団塊世代は、同世代の数が多いので競争意識が強い。終戦直後に生まれたため、前時代の封建性と新しい時代の革新性の両面を持つ。幼少時から戦後民主主義教育や欧米文化に触れて成長し、「戦争の呪縛」から解放された最初の世代だ。戦争に対しても公然と「反対」と主張することができることも特徴である。一方で、当時の世界情勢から「思想」が重視され、「保守」「革新」の2つの立場が生まれ、選択を迫られた。こうした「思想の呪縛」からは自由になり切れなかった側面もある。
また、初めて日本に「私生活」を持ち込んだ世代だ。勉強ばかりしている人は「ガリ勉」と嫌われ、音楽やファッション、車などに詳しい人が一目置かれ、後に若者文化や反体制へとつながっていく。
1959年の皇太子ご成婚を機にテレビが普及。団塊世代が小学校高学年のころにテレビが家庭に入った。
「月光仮面」「赤胴鈴之助」「鉄人28号」「鉄腕アトム」などの実写版が放映されて人気となり、それが現在のアニメにつながっている。開局したばかりの民放では、「名犬ラッシ―」などアメリカのドラマが放送されていた。
アメリカの生活文化を知る体験は、アメリカ東部の学生ファッションであるアイビールックの大流行につながる。1962年にはアメリカのベンチャーズが来日し、中高生だった団塊世代はその音に魅せられた。やがてイギリスからビートルズが来日。米英のバンドが多く来日し、それらを受け入れていった。
「モテたい」という気持ちを背景に1964年に「平凡パンチ」「週刊プレイボーイ」が創刊。「バイタリス」「MG5」など男性化粧品も出始める。日産スカイラインの広告で「女の子と二人で車に乗ろう」というキャンペーンも展開された。
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