プロフェッショナル シンキング

未読
プロフェッショナル シンキング
出版社
東洋経済新報社
出版日
2015年08月06日
評点
総合
4.0
明瞭性
4.0
革新性
4.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

いま、社会の在り方、ビジネスの形は大きく変わりつつある。と同時に、これからも大きく変わっていく可能性を秘めている。そこに正解はない。しかし考えるヒントはある。本書は、ビジネスの最前線に立つ著者たちが、最新の知見をもって「未来を見通す思考力」を身につけるための考え方を伝授してくれる。

本書では「未来には二種類ある」と述べられている。「ある程度予測できる未来」と、「新しく創る未来」だ。これまで起きたこと、今起こっていることの意味をよく考え、変わりつつあることにアンテナを張ることで予測できる近い将来のことから、現在の生活を大きく変えるような革新的な未来の描き方まで、あらゆる未来を見通すための考え方がぎゅっと詰まっている。

さらに、未来を見通したうえで「顧客はどう変わっていくか」を考える方法論についても深掘りしていく。社会構造や時代の流れ、個人の価値観や考え方など、顧客に影響を与える要因はさまざまあるが、それぞれ有機的につながりをもって分析することで、顧客の変化をより多面的に考えることができるのだ。

思考の方法については、実際のビジネス事例や図解を用いて解説されているのでイメージが湧きやすい。また、要所要所に「読者への問い」があることも特徴的だ。「自分だったらどう考えるか」「自分の業界ではどんな未来が考えられるか」と「自分ごと」としてとらえるトレーニングができる。これからの社会を生き抜いていく、本物の思考力を身につけたいと願う人にぜひ読んでほしい一冊だ。

著者

宇田左近(うだ・さこん)
ビジネス・ブレークスルー大学経営学部長
株式会社ビジネス・ブレークスルー取締役、株式会社荏原製作所取締役、原子力損害賠償・廃炉等支援機構参与(東京電力調達委員会委員長)、公益財団法人日米医学医療交流財団理事。東京大学工学部建築学科卒業、同工学系研究科修士課程修了(工学修士)。シカゴ大学経営大学院修了(MBA)。
日本鋼管(現JFE)、マッキンゼー・アンド・カンパニー、東京医科歯科大学大学院医療経営学研究科客員教授、日本郵政株式会社専務執行役、郵便事業株式会社専務執行役員、東京スター銀行COO等を経て現職。郵政事業、電力等のインフラ系企業の企業変革、および金融機関の企業変革・組織改革に従事。また医療機関における医療経営革新を継続的に支援。郵政民営化に関する有識者会議委員、東京電力福島原子力発電所事故調査委員会調査統括等を歴任。著書に『なぜ、「異論」の出ない組織は間違うのか』(PHP研究所)などがある。

平野敦士カール(ひらの・あつし・かーる)
ビジネス・ブレークスルー大学経営学部教授
株式会社ネットストラテジー代表取締役社長、社団法人プラットフォーム戦略協会理事長。東京大学経済学部卒業。
日本興業銀行、NTTドコモiモード企画部担当部長を経て現職。上場企業を中心に数多くの会社のアドバイザーを務める一方、経営コンサルタント養成講座の運営や国内外での講演多数。早稲田大学ビジネススクールMBA非常勤講師、ハーバード・ビジネス・スクール招待講師等を歴任。著書に『プラットフォーム戦略』(共著、東洋経済新報社)、『図解 カール教授と学ぶ成功企業31社のビジネスモデル超入門!』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『カール教授のビジネス集中講義「経営戦略」「ビジネスモデル」「マーケティング」』(朝日新聞出版)などがある。

菅野誠二(かんの・せいじ)
ビジネス・ブレークスルー大学経営学部教授
ボナ・ヴィータ代表取締役社長、日本経団連グリーンフォーラム講師、名古屋商科大学Weekend MBA客員教授。早稲田大学法学部卒業。スイスIMD経営学大学院修了(MBA)。
ネスレ日本、マッキンゼー・アンド・カンパニー、ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント(ディズニーのホームビデオ部門)を経て現職。マーケティング戦略、経営戦略の立案と実行に対するコンサルティングやマーケター育成のプログラムを行っている。著書に『値上げのためのマーケティング戦略』(クロスメディア・パブリッシング)、『PowerPointビジネスプレゼン 論理を磨き・信頼を獲得し・心を動かすプレゼンテーション』(翔泳社)、『共感をつかむプレゼンテーション』(日本経団連出版)などがある。

本書の要点

  • 要点
    1
    常識や慣例にとらわれていると、本来の課題や目的を見失う「思考逃避」に陥ることがある。日々、「何が課題なのか」「どうすればよいのか」を考えることが大切だ。
  • 要点
    2
    物事の本質や大局を見て、今起きていることからある程度先の未来を予測することができる。一方、現状にとらわれずに未来を思い描くことや、「プラットフォーム戦略思考」によって、全く新しい未来を創り出すこともできる。
  • 要点
    3
    未来を見通す中で、顧客はどう変化していくのか、社会構造の変化や時間の経過、個人の内面の変化などを読み解くことで見えてくるものがある。

要約

正解のない社会を生きていくために

「考える力」を鍛えよう
©iStock/Wavebreakmedia

毎日の中で、こんなことはないだろうか? 入社年次や新卒・中途入社の別がついてまわる、上司の発言だから正しいという空気になる、会議は形式的で本音の議論が交わされない、などだ。いつのまにか組織の慣例に慣れ、「そういうものだ」と思い込み、自分で考えなくなってしまってはいないだろうか。クライアントの要求、上司の指示を、言葉どおりに受け取っていないか? 業務を手順どおりこなしているから正しいはずだと思っていないか? 本当に解決しなければいけない問題は何なのか、もっと突き詰めて「考える」必要があるのではないだろうか。

考える力をつけるには、日ごろからの思考のトレーニングを積み重ねていくべきだ。たとえば、転職や家の購入など人生の選択において、よいシナリオ、悪いシナリオをそれぞれ2年後、10年後といったスパンで想定してみる。常に思考の練習をしていくことで、答えのないことについてどう考えていけばよいか、その方法が自然と身についていくはずだ。

市場の未来を見通す

時流をつかむ

これからの時代を生きていく上で、未来がどうなっていくのかを知るために、マーケットを見通すことは非常に重要だ。世の中の出来事の本質をよく考えてみると、歴史がくり返されていたり、時代の流れができていたりすることに気づく。

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要約公開日 2015.12.10
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