すでに多くの資産を手にしている経営者は、これ以上働かなくても裕福な暮らしができる。にもかかわらず、彼らの多くが熱心に働き続けるのは、金や地位、名誉といった個人の夢を超えた、世の中のために仕事をするという「志」を持っているからだ。志こそが、成功者の働く意欲の源なのである。
人は、誰かのために何かをしようとしている人を応援したくなるものだ。例えば、単に「年収1000万円をめざしたい」という目標を掲げるだけでは、誰もなかなか応援してくれないだろう。しかし、例えば「1000万円の大部分を貯めて働く女性を応援する保育施設を作りたい」という「目的」を強調していれば、周囲の人も心が動かされ、応援したいという気持ちが強まっていく。
仕事は基本的に、誰かのためにある。「誰か」を意識し、どうすればその人の役に立つかを考えながら仕事をしていると、最終的に自分にも大きなリターンが返ってくる。
成功者は、常に相手の立場に立って考え、行動している。メールを例にとると、上司からの重要なメールを受け取った際には、「まずは自分がこのメールを読んだことを上司は知りたいはずだ」と考えて着信確認のメールを返送するというように、相手の立場で考え、行動する。こうした小さな行動の積み重ねが信頼につながっていく。
入社したばかりの頃は、誰もが早く一人前になって大きな仕事を担当したいと考える。しかし、任されるのは単純な仕事や雑用ばかりで、つまらないと感じるかもしれない。そんなとき、組織では各人が能力に見合った役割を果たさなくてはいけないことを思い出してほしい。
例えば、20代のメンバーが出張のレポートを命じられたとしたら、背伸びをした内容を書くよりも、20代でなければ書けないような着眼点を持って、レポートにまとめることが求められる。職場全体を見渡して、自分が周囲から期待されている役割を考えることが必要だ。
サッカーでゴールポストがなければ試合が成立しないように、ゴールが明確でない仕事はうまくいかない。
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