最近うまくいってないと思う人は、判断力が備わっていないことに原因がある。一流の判断力を身につけている人は失敗を恐れず行動するが、身につけていない人は失敗しないよう、リスクを取らないように行動する。このような行動をつづけていると、流される行動がメインになり、受け身の仕事や指示待ちが多くなる。仕事でもプライベートでも成長できず、うまくいかなくなる。
現代では外部要因として選択肢が激増した社会環境、内部要因として失敗に対する不安感の増加があることから、素早く決断することが難しい社会になっている。しかし、情報量が多く判断力のある人が減っている今こそ、リスクを取ってでも誰よりも早く判断するという「即判断」をするだけで、より大きなリターンを得られる。判断の速さと利益の大きさは一致しており、成功している経営者のほとんどが「即判断」の達人といえる。
優柔不断な人でも、意思決定を4つの象限で考えれば、簡単に決めることができる。一つ目の基準は、得られる果実(成果)の大きさで判断することだ。例えば、ランチを何にするかはどちらにしても大きな違いはないため、時間をかけて考えても仕方のない決断と言える。二つ目の基準は、「駆け引き要素」である。これは自分だけで決められることなのか、それとも競争相手がいるかで変わり、いる場合は駆け引きが発生し選択肢が一気に増える。相手の出方を予想してベストなものを考えなければいけないが、選択に時間がかかるとマーケットに競合が増加してしまう。
縦軸は駆け引き要素、横軸は果実の大きさとして、それを4つのボックスに分ける。順に第1象限は果実が小さく、駆け引き要素が少ない意思決定ゾーン、第2象限は果実は大きいが、駆け引き要素が少ない意思決定ゾーン、第3象限は果実が大きく、その分駆け引きが多い意思決定ゾーン、第4象限は果実は小さいが、自分だけでは決定できないような意思決定ゾーンと分類する。
「意思決定ツール」といっても、身につけるのはトレードオフ(第1象限)、ツリー化(第2象限)、絞り込みおよびゲーム理論(第3象限)、の4つのツールだけである。これらを身につけるだけで複雑な物事でも、頭のなかをシンプルに整理できるようになり、この先の人生において思考スピードが上がり速く正確な判断を行っていくことができる。
意思決定を行う際、最も基本的な考え方が「対比」である。対比すべきポイントは時系列、標準値、他者(他社)、理想とのギャップの4つのみだ。例えば、時系列については、
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