日本企業の海外進出に対する本気度は高まる一方である。明確な数値目標を掲げて海外売上比率を高めようとする企業が目立っている。
グローバル化(地球化)は、ダイバーシティ(多様性)・インターディペンデンス(相互依存性)・コンプレクシティ(複雑性)の3つに収れんする。多様性の増大とともに、金融や情報、世界の標準語としての英語など、共通化の動きも強まっている。
そんななか、文化や習慣を越えて、部下、顧客、取引先などの多様なオーディエンスを引き込むには、グローバルリーダーはシンプルで洗練されたメッセージを伝える必要がある。リーダーは、コミュニケーションスタイルの引き出しやチャネルを複数持ち、場面に応じて最適なスタイルを選ばなくてはならない。
今後は、文化やビジネスへの考え方が異なる人の言動に対し、判断を保留し、その背景を考える「寛容さ」がますます求められるだろう。
組織やチームが地球規模に広がっていくと、上司が部下を思い通りに動かそうと事細かに指示を出す、マイクロマネジメントには限界がある。マイクロマネジメントでは、予想外の失敗が起こりにくい半面、思いがけない喜びを感じる場面も少なくなってしまう。
誰も答えを知らない不確実性の中で、意味ある解を見つけ出していくには、メンバーとの相互理解をベースにした「対話」を重視すべきである。多様な文化的背景を持つメンバーと会議をする場面が増えている今、ファシリテーションやコーチングのスキルを磨くことも必要になるはずだ。
リクルートワークス研究所所長の大久保幸夫は、日本企業における「タレント(才能)を育てる仕組み」の脆弱性に警鐘を鳴らしている。
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