90日間で世界のどこでも働ける人になる

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著者
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90日間で世界のどこでも働ける人になる
著者
出版社
総合法令出版
出版日
2015年09月05日
評点
総合
3.5
明瞭性
4.0
革新性
3.0
応用性
3.5
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おすすめポイント

「世界に通用する人」と聞くと、英語が流暢な人のことを指すと考えがちだ。もちろんそれも大切なことなのだが、他にも身につけておかなくてはならないことを教えてくれるのが本書である。

著者は、グローバルビジネスを始めて約30年、アメリカ、ヨーロッパ、アジア、インド、アラブ諸国など多くの国々で、企業の海外進出をサポートし続けている。その経験から、「井の中の蛙」になってしまいがちな日本人が、世界に通用するために会得しておくべきさまざまなことを指南してくれる。

日本人は肩書や所属先で他人を判断する傾向があるが、海外では違う。海外では「何をやっているのか」で相手を判断するため、「自分は何ができるのか」「そのうえで何がしたいのか」を自分で考え、具体的に動いていかねばならない。

YESかNOかをすぐ知りたがる外国人にとって、打ち合わせの場で「社に持ち帰って判断したい」という言葉も好まれない。彼らは「私はこう思うが、上司の決裁が必要なので、3日後までに回答したい」といった具体的な返答を求めている。もし海外でビジネスをする機会があったら、事前準備として、曖昧な表現を避け、具体的な受け答えができるよう訓練するのがよいだろう。

グローバルビジネスにおいては多様な社会の中で生き抜く力が必要であるが、本書からはそのために役立つマインド、スキル、教養、マナー等の幅広い知識やノウハウが得られる。世界を視野に活躍したいと願うビジネスパーソンであれば、本書により一歩を踏み出す勇気をもらえるはずだ。

ライター画像
下良果林

著者

白藤 香(しらふじ かおり)
SPC CONSULTING USA ラボ所長
グローバルビジネスコンサルタント
学習院大学大学院経済学研究科博士課程後期単位取得満期退学。日・欧・米上場企業に勤務し、日本・北米・台湾でマネジメントを経験後、01年独立。グローバル市場で新事業・新市場開拓を企画立案から立ち上げまで一貫して行なう戦略コンサルティング、並びに海外法人&プロジェクトにおける多国籍人事組織コンサルティングを実施。国内では大手上場企業をクライアントとし、これまで12業界の契約を手掛ける。
事業詳細は、SPCC TOKYO で検索可能。著書に『海外勤務を命じられたら読む本』(KADOKAWA)がある。

本書の要点

  • 要点
    1
    海外では、「違い」こそ美徳。また、数字で表せる実績が評価される。自分は何のプロなのか、相手に伝える努力を。特に商談の場では、その商談の目的を意識して伝えるようにしたい。
  • 要点
    2
    海外では、いかに効率を高めるかに重きが置かれている。曖昧なやり取りで相手をイラつかせないよう、まず何事も目的から話すなど、帰納法・演繹法といった論理展開も駆使していく。
  • 要点
    3
    海外に出る前は、その国の文化や習慣も頭に入れておくことが大切であると同時に、一般教養として日本の文化や歴史も、自分の意見を交えてこたえられるレベルにまで学んでおくことが肝要だ。

要約

90日間で、世界に通用する人になる!

英語力の最低ラインは「死なない程度」

世界で活躍するビジネスパーソンは英語を流暢に操るものである。そのため、他の人と同じように英語ができなければ、見下されてしまう。モデルで女優の杏は、米・仏進出の経験を振り返り「フランス語は死なない程度に話せます」と言ったそうだ。死なない程度とは、日常的な挨拶や5W1Hを用いた会話など、基礎的なレベルを指す。

基礎的な水準を満たすためには、ビジネス誌の定期購読をすることで英語力を鍛えることが効果的だ。文章を頭の中で音読しながら、読破していくことが良い。

「自分で考え、自分で動く」力
©iStock/shironosov

「あなたの職業は何ですか」と聞かれ、日本人の多くは「会社員」と答えるかもしれない。しかし、海外のビジネスパーソンは「経営コンサルタント」などと、より具体的な職業名を答える。個人としての強い職業意識があることが前提なのだ。

個人として労働市場で市場価値を高めるためには、「プロフィットセンター」での経験が重要である。具体的には、マーケティングやセールスといった収益に直結する部門での経験である。もしそれ以外の部署に配属された場合には、専門知識を磨くために大学の夜間コースを受講するというように、自らすすんでスキルを高める努力をすべきだ。

プロセスは自分で創る

日本のビジネスパーソンは「結果だけでなくプロセスを評価される」という考えがあるため、努力をしていることのアピールをしがちである。しかし、海外の企業では結果や成果が最優先され、「プロセスを評価する」という考え方はないと思っておいた方がよい。

一方で、ゴールに至るまでのアプローチに関しては、自由度が大きい。「すべての人が結果のもとに平等」という単純明快なシステムだと言える。主体的に動いていくことで、評価を取りに行く姿勢を持つことが肝要だ。

【必読ポイント!】海外に行く前に習得すべきこと

具体的な数字を提示する

欧米では「何となく」といった曖昧さは好まれず、何事も論理的な考えを求められる。特に数字で示せるデータというような、確かな裏付けが求められることが多い。まずは様々な裏付けをもとに、論理的に説明できるように訓練しよう。

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要約公開日 2015.12.14
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