話すときに基本となるのが声。話し方を学ぶ前に、まずは声の出し方の基本をおさえよう。一言に「自分の声」と言っても、実はその出し方はさまざまである。どんな場面で、誰に向かって話すのかといったシーンに合わせて、声を使い分けるべきである。そして、声も話し方もちょっとしたコツで劇的に変わるのである。今まで無意識にやっていたであろう声の使い分けを意識してできるようになると、あなたの話は今までよりずっと、相手に伝わりやすくなることだろう。
相手に何かを伝えたいとき、いい声で伝える場合とそうでない場合では、伝わり方が大きく変わる。いい声を出すポイントは、呼吸の仕方、声の響かせ方、そして滑舌の3つだ。ひとつひとつ見ていこう。
まず一つ目の呼吸についてである。力強く安定感のある声を出すために、より多くの空気を吸い込める「腹式呼吸」をマスターしよう。壁に背中をつけ、お腹に空気を入れるように吸ったり吐いたりする。肩や胸で呼吸しないようリラックスしながら、お腹だけを動かすことを意識する。難しい場合は、仰向けに寝ると自然と腹式呼吸を行えるので、イメージがつかめるはずだ。腹式呼吸で声を出すと、のどが枯れにくく、リラックスして落ち着いて話すことができるのもメリットだ。慣れてきたら、腹式呼吸を使いながら20秒程度「アーーー」と声を出す長音トレーニングや、「アー、エー、イー、ウー、エー、オー、アー、オー」と1音ごとにお腹をリズムよくバウンドさせるように息を吐き発声する、中短音トレーニングをすると良いだろう
二つ目は、声の響かせ方である「共鳴」だ。体のどの部分で声を響かせているかは、実際に自分の体を触ってみることで簡単にわかる。たとえば、鼻先に指を当てて、高い音から低い音まで口を閉じたままいろいろな高さでハミングをしてみると、ちょうど鼻先がジンジンとふるえる高さがあることに気づく。
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