クリエイティブコンサルタントの思考の技術

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クリエイティブコンサルタントの思考の技術
出版社
かんき出版
出版日
2015年03月06日
評点
総合
3.5
明瞭性
3.5
革新性
3.5
応用性
3.5
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おすすめポイント

素晴らしいアイデアを出すには何が必要だろうか。この本の著者は、これまでに名だたる企業に対してアドバイザーとして創造性や効率性を高めるコンサルティングを実施しており、複雑な問題をシンプルに解決する能力が高く評価されている。本書においては、優れたアイデアを出すために必要なのは、才能でも時間でもなく「思考の技術」であるということを示す50の方法を紹介している。その中には、著者自身がたくさんのビジネス書を読み、そこから発見したものも盛り込まれており、クリエイティブ分野において高いパフォーマンスを出すための様々な知恵が凝縮されているといえる。

また、本書はただアイデアを生みだすだけではなく、そのアイデアの実行フェーズにも言及している。数あるアイデアの中から、現実的かつ有意義なものを抽出することは意外に難しい。そして、どんなに独創的なアイデアを出しても、実現可能性がないものであっては意味がない。カタチとなって成果が表れてこそ初めてアイデアに価値が生まれるのである。

本書で紹介されている方法は真新しいものばかりではなく、今まで無意識的に行っていたものも含まれているかもしれない。しかし、これまでやってきたように場当たり的に何かを生み出すのではなく、秩序を持ってアイデアを生みだし、確実かつスピーディにそのアイデアを実現させるために、一度この「思考の技術」について体系的に学んでみることは有意義だろう。

ライター画像
山下あすみ

著者

ケヴィン・ダンカン
企業アドバイザー。マーケティングを専門とし、講演や執筆活動も精力的にこなす。広告・マーケティング業界で20年働いた後に独立し、企業をよりよくするためのアドバイザーとなる。以後14年にわたってさまざまな企業にアドバイスを提供している。
クライアントの数は400を超え、手がけたプロジェクトの数は1000を超える。また、創造性や効率性を称える賞を35も受賞。クライアントは、シェル、ノキア、ロンドン証券取引所、ディスカバリーチャンネルなど多数。ロンドン大学キングス・カレッジで講義を行う他、テレビやラジオなどにコメンテーターとして出演している。
『図解思考 50のルール』(かんき出版)をはじめ、ビジネスをシンプルにしてより大きな成功を収めることをテーマとした著書をこれまで12作執筆。テレグラフ・ビジネスクラブ・ブック・オブ・ザ・ウィークに選ばれた他、CMIマネジメント・ブック・オブ・ザ・イヤーにノミネートされたこともある。200のビジネス書を簡潔にまとめたブログ「Greatest Hits」には、毎月1000を超えるアクセスがある。

本書の要点

  • 要点
    1
    「場当たり的にアイデアを出す」「とにかく奇抜なアイデアを出す」というやり方に効果はない。本物の独創性とは、秩序の中で生まれるものなのである。
  • 要点
    2
    アイデアを思いつくことができない人もいれば、アイデアの良し悪しが見極められない人もいる。見極めのテクニックを学ぶことで、悪いアイデアを捨てることができる。
  • 要点
    3
    アイデアを実行に移すことは、アイデアを生みだす以上に難しい。チームや顧客など、関係者すべてを巻き込めて、初めてアイデアは実行される。

要約

アイデアを生みだす準備をする

はじめに

アイデアを出すときには、アイデアを出す目的を明確化する必要がある。「何を達成したいか」「なぜ達成したいか」がはっきりしていない段階で計画を始めてはいけない。

目的がまとまれば、次はアイデアを出す「方法」と「人」を決める。自分1人で解決するのであればそれで構わないが、複数の人の協力が必要と判断したのなら、目的の伝え方や話し合いの方法を決める。ブレインストーミングに最適な人数は4人だと言われており、最高でも8人に抑える。アイデアを出すために最適なメンバーを吟味する必要がある。

ミーティングの準備
©iStock/IPGGutenbergUKLtd

メンバーが決まったら、次はミーティングの準備をする。自宅でもオフィスでもないサードプレイスを利用することや、月曜日の朝・金曜日の午後は避けるなど、時間・場所にも気を配る。参加者のやる気、注意力、生産性は時間の経過とともに低下するため、ミーティングにはできるだけ時間をかけないことが好ましい。例えば、集中力が持つ30分単位でミーティングを設計することが望ましい。アイデアを出し、それを吟味して検証するというような各工程の大まかな流れは把握しておく必要がある。そして、ミーティング中には参加者が退屈しないように、意表を突くような質問をするといった、適度な刺激を与えることも大事である。

また、参加者に準備をさせることも進行役の準備と同じくらい重要である。参加者が思いつきで喋ることのないように、事前に宿題を課しておくことが有効だ。それにより、参加者は議題やテーマを十分に理解した上でミーティングに臨むことができる。

【必読ポイント!】 原型となるアイデアを生みだす

否定的な意見を抑えるために

ミーティングでアイデアを生みだそうとするとき、それを否定する発言や態度のせいで議論が脱線してしまうことがよくある。

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要約公開日 2015.11.23
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