エセ色気男」は、人より優位に立ち、知性を振りまこうとする。そのため笑顔が断然少なく、自分が笑われる隙をつくらない。
一見、渋い男が屈託なく笑い転げるというギャップにこそ、女心を揺さぶる色気が含まれているのである。著者が知る「大人の色気男」は皆、顔に笑いジワが刻まれている。
純粋さと大人げなさも、色気を研ぎ澄ますのに大切だ。色気男たちは、「こうすべき」という常識にとらわれないので、仕事の疲れをひきずっていても、あえて夜の街に繰り出し、最高のリフレッシュと、異性とのつながりを得るのである。
色気のある男は女性に、「どうしようもない人」という印象を抱かせる。愛と憎しみが混在するような「憎めない呆れ感情」を覚えた女性は、その男性に少し会わないだけで禁断症状を起こすのだ。男性は「かわいい、ろくでなし」を目指せばいい。少々酔ったときに女性を褒めて、その気にさせておきつつも、相手からメールがきても放置する。そして、気が向いたら突然デートに誘ってみよう。何事もなかったかのように、無邪気に話すことがポイントだ。
色気男はときに非情である。しつこい女や縛る女、嘘をつく女をバッサリと切る。
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