世界中には先祖代々の資産家もいれば、ゼロから財を成した人たちもいる。後者の人たちに共通しているのは、今までなかったビジネスを生む出す知恵、有望な市場を見つけ出し買い時と売り時を見極める知恵だ。
著者が指摘する知恵とは「知識」と「ノウハウ」からなるもので、「知識」は「歴史」であり、「ノウハウ」は「先見性」である。「歴史は繰り返す」という言葉が延々と語り継がれてきたように、歴史を振り返って酷似した局面にフォーカスすれば、目の前で起こっていることの結末を予見できる。成功者が的確に未来を予測できたのは、しっかりと「歴史」を学んでいたからだ。
景気や相場変動の歴史においては、3年、7年、20年、60年といったサイクルが重要な意味を持っている。多くのケースでは一定のサイクルを描きながら、過去と同じような動きを繰り返している。
人びとは「リスクオフ(リスクを避ける)」のモードでは安全性を切望し、「リスクオン(リスクを積極性にとる)」の流れに変わると利殖性を追いかけるようになる。先行き不安な状況下では、リスクをとってまで利殖性を求める気にはなれないが、先行きが明るくなると逆になる。歴史を振り返るとどの時代が「リスクオン・オフ」だったかを推察することができ、同じようなお金の動きをしていることがわかる。
歴史の中でもとくに注視しておくべき局面は、新たなる富を築いた人たちが出てきた時代である。そしてもう一つ、ときにバブルの崩壊や、株価大暴落などのショックが起きるが、ショックの規模が大きければ大きい程、必ずビッグチャンスが訪れている。
現在の世の中はモノ作りからソフトウェアの時代へ変遷しており、iPhoneなどが代表するような「知価社会」となっている。時代が求めている新たな価値観を知り、そして関連する企業にお金を投じれば、大きな収益をあげられる。
最も大きな成果を得ている投資家は、イノベーションを起こす企業の株を買っている。多くの人たちがそれをイノベーションだと気づかない時点で資金を投じるのは簡単なことではないが、
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