気くばりのできる人になるためにまず著者がおすすめしているのが「ハンカチを2枚持つ」ことだ。ハンカチ1枚は身だしなみの域で当たり前のレベルであり、2枚目は自分ではない誰かのためのものである。著者自身も旅行中に飲み物を膝にこぼして慌てていたとき、初対面の男性からきれいなハンカチを差し出され、とても感動したという経験をしている。
このように実際に誰かにハンカチを差し出すということはそうあるものではないが、成功する人は常に準備を怠らないものなのである。自分以外の人に対して気をくばることが心のゆとりを生み、ものごとの好循環につながっていく。
少し面倒なことをさっと相手にしてもらうと、人は嬉しいものだ。ザアザア降りの雨の中、手に荷物を抱えていて傘を開くのが大変なときに、傘を開いて渡してもらったら、なんと晴れやかで嬉しい気持ちになるだろうか。実際に著者が接客コンサルティングをしている先でも、雨の日は出口でお客様の傘を開いて渡すように指導しているという。
傘に限らず、小さな先読み行為ができる人は周囲の評価が高い。例えば缶飲料の「プルタブ開け」である。プルタブを開けるのは女性には意外と大変で、力がいるもの。これをさっと開けてから渡せばスマートだろう。
成功者・お金持ちと呼ばれる人たちは、みな長財布を好んで使う。それは、「お札をきれいに扱いたい」からである。長財布だとお札を折らずにすむため、きれいなお札を相手に渡すことができる。ご祝儀などでなくとも折り目のないお札を渡されるのは気持ちがいいものだ。お金に愛される人は、それだけお金を大切に扱っているといえる。
さらにひと工夫を加えるとすると、お札の向きを揃えるようにしておきたい。お札にも表裏、上下がある。向きの揃ったお札を渡せる人は、それだけものごとを丁寧に扱う人という印象を与えることができる。
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